市場支配力
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市場支配力(しじょうしはいりょく)とは、企業が自己の製品の販売価格に対して有する影響力を意味する[1]。
解説
[編集]完全競争市場では、個々の企業に価格決定権がない[2]。完全競争市場では、市場価格を上回る価格を付けた製品は一切、売れず[2]、また、単独の企業の行動は市場価格に影響を与えることができない[3]。このため、個々の企業は、市場価格を所与のものとして[3]、自社の製品を市場価格で販売する以外の選択肢がない。
これに対して、完全競争以外の市場では、企業は、その行動により、自己の製品の販売価格に影響を与えることができる。この場合、企業は市場支配力を持つという[4]。その究極の形が独占である[4]。現実には、完全競争とみなせる市場はごく少数であり、多くの企業が何らかの市場支配力を持つ(少なくともある程度は製品の販売価格をコントロールできる)。
市場支配力の源泉
[編集]企業が市場支配力を維持するためには、競争相手が市場に参入することを阻む要因が必要である[5]。これを参入障壁という[5]。重要な参入障壁として、自然独占、スイッチング・コスト、製品差別化、政府による規制などがある[5]。特許権や著作権もまた、市場支配力の源泉となる参入障壁である。
出典
[編集]- ^ レヴィット, スティーヴン (2018). レヴィット ミクロ経済学 発展編. 東洋経済新報社. p. 620
- ^ a b レヴィット, スティーヴン (2017). レヴィット ミクロ経済学 基礎編. 東洋経済新報社. p. 493
- ^ a b レヴィット, スティーヴン (2017). レヴィット ミクロ経済学 基礎編. 東洋経済新報社. p. 494
- ^ a b レヴィット, スティーヴン (2018). レヴィット ミクロ経済学 発展編. 東洋経済新報社. p. 4
- ^ a b c レヴィット, スティーヴン (2018). レヴィット ミクロ経済学 発展編. 東洋経済新報社. pp. 5-11