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平戸市営フェリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

平戸市営フェリー(ひらどしえいフェリー)は、長崎県平戸市が運航する、二次離島である的山大島と、平戸島、九州本土の田平港を連絡するフェリー航路である。本項では的山大島の航路概略についても記述する。

概要

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2005年(平成17年)の新設合併により、大島村の運航していた航路を継承した。

的山大島には戦前、野母商船の博多 - 上五島、長崎 - 対馬、的山 - 伊万里の各航路が寄港していたが、各航路とも抜港または休廃止され、戦後は村営船の他、1968年(昭和43年)頃まで松浦汽船が平戸・田平航路を運営した[1]。その後、1998年(平成10年)には美咲海送が貨物フェリーとして参入し、のちに旅客定期航路となるが、2012年(平成24年)に撤退、以降は平戸市営フェリーが唯一の定期航路として、客貨の輸送を行っている。

この間、1963年(昭和38年)に島内の通学航路として的山 - 板浦航路を開設(のち廃止)、1970年(昭和45年)には平戸・田平航路に初のカーフェリー「大島丸(3代)」が就航し、フェリー化された。

美咲海送の撤退後、増便によっても航送需要に応えきれないことから、2019年(平成31年)には船舶を大型化している[2]

航路

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現在の航路

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  • 平戸(平戸島) - 田平 - 的山(的山大島)
航路距離18.53km、所要時間40分(直航)。
一日5往復、うち平戸行の1便のみ田平寄港。1月1日は全便休航。
かつては神浦(的山大島)寄港便もあったが、2024年現在、島内の寄港地は的山港のみとなっている。

過去の航路

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  • 的山 - 板浦(的山大島)[3]
航路距離2.5km、学休日運休。
1963年に開設された島内沿岸航路。廃止時期不明。

船舶

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運航中の船舶

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フェリー大島(2代・2024年)
  • フェリー大島(2代)[4]
2019年1月就航、前畑造船建造。
272総トン、全長46.57m、型幅10.00m、型深さ3.50m、ディーゼル2基、機関出力1,472kw、航海速力13.3ノット、旅客定員150名。
車両甲板は開放型・ランプは船尾のみとなったが、船型は全般に拡大され航送能力の増強が図られた。

過去の船舶

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フェリー

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  • 大島丸(3代)[5]
1970年12月竣工、前畑造船鉄工建造。
148.59総トン、全長32.23m、型幅6.80m、型深さ2.55m、ディーゼル1基、機関出力750ps、航海速力12ノット、旅客定員220名、乗用車2台または2tトラック1台。
的山大島初のカーフェリー。
  • フェリー大島(初代)[6]
1989年11月竣工、向井造船所建造。
198総トン、全長37.60m、型幅8.00m、型深さ3.04m、ディーゼル2基、機関出力1,700ps、航海速力13.0ノット、旅客定員167名、8tトラック1台・乗用車2台。
引退後、苓北町安田産業汽船用船)に売船、「フェリーきずな」に改名。
第二フェリー大島(2011年)
  • 第二フェリー大島[7]
2005年12月16日竣工、前畑造船建造。
199総トン、全長42.12m、型幅9.60m、型深さ3.50m、ディーゼル2基、機関出力1,324kw、航海速力13.0ノット、旅客定員150名、トラック2台・乗用車2台。
このクラスとしては珍しいバウバイザーを装備し、前後にランプを持つ密閉型の貫通車両甲板となった。
引退後、安栄観光に売船、「フェリーはてるま2」に改名[8]

旅客船

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  • 大島丸(初代)
1949年12月進水。
1954年6月進水、平戸造船所建造、木造。
49.18総トン、焼玉機関、機関出力120ps、航海速力8ノット、旅客定員68名。
  • 大島丸(2代)[3]
1955年11月進水、鋼製。
79.90総トン、ディーゼル1基、機関出力270ps、航海速力9ノット、旅客定員106名。
もと生月漁業協同組合「いきつき丸」[10]
  • もとやま[3]
1963年3月進水、鋼製。
18.13総トン、ディーゼル1基、機関出力45ps、航海速力7ノット、旅客定員32名。
的山 - 板浦航路に就航。

脚注

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  1. ^ 『日本旅客船船名録』では「大島丸」となっている。

出典

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  1. ^ 『旅客定期・不定期自動車航送貨物定期航路事業現況表』昭和44年8月1日現在,運輸省海運局定期船課,[1969]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2523859 (参照 2024-04-03)
  2. ^ 平戸市船舶運航事業経営戦略”. 平戸市. 2024年4月3日閲覧。
  3. ^ a b c 『旅客定期不定期・自動車航送貨物定期航路事業現況表』昭和41年8月1日現在,運輸省海運局定期船課,[1967]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2531329 (参照 2024-04-04)
  4. ^ 建造実績/旅客船・フェリー”. 前畑造船. 2024年4月3日閲覧。
  5. ^ 『日本船舶明細書 1983』日本海運集会所、1983年。 
  6. ^ 『日本船舶明細書 1996』日本海運集会所、1996年。 
  7. ^ 『海技研ニュース : 船と海のサイエンス』2006((Spr.)),海上技術安全研究所. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/8235792 (参照 2024-04-03)
  8. ^ 平戸になぜ?沖縄のフェリー 新船故障で売却船「里帰り」”. 西日本新聞社. 2024年4月3日閲覧。
  9. ^ 『日本旅客船船名録』昭和39年版,日本旅客船協会,1964. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2504820 (参照 2024-04-04)
  10. ^ 『国内旅客船船名録』昭和34年度,日本旅客船協会事務局,1959. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2490636 (参照 2024-04-04)

関連項目

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外部リンク

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