弁景温泉
弁景温泉 | |
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弁景温泉共同浴場 | |
温泉情報 | |
所在地 | 北海道有珠郡壮瞥町弁景 |
交通 | JR北海道室蘭本線伊達紋別駅よりバスで約45分 |
泉質 | 単純温泉 |
泉温(摂氏) | 63.1 °C |
湧出量 | 1200L/min |
弁景温泉(べんけいおんせん)は、北海道有珠郡壮瞥町弁景にある温泉である。
泉質
[編集]※ 「久保内ふれあいセンター」掲示より
温泉地
[編集]壮瞥町弁景の弁景川と小弁景川の出合付近に泉源があり、附近には地元住民を中心とした会員制の共同浴場があるのみで、源泉付近では外来者の入浴利用はできない[1]。
壮瞥町により多目的に泉源活用されており、2.5km離れた幸内地区の野菜生産団地の温室暖房に利用され[1]、そうべつ温泉病院の暖房や浴場[2]、さらに源泉から約5km離れた久保内地区の日帰り入浴施設の「久保内ふれあいセンター」に引湯され、こちらでは一般入浴可能である[1]。かつては久保内中学校でも利用されていた[1]。
歴史
[編集]1879年(明治12年)12月、紋鼈村(現・伊達市)の作間林之介が、弁景の弁景川と小弁景川の出合より小弁景川を100m遡った右岸に湧出する温泉を発見。仮湯小屋を建て、翌年「作間温泉」として開業する。開湯当時は、春に当地へ来て、冬は引き揚げる状況だった[3]。一方、「明治時代にアイヌの人から譲り受けて温泉が始まった」とも伝えられている[1]。
1883年(明治16年)になって、当地に作間林之介が定住を始める。作間は、現在の伊達市関内より志門別・壮瞥町立香・南久保内を経て当地までの道路を、当年より3か年かけて私費で開削、浴客の便を図り、本格的に当地での営業を始めた[3]。
戦後、当地の最盛期には3軒の温泉宿があった[1]。1964年(昭和39年)頃には、「弁景ホテル」と「オロフレホテル」の2軒の湯宿があったことが記録に残っている[4]。
近隣にあった幌別鉱山の閉山や、1977年(昭和52年)8月有珠山噴火による来訪客の減少により、翌1978年(昭和53年)12月、最後の湯宿「弁景温泉ホテル」が閉鎖された[5]。
1966年(昭和41年)以降、壮瞥町内において地質・地熱に関する各種調査が行なわれ[6]、その結果をもとに、1979年(昭和54年)から1982年(昭和57年)にかけて3本のボーリングを実施し熱水を得、この成果を1981年(昭和56年)より久保内地区での多目的利用が開始された[7]。
1954年(昭和29年)、弁景地区住民56人が資金や材木・セメントを寄付し浴場を建てた。この団体が現在の会員制共同浴場「弁景温泉共同浴場」の始まりとなる。その後、誰でも入浴できたが、1983年(昭和58年)頃、鏡を盗まれたり荒らされたりしたことから、玄関に南京錠をかけ「会員専用」とされた。2000年(平成12年)には、資金約500万円を集めて改築されている[1]。 この共同浴場の源泉は、かつて近所の湯宿からの「もらい湯」によって浴槽に湯を張ってきた。かつての地元源泉はすべて「自噴」した湯を利用していたが、町営の3本の源泉井戸は地下500~600mからの「動力揚水」したため、自噴源泉の泉温低下・湧出量低下・水量低下した[7]。そのため共同浴場の温泉は、町営源泉からの分湯を利用している[1]。
アクセス
[編集]- 久保内ふれあいセンター
- 国道453号壮瞥町久保内から北海道道2号洞爺湖登別線へ入りすぐ。
- 道南バス「久保内」停留所下車、徒歩。
- 源泉(壮瞥町弁景)
- 壮瞥町または登別市から北海道道2号洞爺湖登別線を利用。公共交通機関はない。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h “湯人話 弁景温泉(壮瞥)”. 朝日新聞DIGITAL (2014年7月6日). 2016年11月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月18日閲覧。
- ^ “病院概要”. 医療法人交雄会 そうべつ温泉病院. 2021年12月18日閲覧。
- ^ a b オロフレ観光協会による現地案内「弁景温泉由来」に拠る
- ^ 須川明, 長崎紀昭, 三好日出夫「蟠溪温泉および弁景温泉の調査」『北海道大学地球物理学研究報告』第14号、北海道大学理学部地球物理学教室、1965年8月、1-6頁、doi:10.14943/gbhu.14.1、ISSN 04393503、NAID 120000963170。
- ^ “弁景温泉が休業 有珠噴火で客足止まる 壮瞥 玄関に板が打ちつけられ、人影のない弁景温泉ホテル - 胆振管内壮瞥町内弁景地区 1978/12/08掲載”. フォト北海道 道新写真データベース. 北海道新聞. 2016年11月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月18日閲覧。
- ^ “地下資源調査所ニュース Vol.6 No.2 1990.04”. 北海道立地下資源調査所(現・地方独立行政法人北海道立総合研究機構#環境・地質研究本部地質研究所). 2016年11月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月18日閲覧。
- ^ a b 壮瞥町・弁景地区の熱水貯留層 地下資源調査所報告No.62(1990)北海道立総合研究機構 環境・地質研究本部 地質研究所, NAID 40002343073
外部リンク
[編集]久保内ふれあいセンター
- 公共施設 - 壮瞥町
医療施設
農業団体「壮瞥町オロフレ地熱利用野菜組合」