強零集合
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解析学において、強零集合[1]は実数直線の部分集合 A で次の性質を満たすもののことである:
- いかなる正の実数の列 (εn) をとっても、それに対して区間の列 (In) であって、全ての n について |In| < εn かつ A が In の和に含まれているものが取れる。(ここで |In| は区間 In の長さである。)
可算集合は強零集合である、そして可算個の強零集合の和も強零集合である。全ての強零集合はルベーグ測度 0 である。カントール集合は不可算でルベーグ測度 0 だが強零集合ではない例の一つである。[2]
ボレル予想[1]とは全ての強零集合は可算であるという命題である。この命題は ZFC から独立であることが知られている。つまりボレル予想は ZFC から証明も反証もできない(ZFC が無矛盾である限り)。シェルピンスキーは連続体仮説(これも今日では ZFC から独立であると知られている)が不可算な強零集合の存在性を導くことを1928年に証明した。[3]1976年にはレイヴァーが強制法の技法を用いてボレル予想が成立する ZFC のモデルを構成した。[4]これらの二つの結果により、ボレル予想の独立性が確立された。
以下の強零集合の特徴づけは1973年に証明された:
この結果は強痩集合(strongly meagre set)の概念との繋がりを確立した。それは次の通り定義される:
- 集合 M ⊆ R が強痩であるとは全てのルベーグ零集合 A ⊆ R について A + M ≠ R となることである。
双対ボレル予想とは、全ての強痩集合が可算であるという命題である。この命題もZFCと独立である。[6]
参考文献
[編集]- ^ a b Borel, Émile (1919). “Sur la classification des ensembles de mesure nulle”. Bull. Soc. Math. France 47: 97–125. doi:10.24033/bsmf.996 .
- ^ Jech, Thomas (2003). Set Theory: The Third Millennium Edition, Revised and Expanded. Springer Monographs in Mathematics (3rd ed.). Springer. p. 539. ISBN 978-3540440857
- ^ Sierpiński, W. (1928). “Sur un ensemble non denombrable, dont toute image continue est de mesure nulle” (フランス語). Fundamenta Mathematicae 11 (1): 302–4. doi:10.4064/fm-11-1-302-303 .
- ^ Laver, Richard (1976). “On the consistency of Borel's conjecture”. Acta Math. 137 (1): 151–169. doi:10.1007/BF02392416.
- ^ Galvin, F.; Mycielski, J.; Solovay, R.M. (1973). “Strong measure zero sets”. Notices of the American Mathematical Society 26.
- ^ Carlson, Timothy J. (1993). “Strong measure zero and strongly meager sets”. Proc. Amer. Math. Soc. 118 (2): 577–586. doi:10.1090/s0002-9939-1993-1139474-6. JSTOR 2160341.