御所山古墳
御所山古墳 | |
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所在地 | 福岡県京都郡苅田町大字与原 |
位置 | 北緯33度45分30.64秒 東経130度58分50.68秒 / 北緯33.7585111度 東経130.9807444度座標: 北緯33度45分30.64秒 東経130度58分50.68秒 / 北緯33.7585111度 東経130.9807444度 |
形状 | 前方後円墳 |
規模 | 墳丘長119m |
埋葬施設 | 横穴式石室 |
出土品 | 銅鏡・勾玉・管玉・ガラス玉・金銅製雲珠・埴輪など |
築造時期 | 5世紀後半 |
史跡 | 国の史跡「御所山古墳」 |
特記事項 | 豊前地方最大級の規模 |
地図 |
御所山古墳(ごしょやまこふん)は、福岡県京都郡苅田町大字与原にある古墳。形状は前方後円墳。国の史跡に指定されている。
豊前地方(福岡県東部・大分県北部地域)では石塚山古墳(苅田町富久町)と並び最大級の規模の古墳で、5世紀後半(古墳時代中期後半)頃の築造と推定される。
概要
[編集]福岡県東部、周防灘を望む低丘陵上に築造された大型前方後円墳である[1]。2007年度(平成19年度)から2015年度(平成27年度)にかけて発掘調査が実施されている[2]。
墳形は前方後円形で、前方部を北方向に向ける[1]。墳丘長は119メートルを測り、石塚山古墳(苅田町富久町、推定墳丘長約130メートル)と並び豊前地方では最大級の規模になる。墳丘は3段築成[3]。くびれ部の両側には造出が設けられている[3]。また墳丘外表では埴輪・葺石が検出されているほか[3]、墳丘周囲には幅約5メートルの周濠が巡らされている[3][4]。この周濠は現在も水をたたえ、周濠および周堤を含めた全長は140メートルにもなる[3]。埋葬施設は大型で古式の横穴式石室で、複数人が埋葬された[3][1]。石室からは、銅鏡(四禽四乳鏡)のほか、東アジアでの交流を物語る馬具などの副葬品が検出されている[4]。
築造時期は、古墳時代中期後半の5世紀後半頃と推定される[3]。苅田町域では、大型古墳として前述の石塚山古墳の築造も見られており、一帯に有力豪族が成長した様子が指摘される[2]。
古墳域は1936年(昭和11年)に国の史跡に指定されている[5]。
遺跡歴
[編集]- 文政3年(1820年)、埋葬施設が開口(『太宰管内志』)[4]。
- 1887年(明治20年)、坪井正五郎が埋葬施設を調査[4]。
- 1936年(昭和11年)9月3日、「御所山古墳」として国の史跡に指定[5]。
- 2007-2015年度(平成19-27年度)、発掘調査[2]。
- 2012年(平成24年)9月19日、史跡範囲の追加指定[6]。
- 2020年(令和2年)3月10日、史跡範囲の追加指定[7]。
- 2022年(令和4年)3月15日、史跡範囲の追加指定。
- 2024年(令和6年)10月11日、史跡範囲の追加指定。
墳丘
[編集]墳丘の規模は次の通り[3]。
- 古墳総長:約140メートル - 周堤・周濠を含めた全長。
- 墳丘長:約119メートル
- 後円部 - 3段築成。
- 直径:約73メートル
- 前方部 - 3段築成。
- 幅:約82メートル
- 造出
埋葬施設
[編集]埋葬施設としては、横穴式石室が使用されている[3]。この石室は後円部に位置し、玄室が長さ4.7メートル・幅3メートルを測る大型なものになる[3]。床面は正方形で、石障によって屍床が分けられており、被葬者は複数人であった[3]。また、石室壁面には赤色顔料が塗られていた[3]。この石室には狭い羨道が接続し、後円部から前方部側へ開口する[3]。
この石室からは、銅鏡(四禽四乳鏡)、勾玉、管玉、ガラス玉、金銅製雲珠などの副葬品が出土している(現在は宮内庁保管)[3][4]。
文化財
[編集]国の史跡
[編集]- 御所山古墳 - 1936年(昭和11年)9月3日に指定[5]、2012年(平成24年)9月19日・2020年(令和2年)3月10日・2022年(令和4年)3月15日・2024年(令和6年)10月11日に史跡範囲の追加指定[6][7][8][9]。
脚注
[編集]- ^ a b c 御所山古墳(平凡社) 2004.
- ^ a b c "苅田・御所山古墳 墳丘全長は120メートル"(読売新聞、2014年12月6日記事)。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 御所山古墳(国指定史跡).
- ^ a b c d e 文化財ガイドブック 2010.
- ^ a b c 御所山古墳 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ a b 「福岡県教育要覧 -平成24年度の実績-」 (PDF) (福岡県ホームページ)、p. 205。
- ^ a b 令和2年3月10日文部科学省告示第23号。
- ^ 令和4年3月15日文部科学省告示第29号。
- ^ 令和6年10月11日文部科学省告示第146号。
参考文献
[編集]- 史跡説明板
- 「苅田町歴史資料館 文化財ガイドブック」 (PDF) (苅田町教育委員会、2010年)、p. 16。
- 「御所山古墳」『日本古墳大辞典』東京堂出版、1989年。ISBN 978-4490102604。
- 「御所山古墳」『日本歴史地名大系 41 福岡県の地名』平凡社、2004年。ISBN 4582490417。
- 「御所山古墳」『国指定史跡ガイド』講談社。 - リンクは朝日新聞社「コトバンク」。