恐怖と欲望
恐怖と欲望 | |
---|---|
Fear and Desire | |
監督 | スタンリー・キューブリック |
脚本 | ハワード・サックラー |
製作 | スタンリー・キューブリック |
ナレーター | デヴィッド・アレン |
出演者 |
フランク・シルヴェラ ケネス・ハープ ポール・マザースキー スティーブ・コイト |
音楽 | ジェラルド・フリード |
撮影 | スタンリー・キューブリック |
編集 | スタンリー・キューブリック |
配給 |
Joseph Burstyn アイ・ヴィー・シー(コピアポア・フィルム) |
公開 |
1953年3月31日 2013年5月3日 |
上映時間 | 62分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $100,000 |
『恐怖と欲望』(きょうふとよくぼう、Fear and Desire)は、1953年公開のアメリカ映画である。監督はスタンリー・キューブリック。モノクロ、スタンダード、62分。
キューブリックの劇場映画デビュー作で、彼の伯父に資金を出資してもらって製作した[1]。製作側も出演者もほとんど映画製作の経験がなく、低予算で作られたが、ニューヨークの批評家からは好評された。
キューブリックは本作を「アマチュアの仕事」として、できるだけ多くのプリントを自分で購入して封印してしまい、長らく「幻のデビュー作」となっていた。ニューヨーク・ロチェスターのコダック・アーカイヴに1本だけフィルムが残っている[2]。
ストーリー
[編集]軍用機が敵の攻撃を受け、敵地の森に墜落した。無傷で助かった4人の兵士は、上官のコービー中尉の指示の下、筏で川を下って脱出することにする。ベテランのマック軍曹は川の反対側に敵のアジトを見つけ、そこに将軍らしき人物がいることを知ると、コービー中尉に奇襲を提案するが却下される。翌日、地元の少女に姿を見られた4人は彼女を木に縛り付ける。彼女の見張りを命じられた若い兵士シドニーは、恐怖心と欲望に駆られて彼女を犯そうと、彼女を縛り付けていたベルトを外すが、その瞬間に彼女は逃げ出す。慌てたシドニーは彼女を射殺してしまう。銃声に気付いてマック軍曹が駆けつけると、シドニーは既に気が触れており、そのままどこかに走り去ってしまう。
マック軍曹は、自分が筏で囮となり、その隙にコービー中尉とフレッチャーの2人で敵のアジトに忍び込んで将軍を倒し、飛行機を奪う計画を提案する。命の方が大事として反対するコービー中尉に対し、マック軍曹は「死ぬまでに何かを成し遂げたい、そのためには死んでもいい、このままではシドニーのように狂ってしまう」と言う。コービー中尉はマック軍曹の提案を受け入れる。
計画通りにマック軍曹が囮となっている間にコービー中尉とフレッチャーの2人は将軍の暗殺に成功し、奪った飛行機で脱出する。一方、マック軍曹は撃たれて息も絶え絶えの中、筏で川を下っているとシドニーと再会する。
無事に味方の基地に辿り着いたコービー中尉とフレッチャーは行方不明のマック軍曹を捜しに川辺に向かう。すると筏が現れ、そこにはマック軍曹の死体とシドニーの姿があった。
スタッフ
[編集]- 監督・製作・撮影・編集:スタンリー・キューブリック
- 脚本:ハワード・サックラー
- 音楽:ジェラルド・フリード
キャスト
[編集]- マック軍曹:フランク・シルヴェラ
- コービー中尉 / 敵の将軍(二役):ケネス・ハープ
- シドニー:ポール・マザースキー
- フレッチャー / 敵の大尉(二役):スティーブ・コイト
- 少女:ヴァージニア・リース
- ナレーター:デヴィッド・アレン
公開・上映
[編集]2011年秋にアメリカのケーブルテレビTCM局で放映され、2012年3月にはニューヨークのリンカーンセンターで開催された第41回ニューディレクターズ/ニューフィルムズ・シリーズで上映された。2012年10月23日にアメリカでDVD&Blu-rayがKINO INTERNATIONALより発売された(同ソフトには「海の旅人たち」も収録。2作品とも日本語字幕・吹替は無し)。
日本ではアイ・ヴィー・シーによって2013年5月3日に初公開され、同年12月10日にDVD&Blu-rayが発売された。
参考文献
[編集]- ^ キューブリック幻の長編デビュー作「恐怖と欲望」が日本初公開! - ライフニュース
- ^ “Fear and Desire (1953) - Trivia” (英語). IMDb. 2014年1月6日閲覧。