恩科
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恩科(おんか、拼音:ēn-kē)は、朝廷が恩を加えて、科挙の科賦を赦免することを言う。清代には、慶事があった時に特別行う科挙をいうことになった。
起源
[編集]宋代の科挙では、五代の後晋の制度を受け継いで、3年ごとに郷試、会試を行い、これを正科といった。皇帝が親しく試験をする時、別に名冊を奏し、特に試験することを許可する。これを特奏名と称する。この時は、みな合格することが出来る。ゆえに、これを「恩科」と称した。
恩科は宋代に始まり、明、清でもこの制度を用いた。清代には、通常の科挙以外に、朝廷に慶事がある時には特別に試験を行った。これも「恩科」と称した。もし、正科と恩科が合同して行われる時には、「恩正並科」と称した。
清代の恩科
[編集]清代には、全部で5回の恩科が行われている。
参考文献
[編集]- 宮崎市定『九品官人法の研究 科挙前史』
- (同朋舎〈東洋史研究叢刊〉、1985年) ISBN 4-8104-0423-4
- (中公文庫、1997年) ISBN 4-12-202991-0
- 『全集6 九品官人法』(岩波書店、1992年) ISBN 4-00-091676-9
- 宮崎市定『科挙史』(平凡社東洋文庫、1987年) ISBN 4-582-80470-5
- 宮崎市定『科挙 中国の試験地獄』。※ この2冊は『全集15 科挙』(岩波書店)に収録。
- 村上哲見『科挙の話 試験制度と文人官僚』
- (講談社現代新書、1980年) ISBN 4-06-145592-3
- (講談社学術文庫、2000年) ISBN 4-06-159426-5
- 平田茂樹『科挙と官僚制』(山川出版社〈世界史リブレット9〉、1997年) - 入門書 ISBN 4-634-34090-9