愛は翼にのって
「愛は翼にのって」(原題:Wind Beneath My Wings)は、1982年にジェフ・シルバーとラリー・ヘンリーが書いた曲である[1]。ベット・ミドラーが1989年に歌ったバージョンは、全米1位を獲得し、グラミー賞の最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞を獲得した。
解説
[編集]ドリー・パートンの「オールウェイズ・ラヴ・ユー」から影響を受け、ジェフ・シルバーとラリー・ヘンリーが書いた曲である[2]。彼らはこの曲のデモを録音してミュージシャンのボブ・モンゴメリーに送った際、モンゴメリーはミドルテンポからバラードに変更してデモを録音した。そして、シルバーとヘンリーは様々なアーティストにこの曲を売り込んだ。結局、ロジャー・ウィテッカーが最初に録音・販売することになり、ウィテッカーの1982年のスタジオ・アルバム『Wind Beneath My Wings』にこの曲が収録された。
ウィッテカーに続いて、シーナ・イーストンが1982年にこの曲を録音した。それは、イーストンの1982年のスタジオ・アルバム『マシーナリー』(Madness, Money & Music) に収録されたが、シングルとしては販売されなかった。しかし、イーストンはテレビ番組『ザ・トゥナイト・ショー』や『マーヴ・グリフィン・ショー』などでこの歌を披露している。
この楽曲が、アメリカ合衆国の音楽チャートに初登場したのは、1983年だった。歌手のルー・ロウルズが歌うバージョンが、ビルボード・アダルト・コンテンポラリー・チャートで10位を[3]、ビルボード・ホット・ブラック・シングル・チャートで60位を[3]、そしてビルボードの総合チャートで65位を記録した[4][3]。グラディス・ナイトが1983年にこの曲を「Hero」という曲名で録音したバージョンは、ビルボード・ホット・ブラック・シングル・チャートで64位を[4][5]、ビルボード・アダルト・コンテンポラリー・チャートで23位を記録した[5]。
他にもケリー・エリスやコリーン・ヒューイット、リー・グリーンウッド[6]、B・J・トーマス[2]、ウィリー・ネルソン[2]、ケニー・ロジャース[7]、パティ・ラベル、ジョー・ロングトーミ、エディ&ジェラルド・レヴァート、ジョン・テッシュ、ジュディ・コリンズ[7]、シャーリー・バッシー、イズラエル・カマカヴィヴォオレ[7]、ソナタ・アークティカ[7]、Chyi Yu(齊豫)、ペリー・コモ[2]、ドナルド・ブラスウェル2世、セルジオ・フランキ、ナナ・ムスクーリ[2]らが録音している。ルー・ロウルズは1985年1月19日、第50代アメリカ合衆国大統領の就任祭(ロナルド・レーガンの2回目の就任式が行われた前々日)でこの曲を歌い、その模様はアメリカ全国でテレビ放送された。
ゲイリー・モリスのバージョン
[編集]「The Wind Beneath My Wings」 | ||||
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ゲイリー・モリス の シングル | ||||
初出アルバム『Why Lady Why』 | ||||
リリース | ||||
時間 | ||||
作詞・作曲 | ラリー・ヘンリー、ジェフ・シルバー | |||
プロデュース | ジミー・ブラウン | |||
ゲイリー・モリス シングル 年表 | ||||
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1983年に、カントリー歌手のゲイリー・モリスにカバーされると、ビルボード・ホット・カントリー・シングル・チャートで4位を記録[8]、アカデミー・オブ・カントリーミュージックとカントリーミュージック協会の両方のソング・オブ・ザ・イヤーを獲得した。
チャート・パフォーマンス
[編集]チャート(1983年) | 最高位 |
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アメリカ合衆国 ビルボード・ホット・カントリー・シングル[8] | 4 |
カナダ RPM・カントリー・トラック | 10 |
ベット・ミドラーのバージョン
[編集]「愛は翼にのって」 | ||||||||
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ベット・ミドラー の シングル | ||||||||
初出アルバム『フォエバー・フレンズ(サウンドトラック)』 | ||||||||
リリース | ||||||||
録音 | 1988年 | |||||||
ジャンル | ポップス、ソフトロック、アダルト・コンテンポラリー | |||||||
時間 | ||||||||
作詞・作曲 | ラリー・ヘンリー、ジェフ・シルバー | |||||||
プロデュース | アリフ・マーディン | |||||||
ゴールドディスク | ||||||||
プラチナ(アメリカ合衆国)[9] | ||||||||
ベット・ミドラー シングル 年表 | ||||||||
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1988年に、歌手・女優のベット・ミドラーによるカバー・バージョンが映画『フォエバー・フレンズ』のサウンドトラックに収録され、翌1989年6月にシングル・カットされるとビルボードの総合チャートで1位を記録[10]、1990年2月に行われたグラミー賞で、最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞の両方を獲得した[11]。またこの曲は世界的にヒットし、イギリスで5位[12]、ニュージーランドで4位[13]、オーストラリアで1位を記録した[13]。1991年10月24日には米国内でミリオンを突破、アメリカレコード協会からプラチナディスクに認定された[9]。
チャート・パフォーマンス
[編集]チャート(1989年) | 最高位 |
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アメリカ合衆国 ビルボード・ホット100[10] | 1 |
オーストラリア ARIAシングルチャート[13] | 1 |
アメリカ合衆国 ホット・アダルト・コンテンポラリー・トラック[10] | 2 |
ニュージーランド・シングルチャート[13] | 4 |
全英シングルチャート[12] | 5 |
チャート(2008年) | 最高位 |
全英シングルチャート[12] | 70[14] |
先代 「ロック・オン」 by マイケル・ダミアン |
ビルボード・ホット100 1位獲得作品 1989年6月10日 |
次代 「ラヴィング・ユー」 by ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック |
脚注
[編集]- ^ Kawashima, Dale. “How He Co-Wrote The Classic Hit, 'Wind Beneath My Wings'"”. SongwriterUniverse. 2012年2月11日閲覧。
- ^ a b c d e Phares, Heather. “Wind Beneath My Wings - Bette Midler”. Song Review. AllMusic. 2012年8月3日閲覧。
- ^ a b c “Lou Rawls - Awards”. AllMusic. 2012年8月2日閲覧。
- ^ a b Billboard, 13 April 1996, p. 106
- ^ a b “Gradys Knight - Awards”. AllMusic. 2012年8月2日閲覧。
- ^ “Lee Greenwood - Wind Beneath My Wings”. ChartArchive. 2012年8月3日閲覧。
- ^ a b c d “Search for: Wind Beneath My Wings”. australian-charts.com. 2012年8月3日閲覧。
- ^ a b “Gary Morris - Awards”. AllMusic. 2012年8月2日閲覧。
- ^ a b “RIAA - SEARCHABLE DATABASE”. Recording Industry Association of America. 2012年8月3日閲覧。
- ^ a b c “Bette Midler - Awards”. AllMusic. 2012年8月2日閲覧。
- ^ “Past Winners Search”. 1989 - 32nd Annual GRAMMY Awards. GRAMMY.com. 2012年8月3日閲覧。
- ^ a b c “Bette Midler - Wind Beneath My Wings”. ChartArchive. 2012年8月3日閲覧。
- ^ a b c d “BETTE MIDLER - WIND BENEATH MY WINGS (SONG)”. australian-charts.com. 2012年8月3日閲覧。
- ^ UK Singles Chart