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抑うつ性パーソナリティ障害

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

抑うつ性パーソナリティ障害(よくうつせいパーソナリティしょうがい、: Depressive personality disorder ; DPD)は、メランコリックパーソナリティ障害: Melancholic personality disorder)とも呼ばれる、憂うつで抑うつ的な特徴と認知を示すパーソナリティ障害の一類型である。初めて登場したのはDSM-IIであり、DSM-IIIにおいて診断基準から除外された。DSM-IV-TRでは付録Bの研究用基準案に記載されており、正式なパーソナリティ障害のカテゴリには分類されておらず、特定不能のパーソナリティ障害の下位分類として記載されている[1]

抑うつ性パーソナリティ障害

診断基準

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DSM-IV-TR(研究用基準案)

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気分変調性障害と区別する必要があるかということについて議論があり、異なった診断基準の案が示されたものである[1]

A. 抑うつ的な認知および行動の広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち少なくとも5項目(またはそれ以上)によって示される。

  1. 通常の気分は、憂うつ、悲観、快活さのなさ、喜びのなさ、不幸感が優勢である。
  2. 不適切さ、無価値感、および低い自尊心についての確信が自己概念の中心を占める。
  3. 自分に対して批判的で自責的で、自分で自分をけなしている。
  4. くよくよ考え込み心配してしまう。
  5. 他の人に対して拒絶的、批判的、非難がましい。
  6. 悲観的である。
  7. 罪悪感または自責感を感じやすい。

B. 大うつ病エピソードの期間中にのみ起こるものではなく、気分変調性障害ではうまく説明されない。

— アメリカ精神医学会精神障害の診断と統計マニュアル、IV-TR[1]

これは大うつ病エピソードのような期間中にのみとしては起きるものとは異なり、気分変調性障害では説明できない[1]。否定的な考えに浸り続ける[1]

なお、パーソナリティ障害の診断は、特定のパーソナリティの特徴が成人期早期までに明らかになっており、薬物やストレスなど一過性の状態とも区別されており、臨床的に著しい苦痛や機能の障害を呈している必要がある[2]

脚注

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  1. ^ a b c d e アメリカ精神医学会 2004, pp. 754–756.
  2. ^ アメリカ精神医学会 2004, p. パーソナリティ障害.

参考文献

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  • アメリカ精神医学会、(翻訳)高橋三郎・大野裕・染矢俊幸『DSM-IV-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル』(新訂版)医学書院、2004年。ISBN 978-0890420256 

関連項目

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