抗酒薬
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抗酒薬(こうしゅやく)とは、アルコールと共に飲むと二日酔いに似た吐き気・頭痛などの症状を起こす薬である。嫌酒薬(antabus)、ジスルフィラム様作用薬(Disulfiram-like drug)という。また、そのような効果が表れる様を、アンタビュース様作用(Antabuslike)、ジスルフィラム様作用と呼ぶ。
アルコール依存症などの治療に使われる[1]が、患者が自尊心から命を捨ててまで抗酒薬を放棄する場合も多い[2]。
歴史
[編集]1937年に、ゴムの加工作業に関わる労働者達が、アルコールに弱くなり飲めなくなったという話から調査が行われた。1948年に実験などを通してゴム加工に使うジスルフィラムが原因と分かり、このような症状を起こす薬をantabus(嫌酒薬)と称した[3][4]。
ジスルフィラム様作用
[編集]→詳細は「en:Category:Disulfiram-like drugs」を参照
先に述べたジスルフィラムと同様の効果を起こすことをジスルフィラム様作用と呼ぶ。
シアナミド(cyanamide,石灰窒素)、n-butyral-doxime、スルホニルウレア、ヒトヨタケに含まれるコプリンの代謝物などにも同様の効果があることがわかっている。そのほか、セフェム系抗生物質などにもジスルフィラム様作用が見られる[5][6]。
脚注
[編集]- ^ “アルコール依存症の薬物療法”. 厚生労働省 e-ヘルスネット 情報提供. 2023年2月21日閲覧。
- ^ なだいなだ『アルコール問答』p.105.(岩波新書、1998年) ISBN 978-4004305484
- ^ Clair, H. R. St (1991). “25 Disulfiram (Antabuse)” (english). Recognizing Alcoholism and Its Effects: 82–83. doi:10.1159/000420390 .
- ^ 小片 重男「柿の実のアルコール酩酊への効果」『日本釀造協會雜誌』第71巻第7号、1976年、488–495頁、doi:10.6013/jbrewsocjapan1915.71.488、ISSN 0369-416X。
- ^ 皖一, 中村、明彦, 中川、実, 田中、裕, 増田、康之, 林、寺克, 西園「セフェム系抗生物質のエタノール代謝に及ぼす影響」『日本薬理学雑誌』第83巻第2号、1984年、183–191頁、doi:10.1254/fpj.83.183。
- ^ 正樹, 北村、茂, 景山「アルコールと薬物の相互作用について」『耳鼻咽喉科展望』第43巻第1号、2000年、85–88頁、doi:10.11453/orltokyo1958.43.85。
関連項目
[編集]- その他のアルコール依存症治療薬