折板
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折板(せっぱん)は、屋根の工法の一つ。主に、断面の構造に重点を置いて開発されたもので、工場・カーポート・車庫などの鉄骨の建物に多く使われており、金属屋根の代表的な屋根工法となっている。
工法
[編集]- 0.6〜1.2mmの鋼板を用いてロール成型機によって折板を成型加工する。
- 2m〜6mの間隔の折板の流れ方向に直行した梁の上に固定用のフレーム(タイトフレーム)を鉄骨に溶接する。
- タイトフレームの上に折板をのせ、ボルトや金具(吊子)で緊定する。
以上が大まかな工法である。
他の屋根に比べて非常に長さを長くすることが可能で(場合によっては100m超も可能)、トラックで運搬できない場合は、機械そのものを建設現場へ持ち込んで、その場で成型しながら屋根を葺くこと(現場成型)も可能である。 特徴としては大型物件(体育館・展示場など)の大きなスパン(空間)が必要な建物で有効な工法となっている。
固定の方法は、代表的なもので3種類ある。
- 重ね式折板
- 折板本体をタイトフレームの剣先ボルトで貫通し、ナット、座金(特座・絞り座)及びパッキンで締め付ける工法。最もオーソドックスで、比較的小規模な倉庫・工場やガレージ等に使用されている。
- 馳(ハゼ)式折板
- 折板本体の接合部分に「馳(ハゼ)」と呼ばれる加工を施し、タイトフレームと折板本体を「吊子」と呼ばれる金具で固定する工法。最終工程として、ハゼの締め付けが必要となる。重ね式と異なり、屋根上部にボルトが突起しないことや、施工性がよいことから、大型物件や長尺屋根(10~20m超)に使われている。また、ハゼの形状から、丸型と角型がある。
- 嵌合式折板
- 現在嵌合式折板は2種類ある。
- a. キャップ式嵌合折板
- 折板本体同士の接合部を嵌合できるように加工し、タイトフレームに折板を固定、その後嵌合部の開口をキャップ材でかぶせる工法。
- ハゼ式折板と共通する部分が多いが、馳(ハゼ)締め工程がなく、キャップの固定作業が必要となる。
- b. 馳式(タイトフレーム嵌合式)折板
- 折板とタイトフレームを嵌合出来るように加工し、接合部に加工した馳によって吊子を使わず固定する。折板の固定位置を吊子部分からタイトフレーム本体に変えた工法。
- 馳締め工程があるが、別途キャップ材を加工・取付する必要がない。
使用される素材
[編集]最も多いのが、ガルバリウム鋼板もしくはカラーガルバリウム鋼板である。 まれに、フッ素鋼板や、カラーステンレスもあるが、いずれも費用対効果の面から極めて稀なケースである。