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抜山平一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
抜山平一
生誕 (1889-09-23) 1889年9月23日
日本の旗 日本 東京府東京市
死没 (1965-08-18) 1965年8月18日(75歳没)
国籍 日本の旗 日本
研究分野 電気工学
研究機関 東北帝国大学
出身校 東京帝国大学
プロジェクト:人物伝
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東北大学片平キャンパス内にある胸像。2024年撮影。

抜山 平一(ぬきやま へいいち、1889年9月23日-1965年8月18日)は電気工学者。東北大学名誉教授。

電磁気学の基礎理論に基づき電流・電圧の電気磁気現象(電気系)と力・位置の力学・振動現象(機械系)を変換する電気音響変換理論を確立した。 これは音波や超音波の送受信のみならず、そのままモーターや発電機等の電動機における電動力変換を包括する理論である。

経歴

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以後工学部長、付属電気通信研究所初代所長(1935年)を歴任。

  • 1950年、電波監理委員会委員
  • 1952年、定年退官

その他電波技術審議会会長等の要職を歴任した。

家族

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業績

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研究領域は電気工学で、特に電磁気学、電気音響学、水中音響学、超音波工学の研究で知られる。

  • 電磁気学における電力流であるポインティングベクトルに類似する概念として抜山ベクトルを提唱[4]
  • 電気系、機械系(振動系)相互変換の方程式を解いて電気音響変換理論を確立。
  • 音響工学分野でスピーカー等音響機器、バイブロメータ―、音響計測、建築空間の音響、人が聞くものとして立体音響、心理音響の研究。
  • 水中音響分野で可聴音・超音波を用いて水中マイクロホン、方向性探知、指向性合成、遅延回路の研究。
  • 超音波分野で磁歪素材・振動子、ソナー、魚群探知、超音波探傷の研究。

著書

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  • 抜山平一『電磁気学〈第1巻〉総論』1928年。 
  • 抜山平一『学術研究と技術計画』1943年。 
  • 抜山平一『電気音響機器の研究』丸善出版、1948年。 
  • 抜山平一『電磁気学〈第2巻〉電流論』1951年。 
  • 抜山平一『科学・技術・生活』丸善出版、1951年。 
  • 抜山平一『超短波通信の研究』1953年。 
  • 抜山平一『電気磁気学』丸善出版、1955年。 
  • 抜山平一、浅見義弘『電磁遮蔽の理論と実際』1955年。 
  • 抜山平一『交流理論』1958年。 
  • 抜山平一『電気回路学 : 交流理論と電気振動』丸善、1963年。 

特許

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参考文献

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  • 永井健一「抜山平一先生の生涯」 電気通信学会雑誌 48(10), 1627-1628, 1965-10
  • 若月昇「抜山平一著『電気音響機器の研究』をかたわらに置いて」 日本音響学会東北支部 “60年のあゆみ”-最近10年史(2006~2015)-,7-8
  • 城戸健一「大正昭和期の東北における音響研究 : 東北支部創立へのあゆみ」『日本音響学会誌』第62巻第2号、日本音響学会、2006年2月、134-140頁、doi:10.20697/jasj.62.2_134ISSN 0369-4232NAID 110004027539 
  • 菊池喜充, 前会長・名誉員抜山平一先生の逝去を悼む」『電氣學會雜誌』 85巻 925号 1965年 p.1623, doi:10.11526/ieejjournal1888.85.1623
  • 西澤潤一『生み出す力』PHP研究所、2010年。ISBN 9784569791814 
  • 松尾 博志『電子立国日本を育てた男: 八木秀次と独創者たち』文藝春秋、1992年、88頁。ISBN 978-4163469409NAID 10006208581 
  • プレジデント』第31巻第4号、プレジデント社、1993年、131頁。 
  • 細野敏夫「電力流とその表現 -Poyntingベクトルと抜山ベクトル-」『電子情報通信学会論文誌. C-I, エレクトロニクス, I-光・波動』第77巻第10号、一般社団法人電子情報通信学会、1994年10月、pp.519-528、ISSN 09151893NAID 110003308348 

脚注

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  1. ^ a b 『豊田喜一郎伝』和田一夫、p53-54
  2. ^ 東京府日本橋区 小野友五郎家文書(198909)広島県立文書館、2007.6
  3. ^ a b c d e 『人事興信録 第13版 下』1941「抜山平一」
  4. ^ 抜山ベクトルに関して、細野敏夫は否定する見解を示している。

外部リンク

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学職
先代
大山松次郎
電気学会会長
34代:1948年 - 1949年
次代
星合正治