持経者
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持経者(じきょうしゃ)は、常に経典を受持(信受持続)して読誦を行う者。特に法華経を受持する行者を指し、法華経の読誦を専らとする者を指す事例が多い。「聖」とも言われ、多くは沙弥(私度僧)であった。対となる概念として持律者がある。
『今昔物語集』巻第12第35話には「神明睿実持経者語」という法花経(法華経)が満足に読めない持経者の失敗話が記されている。
持経者の中には所属寺院を離れて山林などに籠る者や諸国で遊行・勧進活動に勤める者などがいた。日蓮は持経者の影響を強く受けながら、法華信仰の理論化を実現させ、自らの教え(法華宗)を確立することになる。
参考文献
[編集]- 嗣永芳照「持経者」(『国史大辞典 15』(吉川弘文館、1996年) ISBN 978-4-642-00515-9)
- 高木豊「持経者」(『平安時代史事典』(角川書店、1994年) ISBN 978-4-04-031700-7)
- 高木豊「持経者」(『日本史大事典 3』(平凡社、1993年) ISBN 978-4-582-13103-1)
- 中村元・田村芳朗・末木文美士・福永光司・今野達『岩波仏教辞典』第2版 岩波書店、2002年、ISBN 978-4000802055
- 中村元『広説佛教語大辞典』中巻 東京書籍、2001年、ISBN 978-4487731770