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推量

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

推量(すいりょう)とは言語学文法の用語の1つである。物事の状態や相手の心中を推し量る表現法。特に日本語の"助動詞"「う・(よ)う」「(だ)ろう」を用いた形式について言うことが多い。

日本語における推量表現

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日本語においては、動詞または形容詞未然形)に「-(よ)う」「-(だ)ろう」をつけて表現する。否定推量の場合は、「-まい」をつけて表現する。ただし、最近では意志や勧誘と区別するために、「-だろう」「-ないだろう」を使用することが多くなっている。

    • 肯定推量
  • 彼は家に帰ろ(彼は家に帰るだろう
  • 日が暮れよう(日が暮れるだろう
  • この林檎は甘かろ(この林檎は甘いだろう
    • 否定推量
  • 私は海へ行くまい(私は海へ行かないだろう
  • 私はまだ寝まい(私はまだ寝ないだろう

古語では、肯定推量として「む」のほか、「むず」(「むとす」に由来、現代も「-ず」が一部方言に残る)、現在の状況を推量する「らむ」(東海東山方言「ら」の起源)、過去推量「けむ」、「べし」(元は当然を表現し、東日本方言の「べ」として残る)、否定推量として「じ」、「まじ」(上代には「ましじ」、「-まい」の起源)などが用いられた。「む」は中古以降、「ん」または「う」と表記される曖昧な発音に変化し、室町時代以降は「う」となった。