文化に関する都市伝説
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概要
[編集]各種作品の改変されたストーリーや裏設定などが流布し、これがある程度広まった場合、原作にあったものと誤認されることがある。また続編やリメイク版などにおいて、都市伝説が正式な設定として「逆輸入」される場合もある。
主な都市伝説を以下に記す。詳しくは各作品の項目を参照。
漫画
[編集]- サザエさんの都市伝説
- ドラえもんの都市伝説
- 藤子・F・不二雄の代表作『ドラえもん』の都市伝説。
- 『ドラえもん』の最終回
- 1986年頃に小中学生の間で広まった[4]。噂だけに留まらず、同人誌でのパロディやネット上での創作が、真の最終回と誤解されて広まった。
- 実際には、『ドラえもん』は小学館の学年別学習雑誌『小学三年生』、『小学四年生』で最終回が都合3回掲載されている[5]。しかし、その後連載を再開しており、都市伝説として広まったストーリーは原作者の藤子F自らが否定している。
- 作品未完のまま原作者が亡くなっているので、連載再開後に原作者自らが意図した「最終回」は存在し得ない。ただし、『小学六年生』3月号で読者が「卒業」してしまうので、この回は「のび太の精神的成長」が描かれることとなり、最終回的な雰囲気となっている。
→詳細は「ドラえもんの最終回 § ドラえもんの最終回についての都市伝説」を参照
アニメ
[編集]- 『となりのトトロ』の裏設定
- スタジオジブリの代表作『となりのトトロ』には数多くの裏設定とされるものが存在する。また下記にあるものは主なものであるが、これについてはスタジオジブリが公式に否定している[6]。
- この説は、サツキとメイの影が途中から消えている(ように見える)ことを根拠としているが[7][8]、実際には影を省略しているだけである[9]。また、池で発見されたサンダルは、実際にメイが履いていたサンダルとは異なっている。またメイがいた墓は2人の墓だといわれることもある。
- 『ドラえもん』の都市伝説
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- タレント
- 『ドラえもん』の1984年7月20日放送回に「タレント」というサブタイトルの不気味な内容の回が放送されたとする都市伝説。
- 行かなきゃ
- 原作者の藤子・F・不二雄が逝去した1996年9月23日の深夜2時ごろ突然、不気味なドラえもんの放送があったという都市伝説。内容のバリエーションはいくつかあるが、暗闇の中をのび太が延々と歩き続け、最後に思いついたように振り返り「行かなきゃ」とだけ発言する映像が放送されたというのが主である。藤子・F・不二雄本人が自分が死去した際に放送するようにテレビ局に頼んでいたものとする憶測があるが、テレビ局側は否定している[10]。
音楽
[編集]- 「サッちゃん」の真実
- 「サッちゃん」の歌詞「バナナが半分しか食べられない」のは、踏み切り事故で轢死して体が半分しか無くなったからだ、など数々の噂があり、それらを知ると不幸に見舞われる、とも[11][12]。実際には「小さいから」であると歌詞に明記されている。
- サッちゃんのモデルはタレントの阿川佐和子であるというものもあり、阿川も自ら著書に記述している[13]。
- 「暗い日曜日」
- 「暗い日曜日」を聞いた数多くの人が自殺した、とされる[14]。その因果関係は証明されていないものの、この曲が原因だと匂わせて自殺した者の存在や、ヨーロッパ各国で放送禁止・自粛になったという記録は残されている。当時はナチスドイツの軍事侵攻など暗い世相で、物悲しい旋律と歌詞のこの曲が人々の自殺を後押しするきっかけになった、と解釈される場合もある[15]。
脚註
[編集]- ^ 宇佐和通 『あなたの隣の「怖い噂」―都市伝説にはワケがある』 学習研究社、2002年、242-243頁。
- ^ a b 松田 2014, p. 82.
- ^ 第55夜 サザエさんの最終回現代奇談(2006年2月20日のインターネットアーカイブ)。
- ^ 松田 2014, p. 81.
- ^ 宇佐和通 『あなたの隣の「怖い噂」―都市伝説にはワケがある』 学習研究社、2002年、241頁。
- ^ 松田 2014, p. 124.
- ^ a b c 「トトロ、実は死神」はウソジブリが「都市伝説」を否定していたJ-CAST 2012年7月15日
- ^ a b 松田 2014, p. 123.
- ^ 「いつものジブリ日誌」 スタジオジブリ 2007年5月1日
- ^ “『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』が人気のウラで、都市伝説『行かなきゃ』の真相をテレ朝が回答「放送はしておりません」”. 週刊女性PRIME (2024年7月17日). 2024年7月17日閲覧。
- ^ 松山ひろし 『3本足のリカちゃん人形―真夜中の都市伝説』 イースト・プレス、2003年、210-212頁。
- ^ 木原浩勝・岡島正晃・市ヶ谷ハジメ 『都市の穴』 双葉社〈双葉文庫〉、2003年、221-224頁。
- ^ 作詞者と阿川の父阿川弘之が知り合いで近所にも住んでいたが、本当のモデルは作詞者自身の幼少時であるという事実を本人に確認した、とのこと。
- ^ 宇佐和通 『THE都市伝説 RELOADED』 新紀元社、2007年、116-117頁。
- ^ 宇佐和通 『THE都市伝説 RELOADED』 新紀元社、2007年、117頁。
参考文献
[編集]- 松田美佐『うわさとは何か ネットで変容する「最も古いメディア」』中央公論新社〈中公新書〉、2014年4月25日。ISBN 978-4-12-102263-9。