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日比谷U-1ビル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日比谷U-1ビル
大和生命ビル当時のエントランス
施設情報
所在地 東京都千代田区内幸町一丁目1番7号
座標 北緯35度40分18.3秒 東経139度45分27.4秒 / 北緯35.671750度 東経139.757611度 / 35.671750; 139.757611座標: 北緯35度40分18.3秒 東経139度45分27.4秒 / 北緯35.671750度 東経139.757611度 / 35.671750; 139.757611
状態 解体
着工 1981年10月[1]
竣工 1984年6月[1]
解体 2022年9月
用途 オフィス[1]
地上高
最頂部 109.3m[1]
各種諸元
階数 地上26階、地下4階、塔屋2階[1]
敷地面積 5,076.04 [1]
建築面積 2,174.26 [1]
延床面積 51,941.13 [1]
構造形式 鉄骨造鉄骨鉄筋コンクリート造[1]
駐車台数 149台[1]
関連企業
設計 鹿島建設建築設計本部[1]
施工 大和生命本社ビル新築工事共同企業体(鹿島建設、大林組大成建設[1]
デベロッパー 大和生命[1]
所有者 三井不動産
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日比谷U-1ビル(ひびやユーワンビル)は、東京都千代田区内幸町一丁目、帝国ホテルの隣にあった超高層ビルである。旧称はNBF日比谷ビル大和生命保険(現:プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険)が建設し、完成当初は大和生命ビルと称した。再開発が計画されているため、閉鎖となり、2022年(令和4年)9月から解体されている。

歴史

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この地には江戸時代には薩摩藩の装束屋敷があり、加賀藩の赤門に対する黒門が設えられ、明治時代には鹿鳴館が置かれた。昭和に入ると、大和生命の前身である日本徴兵保険に払い下げられ、黒門や鹿鳴館の建物を残したまま、ルネサンス調の3階建の社屋が建てられた。1940年(昭和15年)に鹿鳴館は老朽化のため取り壊され、黒門も第二次世界大戦戦災で焼失した[2]

大和生命ビル

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1984年(昭和59年)6月、旧本社跡地に竣工した。日比谷通り沿いに並ぶ帝国ホテル、日比谷電電ビル(現:NTT日比谷ビル)、第一勧業銀行本店ビル(現:みずほ銀行内幸町本部ビル)とともに建物を歩道から5m以上離す建築協定を結んでいたが、この協定をはるかに上回る30mのセットバックにより、広い前面広場を確保した[2]

この広場にはアメリカカエデなどの紅葉植物が植えられ、日比谷公園と向かい合うポケットパークとして親しまれ、彫刻家・井上武吉の制作で球体のモニュメントも設置された[2]

建物表面は、帝国ホテルの客室に面した北側を除き、3.2×1.2mのガラス数千枚を合わせたハーフミラー仕上げとなっている。

2度の譲渡

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1998年(平成10年)に不動産証券化され、05年9月、本業の保険事業の収益が落ちていた大和生命が、不動産の保有リスクを減らし財務体質を改善することを狙い[3]三井不動産系の日本ビルファンド投資法人に「大和生命ビル」の信託受益権を635億円で譲渡した[4]

2007年(平成19年)夏の金融危機の煽りで大和生命は経営不振が深刻化し、翌年10月、自力再建を断念。東京地裁更生特例法の適用を申請し経営破綻した[5]。これに伴い、09年8月1日、名称は「NBF日比谷ビル」に改められている[6]

2018年(平成30年)3月30日、日本ビルファンド投資法人は三井不動産にNBF日比谷ビルを640億円で譲渡し[7][8]、同日付けで、名称は「日比谷U-1ビル」に再度改められた[9]

再開発へ

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三井不動産など10社が「内幸町一丁目街区開発プロジェクト(TOKYO CROSS PARK構想)」に着手するため、ビルは閉鎖され、2022年(令和4年)9月から鹿島建設の施工で解体されている[10]

テナント

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大和生命ビル時代から、マツダが東京本社を置いていたが[2]2019年(令和元年)12月、霞が関ビルに移転[11]。ほかにNTT系企業(NTTデータジェトロニクス等)も本社を置いていた。

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 『新建築』1984年9月号 p.268
  2. ^ a b c d 『ビル紳士録』p.20 - 21
  3. ^ 「本社ビル資産を売却 大和生命保険」『朝日新聞』11頁 2005年9月23日
  4. ^ “大和生命ビルを635億円で取得、日本ビルファンド投資法人”. 日経BP. (2005年9月26日). https://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:5sTNRecBQS0J:www.nikkeibp.co.jp/archives/399/399815.html+&cd=7&hl=ja&ct=clnk&gl=jp 2014年11月21日閲覧。 (Googleによるアーカイヴ)
  5. ^ 「大和生命が破綻 急速に損失拡大 戦後8社目」『朝日新聞』夕刊 1頁 2008年10月10日
  6. ^ 運用資産の名称変更に関するお知らせ』(プレスリリース)日本ビルファンド投資法人、2009年6月9日https://www.nbf-m.com/nbf/release/files/release424.pdf2019年9月21日閲覧 
  7. ^ 資産の取得及び譲渡並びに貸借の開始及び解消に関するお知らせ』(プレスリリース)日本ビルファンド投資法人、2017年12月18日https://www.nbf-m.com/nbf/release/files/20171218_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E_%E8%B3%87%E7%94%A3%E3%81%AE%E5%8F%96%E5%BE%97%E5%8F%8A%E3%81%B3%E8%AD%B2%E6%B8%A1.pdf2019年9月21日閲覧 
  8. ^ “NQNセレクション 三井不動産、帝国ホテル再開発へ布石? 隣接ビル取得 不動産の現場から”. NIKKEI STYLE. (2018年1月2日). https://style.nikkei.com/article/DGXLASFL27HJJ_X21C17A2000000/ 2019年9月20日閲覧。 
  9. ^ 本社ビル名変更のお知らせ』(プレスリリース)NTTデータ ジェトロニクス、2018年3月30日https://www.nttdata-getronics.co.jp/news/2018/0330.shtml2019年9月21日閲覧 
  10. ^ “解体工事情報<日比谷U-1ビル地上建物解体工事>”. 建設データバンク. https://www.kensetsu-databank.co.jp/kaitai-tokyo/osirase/detail.php?id=70019942 2022年10月2日閲覧。 
  11. ^ “マツダ株式会社 東京本社移転のお知らせ”. マツダ株式会社. (2019年10月31日). https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2019/201910/191031a.html 2021年6月14日閲覧。 

参考文献

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  • 森喜則、今吉賢一『ビル紳士録』毎日新聞社、1992年。ISBN 4-620-30885-4