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日王丸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日王丸
Nichioh Maru
基本情報
船種 自動車運搬船
所有者 北星海運株式会社
運用者 日藤海運株式会社
建造所 新来島どっく
航行区域 限定近海区域[1]
船級 NK[1]
IMO番号 9609184[2]
MMSI番号 431003232[2]
経歴
進水 2012年1月27日[3]
竣工 2012年
現況 現役
要目
総トン数 11,514トン[1]
載貨重量 7,200トン[1]
全長 169.99m[1]
垂線間長 160m[1]
26m[1]
深さ 24.6m[1]
喫水 7.15m[1]
主機関 B&W8S50ME-C(Mark8)13,280kw×127RPM×1基[1]
速力 21.2ノット
車両搭載数 乗用車 804台、トレーラー 113両[4]
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日王丸(にちおうまる)は、日本の北星海運が所有する自動車運搬船である。全長は約170mで、2012年の竣工当時の日本の内航船としては最大規模[5]。ソーラーパネルや低摩擦塗料など省エネルギー先進技術を搭載し、主に日産自動車の完成車や自動車部品の国内輸送にあたる。

同社では1992年1月に同名の「日王丸」が建造されているが[6]、2011年8月に「日翔丸」に名称変更している[7]。本項では2012年竣工船について述べる。

特徴

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既存の自動車運搬船の多くと同様にランプウェイを備え、自走形式で自動車の積み下ろしを行うRO-RO式の貨物船である。甲板は7層構造[8]

最上部の甲板には281枚のソーラーパネルを設置。最大50kW/hの発電能力があり、乗組員の生活空間に供給する電力は太陽光発電で賄われる。全ての照明はLED照明が採用された。ランプウェイの昇降や揚錨機は、油圧式から電動式に改めた。船体側面には陸上電力供給システム英語版のコネクターが設けられている。港湾停泊時に陸上から電源の供給を受けられるため、荷役のために発電機を動かす必要がなく、災害時には逆に船舶から陸上へ電力を供給することもできる。これらは、日本の内航船としては初の試みである[8]

喫水部の塗装には、日本ペイントマリンが開発した塗料「LF-Sea」が採用された[8]マグロの体表面の粘膜に着想を得た塗料で、摩擦抵抗を軽減し燃費向上に寄与する。旧来の船底防汚塗料と異なり、環境に有害な有機スズ化合物は含まない[9]

従来の同型船舶に比べて二酸化炭素排出量4,200トン(18%)、燃料1,800トンの節約となる。日産自動車は2016年度の二酸化炭素排出量を対2005年度比20%削減する、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2016」を2011年に掲げており、本船導入はその一環である[3]

航路

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フジトランスグループの日藤海運の定期傭船により、1週間に2サイクル、追浜港神奈川県横須賀市)-神戸港苅田港福岡県宮古郡苅田町)の航路を中心に運行され、日産自動車の完成車や、自動車部品を積載したトレーラーを輸送する。従来は2船で週4便であったが、本船の投入で週6便体制となった[8]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j 社船紹介”. 北星海運. 2020年8月16日閲覧。
  2. ^ a b marinetraffic.com
  3. ^ a b 省エネ船、未来の大海原へ』(プレスリリース)日産自動車、2012年1月31日https://reports.nissan-global.com/JP/?p=21772020年8月16日閲覧 
  4. ^ 運航船舶紹介”. 日藤海運. 2020年8月16日閲覧。
  5. ^ 日産、省エネ型自動車運搬船を国内輸送に導入---CO2排出を18%削減”. Response. (2012年1月30日). 2020年8月16日閲覧。
  6. ^ 沿革”. 北星海運. 2020年8月16日閲覧。
  7. ^ 沿革”. 日藤海運. 2020年8月16日閲覧。
  8. ^ a b c d “日産、新導入の省エネ型自動車運搬船「日王丸」を公開”. Car Watch. (2012年1月31日). https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/508611.html 2020年8月16日閲覧。 
  9. ^ マグロの皮膚を模倣した低燃費型環境防汚塗料” (PDF). 環境省. 2020年8月16日閲覧。

外部リンク

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