明所視
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明所視(めいしょし, 英: photopic vision)とは、光量が充分にある状況での、視覚の状態のこと。
明所視 / 暗所視 / 薄明視
[編集]ヒトの目の網膜には、光量の高いレベルで働く錐体細胞と、光量の低いレベルで働く高感度の桿体細胞という、2種類の視細胞がある。光量が充分にある状況では、錐体のみが働き、桿体は視覚に寄与しない。このような明るいレベルでの視覚の状態を明所視と呼び、桿体のみが働く暗いレベルでの視覚の状態を暗所視(あんしょし, 英: scotopic vision)と呼ぶ。明所視と暗所視の中間の、錐体も桿体も働くような光量レベルでの視覚の状態は薄明視(はくめいし, 英: mesopic vision)と呼ぶ[1]。
明所視
[編集]ヒトや多くの動物では、明所視では色覚が可能であり、これは錐体細胞の働きによる。
ヒトには波長に対して異なる応答をする3種類の錐体細胞があり、L錐体、M錐体、S錐体と呼ばれている。感度のピークはS錐体が440nm付近、M錐体が540nm付近、L錐体が560nm付近とされる。また、その視物質は吸光波長のピークをS錐体が420nm、M錐体が534nm、L錐体が564nmにあるとされる。錐体の感度は互いに重なり合い、可視光スペクトルを形成している。明所視での最大視感度は555 nm(緑)での683 lm/Wである[2]。
関連項目
[編集]出典
[編集]- ^ 篠田博之・藤枝 一郎『色彩工学入門 定量的な色の理解と活用』森北出版株式会社、2007年、44頁。ISBN 9784627846814。
- ^ Pelz, J. (1993). Leslie D. Stroebel, Richard D. Zakia. ed. The Focal Encyclopedia of Photography (3E ed.). Focal Press. p. 467. ISBN 0240514173