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明日は日曜日そしてまた明後日も……

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

明日は日曜日そしてまた明後日も……』(あしたはにちようびそしてまたあさっても)は、藤子不二雄による日本読切漫画作品。ブラックユーモア短編の1作であり、『白い童話シリーズ』4作目。1971年COM』4月号(虫プロ商事)に掲載[注釈 1]。2015年11月発売の『コロコロアニキ』第4号(小学館)に再録された[1][注釈 2]

物語

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田宮坊一郎は東西大学国文学部を卒業し、大丸商事株式会社に就職した、気弱な太った青年である。初出社の日、坊一郎と同じく肥満体型の母親はあれこれと世話を焼く。父親はその過保護を叱りつけたが、父親もまた坊一郎を人一倍心配していた。会社へ向かうべく坊一郎は電車に乗るが、満員となった電車内で潰されそうになり、思わず泣き言を叫ぶ。どうにか会社の前にたどり着いた坊一郎だが、極度の緊張から中へ入れず、会社の前でうろついていた。すると入口の守衛に怪しまれ、威圧的な詰問を受けたことで、一目散に会社から逃げ出してしまう。

気が付けば、時間は11時を過ぎていた。もう会社に行けないと思った坊一郎は、公園で母の手作り弁当を食べながら涙を流したのだった。そして帰宅すると、初出社に喜ぶ両親を前に本当のことを言い出せなかった。翌日、坊一郎はまた会社に行こうとするが足を運べず、道中で学生時代の知人と出会い、働きぶりを見て去って行く。そして会社から、坊一郎の出社していない事実が母親に知らされる。

病院で診察した結果、坊一郎は社会や組織に対する協調性や同化性が失われており、会社に行きそびれたことをきっかけに拒否反応を起こし、勤めにでることができない病気になったと知らされる。数年後、両親は白髪となり、母親は別人のように痩せ細っていた。父親が働いているなか、老け込んだうえに更なる肥満体型となった坊一郎は部屋の中でうずくまったまま一日、また一日と過ごすのであった。

解説

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坊一郎の不安な心境と過保護な両親、そして会社勤めの日常を続ける周囲が描き分けられ、坊一郎の不安が一層浮き彫りにされている。坊一郎は一度も出社できないまま、病院で「勤めにでることができない病気」と診断された。そして坊一郎は、二階の自室から一歩も出なくなってしまう。

作中における坊一郎の特徴は、現在の引きこもりにほぼ該当する。ただし作品発表時に「引きこもり」の概念は一般化しておらず、作中でも”引きこもり”という用語は登場しない[注釈 3]。しかし、平成時代(1989年 -2019年 )に引きこもりが社会問題化すると、同テーマを扱った先駆的作品として脚光を浴びた[2][3]

脚注

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注釈

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  1. ^ 本作ラストにて、坊一郎の足元に前月である3月号の表紙の『COM』が転がっている。
  2. ^ コロコロアニキ版のみ、セリフにルビが追加されている。
  3. ^ コロコロアニキ掲載時の最終頁欄外には「引きこもり」という言葉がなかった時代の話であることが付記されていた。

出典

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関連項目

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外部リンク

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