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明日葉-Files

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

明日葉-Files(あすは-ファイルズ)は、本田透による日本のライトノベルシリーズ。イラストはmizが担当。幻狼ファンタジアノベルスより、2010年から2巻まで刊行されている。

キャッチコピーは「超常現象が楽しく分かるラブコメディ」[1]。日本各地のオカルト現象などを扱っており、オカルトの権威である月刊ムー編集部の協力を受けている。なお、本作のタイトルそれ自体が月刊ムーので活躍中の飛鳥昭雄の『アスカ・ファイルシリーズ』のパロディとなっている。

また、取材先で各地のご当地グルメやご当地グッズの紹介をするので、一種の観光案内として楽しむこともできる。

概要

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政治記者だった御陵一郎は、持ち前の「謎を放置できない性格」ゆえに政界のタブーに触れてしまう。そのため左遷人事で彼が飛ばされた先は、超常現象専門雑誌の編集部、通称「電波部」だった。リアリストで超常現象否定派の一郎は、編集長の明日葉に振りまわされながらも意に沿わぬ雑誌作りに係わっていくのであった。

オカルトを題材にした作品は『アスカ・ファイルシリーズ』や『MMR』など多数あるが、本作の最大の特徴として、一方的にオカルト肯定派の見解を叙述するのではなく、オカルト否定派の見解を同程度の割合で取り扱っていることである。作中では、明日葉がオカルト肯定派、一郎がオカルト否定派にまわり、舌戦を繰り広げる。

登場人物

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御陵一郎(みささぎ いちろう)
もと鹿鳴館新聞政治部記者。東京大学理学部を卒業し、エリートコースを歩んでいたが、物語冒頭で政界のタブーに触れ、子会社である放談社の「電波部」に左遷されてしまう。年齢は明らかでないが、政界のタブーに触れたのが「社会人になって早々」という叙述があるのでかなり若い。ニックネームは「アハウ」。
本人はオカルト否定派であるが、「謎を放置できない性格」のため、物語初期の段階ですら明日葉とまともに議論できる程度にオカルト知識があった。現在は几帳面な性格ゆえ、オカルト関係本を読み、ますますオカルト知識を蓄えている。また、本人は必死に隠しているがある種の霊感があり、ストレスによる幻覚だと自分に言い聞かせている。
本人としてはオカルトの取材をしているだけなのだが、取材先の石川県で偶然に汚職を暴いたり、京都では大物政治家の娘の家出に一役買うなどの活躍をし、灯玄重吾郎たちからは「恐ろしい男」と評されている。
蹴上明日葉(けあげ あすは)
『月刊マジカル・ミステリー・ジャパン』(以下、『MMJ』)の編集長。放談社の先代会長の1人娘。
20歳は越えているはずだが、小柄で童顔であるため、外見は高校生程度にしか見えない。「旧経営社の一族を駆逐した」という悪評を恐れた現経営陣は明日葉を解雇することができず、またどこの部署でももてあますため、彼女自身が立ち上げた企画した雑誌の編集部にまわされる。
宇宙人や超常現象を信じており、MMJ紙上でトンデモな見解掲載するとともに、顔見せもしているので軽いアイドル的な存在となっている。初恋の人は宇宙人。
伏見條太郎(ふしみ じょうたろう)
一郎の高校時代からの親友。東大法学部卒というキャリアを持ちながら、大衆向けタブロイド新聞・関東スポーツに就職。いい加減なヨタ記事を書き散らかしている。
チャライ外見ながら喧嘩が強く、また友情にも厚い。石川県でヤクザに襲われ危機に陥った一郎を助けにやってきたり、相談相手になったりしている。
五寸釘ちゃん(ごすんくぎ-)
MMJの現地特派員(常連投稿者)。初登場の時点では高校卒業を間近に控えた現役女子高生だった。
当初は「人を呪っても日本の法律では処罰できない」など広言して明日葉を先生と呼び崇拝していた。一郎を邪魔者だとカッターで脅すなどして敵視していたが、交流の末に「一郎様」と呼び慕うようになった(逆に明日葉への評価も180度転換した)。ついには、嬉々として藁人形に五寸釘を打ち込む明日葉を目にし、「人を呪うなんて、恥ずべきこと」と思える程度に成長した。現在は家出して、単身で上京した。

各巻で扱った超常現象とご当地グルメ

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1巻石川県篇
一郎の最初の取材先。一郎たちは石川県の能登地方へ、UFOと「モーゼの墓」の取材に赴いた。
作中では架空の暮衣市でUFOの取材をしているが、現実に石川県でUFOによる町おこしをしているのは、羽咋市。実際に、著者は羽咋でコスモアイル羽咋などの取材活動をしている。「モーゼの墓」(伝説の森公園 モーゼパーク)については作中の描写どおり宝達志水町に実在する施設。作中で食べていたチャンピオンカレーは、金沢の三大B級グルメとして有名。
2巻京都篇
丑の刻参りで有名な貴船神社や鞍馬山などを取材。八坂神社近くでは、明日葉と一郎が日ユ同祖論について議論を交わし、明日葉は実際に貴船神社で丑の刻参りを実行している。ご当地グルメとして天下一品の本店を紹介した。

脚注

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  1. ^ 1巻初版帯および2巻裏表紙

外部リンク

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