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星の子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
星の子
著者 今村夏子
発行日 2017年6月7日
発行元 朝日新聞出版
ジャンル 長編小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判上製
ページ数 224
公式サイト 朝日新聞出版 最新刊行物:書籍:星の子
コード ISBN 978-4-02-251474-5
ISBN 978-4-02-264940-9A5判並製
ウィキポータル 文学
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星の子』(ほしのこ)は、今村夏子による日本長編小説。『小説トリッパー』(朝日新聞出版2017年春号に掲載[1]、朝日新聞出版より同年6月7日に刊行された[2]。幼少より病弱な娘を救いたい一心で、両親が新興宗教に傾倒し次第に崩壊していく家庭を、娘の視点により描く[2]。第39回野間文芸新人賞受賞作[3]。第157回芥川賞および本屋大賞2018候補作[4][5]

2019年12月6日朝日文庫より文庫化された[6][注 1]

映画版が大森立嗣監督、芦田愛菜主演で[7][8]2020年10月9日に公開された[9]

あらすじ

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林ちひろは、中学3年生。

出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、その信仰は少しずつ家族のかたちを歪めていく。

登場人物

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林ちひろ
本作の主人公。
林まさみ
ちひろの姉。ちひろとは歳が5歳離れている。ちひろが小5のときに家を出ていった。

書評

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鴻巣由季子
「ものを知っている人のほうが、知らない人より賢い。一般的にはそう考えられている。ところが、「知らざる人の目」を通してくっきり見えてくるものがある。知らない、見えない、わからないというのは、知った、見えた、わかった後からすると、二度と取り戻せない「力」でもあるのではないか。今村夏子の『星の子』を読んで、そんなことを思う。」[10]

書誌情報

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単行本
文庫本

映画

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星の子
監督 大森立嗣
脚本 大森立嗣
原作 今村夏子
製作 吉村知己
金井隆治
近藤貴彦
出演者 芦田愛菜
岡田将生
大友康平
高良健吾
黒木華
蒔田彩珠
新音
大谷麻衣
永瀬正敏
原田知世
音楽 世武裕子
撮影 槇憲治
編集 早野亮
制作会社 ヨアケ
ハーベストフィルム
製作会社 「星の子」製作委員会
配給 東京テアトル
ヨアケ
公開 日本の旗 2020年10月9日
上映時間 110分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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2020年10月9日公開[11][12]。監督は大森立嗣[11]、主演は芦田愛菜[11]。初日舞台挨拶がTOHOシネマズ六本木ヒルズにて実施され、全国10都市19会場に中継された[13]

全国191映画館で公開され、2020年10月10日・11日の全国週末興行成績(興行通信社)では初登場10位(観客動員)となった[14]

主演の芦田愛菜にとって、言葉にならない感情をまなざしや佇まいで表現しなければならない難しい役どころを演じることとなったが、雑誌『AERA』(朝日新聞出版)の取材に対し「全てを分かりやすく伝えることだけがお芝居の面白さではない」と答えている[15]。また、芦田は原作を読んだうえで、髪を切ってはどうかと大森監督に提案した。大森も「髪が長いと女性としての意思を感じてしまう。ちひろはまだそんな感じではない」と受け容れた[16]

キャスト

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スタッフ

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  • 原作:今村夏子『星の子』(朝日文庫 / 朝日新聞出版刊)
  • 監督・脚本:大森立嗣
  • 音楽:世武裕子
  • エンディング曲:世武裕子「Star Child」
  • プロデューサー:吉村知己、金井隆治、近藤貴彦
  • 共同プロデューサー:高口聖世巨、飯田雅裕
  • アシスタントプロデューサー:横山一博
  • 撮影:槇憲治
  • 照明:水野研一
  • 美術:堀明元紀
  • 録音:島津未来介
  • 装飾:田口貴久
  • 衣装:纐纈春樹
  • ヘアメイク:寺沢ルミ
  • 編集:早野亮
  • スチール:三木匡宏
  • 助監督:小南敏也
  • 制作担当:斉藤大和
  • ラインプロデューサー:飯塚香織
  • キャスティング:神林理央子
  • タイトルアート:清川あさみ
  • アニメーション演出・作画:香月邦夫
  • アニメーション美術監督:東地和夫
  • 似顔絵作画:紅月陽
  • VFXスーパーバイザー:田中貴志
  • オリジナル・サウンドトラック:ポニーキャニオン
  • 助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
  • 配給:東京テアトル、ヨアケ
  • 製作プロダクション:ヨアケ、ハーベストフィルム
  • 製作幹事:ハピネット、ヨアケ
  • 製作:「星の子」製作委員会(ハピネット、東京テアトル、テレビ東京朝日新聞社、グランマーブル、ヨアケ、テレビ大阪博報堂DYミュージック&ピクチャーズ、ハーベストフィルム)

受賞

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脚注

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注釈

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  1. ^ 朝日文庫刊行には小川洋子との巻末対談が載せられている。

出典

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  1. ^ 「あひる」で芥川賞候補に。今村夏子さんの新作「星の子」が「小説トリッパー」に一挙掲載!加藤シゲアキさんのエッセイも好評連載中!』(プレスリリース)朝日新聞出版、2017年3月3日https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000169.000004702.html2020年8月9日閲覧 
  2. ^ a b 星の子”. 朝日新聞出版. 2019年12月23日閲覧。
  3. ^ お知らせ:『星の子』(今村夏子著)が第39回野間文芸新人賞を受賞!”. 朝日新聞出版. 2019年12月23日閲覧。
  4. ^ 鴻巣友季子 (2017年6月20日). “芥川賞候補『星の子』が描き出す“むきだしの真実””. AERA dot. (朝日新聞出版). https://dot.asahi.com/articles/-/97139?page=1 2020年8月9日閲覧。 
  5. ^ 【「本屋大賞2018」候補作紹介】『星の子』――「信じる」の意味を見つめなおす物語”. BOOKSTAND. 博報堂ケトル/博報堂 (2018年4月9日). 2020年8月9日閲覧。
  6. ^ 文庫:星の子”. 朝日新聞出版. 2019年12月23日閲覧。
  7. ^ 今村夏子『星の子』が芦田愛菜主演、大森立嗣監督・脚本で映画化 宗教にのめり込む両親のもとで育った少女の物語”. ほんのひきだし. 日本出版販売 (2019年12月3日). 2020年8月9日閲覧。
  8. ^ “芦田愛菜、5年ぶりの実写映画主演 『星の子』で大森立嗣監督とタッグ”. クランクイン!. (2019年12月2日). https://www.crank-in.net/news/71450/1 2019年12月23日閲覧。 
  9. ^ “芦田愛菜、6年ぶり主演映画「星の子」10月公開決定!ティザービジュアル解禁”. TVLIFE web (ワン・パブリッシング). (2020年6月27日). https://www.tvlife.jp/movie/300269 2020年8月9日閲覧。 
  10. ^ 『星の子』今村夏子 - 鴻巣由季子による書評”. ALL REVIEWS. 2019年12月23日閲覧。
  11. ^ a b c “芦田愛菜:主演映画の役作りで30センチ髪バッサリ 7年ぶりショートヘア”. MANTANWEB (MANTAN). (2019年12月23日). https://mantan-web.jp/article/20191222dog00m200042000c.html 2019年12月23日閲覧。 
  12. ^ a b c d e f g “高良健吾、岡田将生、黒木華ら、芦田愛菜主演『星の子』出演へ 予告編&場面写真も公開”. Real Sound (株式会社blueprint). (2020年8月18日). https://realsound.jp/movie/2020/08/post-603733.html 2020年8月18日閲覧。 
  13. ^ 芦田愛菜、『星の子』初日舞台挨拶で地元に向けて、関西弁で挨拶「楽しんでってやー!」”. Movie Walker (2020年10月9日). 2020年10月10日閲覧。
  14. ^ 国内映画ランキング : 2020年10月10日 - 2020年10月11日”. 映画.com (2020年10月12日). 2020年11月24日閲覧。
  15. ^ 古谷ゆう子「表紙の人」『AERA』第33巻第47号、朝日新聞出版、2020年10月12日、9頁。 
  16. ^ 古谷ゆう子「芦田愛菜×大森立嗣 映画「星の子」を語る お互いを信じ合う現場でした」『AERA』第33巻第47号、朝日新聞出版、2020年10月12日、34-35頁。 
  17. ^ a b “芦田愛菜の両親役に永瀬正敏&原田知世 映画『星の子』追加キャスト発表”. ORICON NEWS (oricon ME). (2020年7月21日). https://www.oricon.co.jp/news/2167491/full/ 2020年7月21日閲覧。 
  18. ^ 第42回ヨコハマ映画祭 2020年日本映画個人賞、ヨコハマ映画祭実行委員会、2020年12月7日閲覧。
  19. ^ キネマ旬報 ベスト・テン、KINENOTE、2021年2月26日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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書籍

映画