時空戦記ムー
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
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対応機種 | ゲームボーイ |
開発元 |
ハドソン ウエストン |
発売元 | ハドソン |
プロデューサー |
上田和敏 小崎整 |
デザイナー |
金子良馬 野村郁朋 寺岡大介 |
プログラマー | 白谷守 |
音楽 |
坂本慎一 わたなべひろみつ |
美術 | おちよしひこ |
人数 | 1人 |
メディア | 2メガビットロムカセット |
発売日 |
1991年9月13日 |
その他 | 型式:DMG-H1J |
『時空戦記ムー』(じくうせんきムー)は、1991年(平成3年)9月13日にハドソンがゲームボーイ用ソフトとして発売したロールプレイングゲーム。
かつて地球上に存在したとされるムー大陸が舞台だが、ジェームズ・チャーチワードの著作にあるムー大陸とは設定が異なる。キャラクターデザインは漫画家のおちよしひこが担当。発売当時、おちが連載を持っていた雑誌『月刊コロコロコミック』に掲載された広告では、『ラグランジュポイント』(1991年)と共に、「コロコロの漫画家が関わったゲーム」として紹介されていた。
ゲーム内容
[編集]キャラクターメイキング
[編集]ゲームスタート時、主人公の性別と名前を決める。名前は平仮名・カタカナから4文字まで。何も入力せずに決定すると「ちょっき」という名前になる。
次に、主人公の顔を作成する。輪郭・髪型・目・鼻・口・眉の形を、用意されたパーツの中から選ぶ。パーツの組み合わせによって、主人公の初期能力値が決まる。これを「ふくわらいシステム」という。
パーティ
[編集]ゲームを進めると、次々に仲間が増えていく。1パーティに最高4人までしか加えることはできないが、5人目が加わると新たなパーティが誕生する。仲間は最高で20人、パーティは5つまで作ることが可能。ただし、条件によっては仲間にできないキャラクターも存在する。仲間には1人1人違った職業が設定されているが、特定の条件を満たすことで「クラスチェンジ」できる者もいる。チェンジするとパラメータが大きくアップする。
町にいるパーティとは仲間の入れ替えが可能で、別の町にいる仲間と入れ替えることも可能。アイテムは、パーティごとに8つずつまで所有できる。また、預かり所を利用することでパーティ間のアイテム受け渡しも可能。装備品は武器と鎧のみ。
戦闘で経験値を集めると、レベルが上がる。レベルは個人ごとのものではなく、仲間全員共通の数値となっている。
設定
[編集]ストーリー
[編集]かつて、プリナという国の王が治める「ムー大陸」と呼ばれる大陸が存在した。ある時、国王ラルス2世は、それまで国教としていたニール教を突然邪教とし、替わりにマックス教を国教とした。ニール教の人々が聖地を追われて間もなく、プリナの王妃が突然姿を消した。さらに生まれたばかりの王の子も、何者かに連れ去られた。そして改宗以後、大陸の各地に魔物が現れ始めた。人々は、追放されたニールの人々が魔物を操っていると噂した。それから16年。勢力を伸ばし続けていた魔物たちは、遂にプリナ城へと侵入した。重傷を負った王は、辺境の村「エリーベ」へと落ち延びる。
舞台
[編集]ほとんどの町は、人間に化けた魔物に支配されている。町を支配するボスを倒すと「人々を解放した」と表示され、その町の施設が利用可能になる。また人々のメッセージも変わり、パーティ加入を申し出る者も現れる。
ダンジョンのボスを倒すと「地域を開放した」と表示され、そのエリアのワールドマップ上の色が変わる。解放したエリアの町は、移動魔法使用時のリストに加わる。エリアによっては町のボスがエリアボスを兼ねている場合もあり、その場合は倒すだけで町とエリアの両方が解放される。
登場人物
[編集]カッコ内の単語は、そのキャラの職業。
- 主人公(少年/少女→勇士→王子/王女→メシア)
- 16歳。エリーベ村に住む勇士「カルル」の子だが、実は行方不明となったラルス2世の子である。イベント、またはアイテム装備によってクラスチェンジできる。
- 能力はバランスが良く、強力な攻撃魔法・回復魔法も覚える。メシアにクラスチェンジすると、全ての味方キャラの中でも極端に高い能力を得る。ラストバトルは1人で戦うこととなる。
- 公式イラストでは青い鎧を着た黒髪の少年。ドット絵では少年のときは短髪の少年、少女のときは左右で髪の毛を縛っている髪型になっている
- タルカス(騎士→聖騎士)
- 男性。元々は父のソダトと共にプリナ城を守っていた騎士。父の命により、王を連れてエリーベへと落ち延びた。当初は主人公を只の子供だと思っていたが、勇士の称号を受けたことでその実力を認め、仲間となる。
- アイテムによってクラスチェンジできる。魔法は使えないが、チェンジするとHP・攻撃力・守備力は主人公に次ぐものとなる。ただし魔法防御はかなり低い。ゲームクリアには必須となるメンバーでもある。
- 父は生き延びており、後に再会できるが仲間にはできない。公式イラストはデフォルメされたものが説明書に掲載されている。
- ハマン(ハールの弟子→魔術師)
- 男性。魔法の町・ウィズに住む。最後の魔術師と呼ばれる男・ハールの弟子だが、「炎の洗礼」を受けていないため、彼自身はまだ正式な魔術師ではない。師匠の薦めもあって、パーティに加わる。洗礼を受けることでクラスチェンジする。
- MP・魔法防御・運の良さは全キャラの中でもトップクラスで、炎・冷気の攻撃魔法を得意とするが、回復魔法は覚えない。また素早さはかなり低い。公式イラストでは緑のローブを着た赤い長髪の男で、ソフトのラベルにも描かれている。
- ロルド(吟遊詩人)
- 男性。ミノンの村を救ったパーティを見て勇気を得、同行を申し出る。武器でもある「銀の竪琴」を盗賊団に盗まれている。補助魔法が得意。
- ラック(ドロボー)
- 男性。ミノンの村近くの洞窟を根城とする、盗賊団のボス。宿屋に泊まったパーティの武器を盗むが、魔物「クレイスワーム」に捕らえられ、助けられたことで仲間となる。
- 素早さと運のよさは極めて高いが、魔法は使えない。子分も1人登場するが、こちらは仲間にならない。なお、助けた後も武器は戻らない。
- マノン(ジプシー)
- 女性。ガイラの町で登場。主人公を子供扱いするが、「導きの杖」というアイテムを持っていれば砂漠の案内役を買って出、仲間となる。杖を使うことでオアシスの村・ディザラの場所を言い当てることができる。
- 炎・冷気・雷・回復と、幅広い系統の魔法を覚えるが、防御力が低い。
- ヒルダ(占い師)
- 女性。リノの町に住む。炎系攻撃魔法が得意。あるダンジョンでは、占いにより正しい進み方を教えてくれる。魔法防御は高いが攻撃力・防御力・運の良さが低い。
- 村の子供から「お姉ちゃん」と呼ばれているので、年齢は若い模様。
- ヨセフ(土工→土建屋)
- 男性。リノの土建屋の元で働く。イベントでクラスチェンジできるが、能力は変化しない。HPは高いが魔法は使えない。
- ミハイル(僧侶→司祭)
- 男性。マックス教の聖地「ゴッデス」の大神殿の僧侶。投獄されたパーティを助けようと仲間に加わり、以後最後まで同行する。後にマックス教が魔物の黒幕であったことが判明するが、彼はスパイとして加わったのか、それとも本心からの善意で仲間になったのかは不明である。
- MPが高く、回復・治療系魔法が得意。アイテムによってクラスチェンジする。
- フレア(戦士→聖戦士)
- 女性。ガイラの町出身の女戦士で、故郷を救うために塔の鍵を入手すべく大神殿に侵入を図るも失敗、投獄されていた。牢から救出すると仲間になる。
- 魔法は使えない。能力は全体的にタルカスに若干劣るが、魔法防御では勝っている。アイテムによってクラスチェンジする。公式イラストでは赤い鎧を着た金髪の女性。ソフトのラベルにも描かれている。
- フィアナ(巫女)
- 女性。ディザラの村に住む。「パーティと共に行け」という啓示を受け、仲間となる。冷気魔法・即死魔法・蘇生魔法を操る。キャラクター専用のイベントはない。
- アラン(男爵)
- 男性。鉱山の町・マイナールに逃げ延びていたプリナの若き貴族。パーティが町を救ったことで逃げることをやめ、仲間となる。
- 強力な武具を装備可能で、HPも高いが魔法は使えず、運の良さも低い。ゲームクリアには必須のキャラである。
- セレン(修道女→助祭)
- 女性。マイナールの教会で暮らしていた、マックス教の修道女。MPと魔法防御が高く、回復・補助魔法が得意。アイテムによってクラスチェンジする。
- ベン(工夫)
- 男性。マイナールの村に住む。鉱山に向かうパーティの案内役を買って出る。エリア開放に必須となるキャラ。魔法は使えず運の良さも低いが、攻撃力は高い。
- ジャン(バランの弟子→鍛冶屋)
- 男性。ラドルの町の一流の鍛冶屋・バランの息子であり、弟子でもある。旅先で町を救ったパーティに憧れ、父の薦めもあって仲間となる。イベントでクラスチェンジする。
- 魔法は使えず、魔法防御は全キャラ中で最低。
- ローラン(医者)
- 男性。医術の町・アールに住む。町長の娘が難病に冒されたことで苦悩していた。回復・治療魔法はほぼ全て覚えることができる。運の良さが低い。
- マック(山賊)
- 男性。元はプリナの貴族でアランの知人であったが、今では王国に逆らう山賊のボスとなっている。しかしその実態は、魔物を操るマックス教と戦うレジスタンスのリーダーであった。
- 彼をパーティに加えると、岩山も移動できる。ゲームクリアに必須となるキャラ。魔法は使えない。ステータスは平均的。
- リンダ(踊り子)
- 女性。ニモルの町に住む人気の踊り子。理由は不明だがロザンナと非常に仲が悪く、彼女と同時には仲間にできない。素早さが高く雷魔法が得意だが、MPは低い。
- ロザンナ(お嬢様)
- 女性。ニモルの町長の娘。ロック鳥によって町の北の塔にさらわれていた。救出すると仲間にできるが、リンダと同時には仲間にできない。
- 強力な武具を装備できるが魔法は使えず、ステータスは全般的にかなり低い。
- ポチ(犬)
- ラドルの町に住むオス犬。特定の中ボスが落とすアイテム「骨」を持っていれば仲間にできる。骨は複数手に入るが、売却などで全て手放すと仲間にできなくなる。
- 強力な炎・冷気魔法を使えるが、HPもMPも低い。
- タマ(猫)
- スーラの町に住むメス猫。特定の中ボスが落とすアイテム「マタタビ」を持っていれば仲間にできる。マタタビを手放すと仲間にできなくなる。
- 魔法防御は高いが、HPは全キャラ中最低。それ以外の能力も素早さ以外はポチに劣る。回復・防御魔法が得意。公式イラストでは、尻尾が2本ある黒猫。ソフトのラベルにも描かれている。
スタッフ
[編集]- プロデューサー:ブーうえだ(上田和敏)、小崎整
- スーパーバイザー:植山幹郎
- ゲーム・デザイナー:金子良馬、野村郁朋、寺岡大介
- メイン・プログラマー:つるもく(白谷守)
- プログラマー:竹重英樹、かみちのりお
- ドット・アーティスト:ちょっきぃ、本間美雪
- 音楽:坂本慎一、わたなべひろみつ
- アシスタント:松沢運生、渡辺彰、小島卓也、鈴木規生、佐藤圭子、中村孝子、陣野忍、田中高春
評価
[編集]評価 | ||||||||
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- ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、21.2点(満30点)となっている[2]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
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得点 | 3.8 | 3.4 | 3.2 | 3.6 | 3.6 | 3.7 | 21.2 |
脚注
[編集]- ^ a b “時空戦記ムー まとめ [ゲームボーイ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2018年6月17日閲覧。
- ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『PlayStation Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、482頁、ASIN B00J16900U。
外部リンク
[編集]- 時空戦記ムー(ハドソンゲームナビ) - ウェイバックマシン(2004年6月10日アーカイブ分)