景徳鎮陶録
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『景徳鎮陶録』(けいとくちんとうろく)は、清朝の藍浦が著した稿本を、その弟子である鄭廷桂が増補して1815年(嘉慶20年)に完成した書籍。全10巻。陶器全般を略述し、景徳鎮の陶業を図入りで詳説した。
歴史
[編集]景徳鎮の学者藍浦(字:浜南)は景徳鎮の陶業について、官窯を中心に詳述した稿本を著した[1][2]。その後、藍浦の弟子である鄭廷桂(字:門谷)が増補して、1815年(嘉慶20年)に全10巻で完成した[1]。
陶器全般を略述したほか、歴代の主要な陶窯、景徳鎮の官窯の組織、製法、陶磁器の種類を図入りで詳説した[1][2]。20世紀日本の陶磁器研究家長谷部楽爾は「中国陶磁の研究者にとって必見」と評した[1]。
京都書業堂による重刻本(1891年・光緒17年)が現存するが[3]、通行本は1898年(光緒24年)の複製本[2]。
1856年にスタニスラス・ジュリアン(中国学者)によるフランス語訳[4]が、1951年にジェフリー・ロブリー・セイヤーによる英語訳が出版されている[5]。
日本語訳
[編集]- 藍浦 著、藤江永孝 訳『和漢対照景徳鎮陶録』細川開益堂、京都、1907年 。
- 浦浜南 著、永竹威、片山一 訳『景徳鎮陶録』五月書房、1980年12月。
- 藍浦 著、愛宕松男 訳『景徳鎮陶録 1』平凡社〈東洋文庫464〉、1987年1月。ISBN 978-4582804645。
- 藍浦 著、愛宕松男 訳『景徳鎮陶録 2』平凡社〈東洋文庫465〉、1987年2月。ISBN 978-4582804652。各・電子書籍で再刊(2013年)
出典
[編集]- ^ a b c d e 長谷部楽爾「景徳鎮陶録」『改訂新版 世界大百科事典』 。コトバンクより2024年2月28日閲覧。
- ^ a b c d 「景徳鎮陶録」『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』 。コトバンクより2024年2月28日閲覧。
- ^ “景徳鎮陶録”. 国書データベース. 国文学研究資料館. doi:10.20730/100288244. 2024年2月28日閲覧。
- ^ Lan, Pu (1856). Histoire et fabrication de la porcelaine chinoise (フランス語). Translated by Julien, Stanislas. Paris: Mallet-Bachelier, Imprimeur-Libraire.
- ^ Lan, Pu (1951). Ching-Te-Chen T'ao-Lu or the Potteries of China (英語). Translated by Sayer, Geoffrey Robley. London: Routledge & Kegan Paul.