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暗夜鬼譚

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
暗夜鬼譚
小説
著者 瀬川貴次
イラスト 華不魅
出版社 集英社
レーベル 集英社スーパーファンタジー文庫
コバルト文庫
刊行期間 1994年6月 - 2005年11月
巻数 全23巻
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル
ポータル 文学

暗夜鬼譚』(あんやきたん)は、瀬川貴次による日本ライトノベルイラスト華不魅が担当している。集英社スーパーファンタジー文庫コバルト文庫集英社)より1994年6月から2005年11月まで刊行された。

あらすじ

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主人公・夏樹は、元服したばかりの15歳。田舎から都へ上京し、宮中に勤め始める。ところがある夜、妖しいまでに美しい美少年と、冥府の獄卒を目撃したことから、その日常は一変する。

登場人物

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夏樹(なつき)
主人公の少年。とある一件から、破格の出世で蔵人を務めるが、帝の世話で苦労が絶えない。様々な困難に巻き込まれるが(あるいは、ほうっておけないその性格から、自分から首をつっこみ)、母方の曾祖父『菅原道真公』の形見である太刀に幾度となく、窮地を救われる。一条ほどではないにしろ、整った顔立ちをしており、内裏の女房たちからモテているのだが、本人には全く自覚はない。自身も貴族ではあるのだが、庶民や身分の低い者を顧みない貴族社会に対し、徐々に怒りと失望を抱くようになっていく。
一条(いちじょう)
夏樹の友人。陰陽生。夏樹の隣家に住んでいる、ミステリアスな美少年。クールな性格だが、口は悪く、手も早い。事あるごとに、馬頭鬼のあおえを張り倒している。陰陽師の才覚はかなりのもので、夏樹とともに様々な事件を解決する。水無月や長月など、月の名を持つ式神を従えている。華奢な見た目からは想像もつかないほどの怪力の持ち主でもある。本人は否定するものの、母親が妖狐であるため、物の怪の血に目覚め、自我を失うことがある。
深雪(みゆき)
夏樹の父方の従兄弟。幼い頃はおてんば娘だったが、現在は弘徽殿女御の女房として、内裏に務めている。宮中での名は「伊勢の君」。しかし、実はかなりの演技派で、宮中では完璧に有能な女房を演じるものの、根は昔からあまり変わっておらず、夏樹と2人きりの時には素が露わになる。夏樹に恋心を抱いているのだが、あまりの鈍感さにいらいらさせられることもある。一方で、度々文をくれる賀茂の権博士のことも気になっている。
あおえ
冥府の獄卒である馬頭鬼。恐ろしい馬頭を持つ巨漢だが、性格は不真面目で臆病。人の魂は平気だが、化け物のたぐいには非常に怖がる。わけあって、冥府を追放され、一条の居候となる。女装が趣味。
賀茂の権博士(かものごんのはかせ)
一条の師匠。弱冠20歳にして、才覚を発揮する、有能な陰陽師。一条は「保憲さま」と呼んでいる。弟子と同様、かなりの美形。忘れっぽい性格で、大事なものでも置き忘れたり、一度会った人でも本気で覚えていなかったりする。深雪を気に入っており、よく文を出している。
帝(みかど)
自称「愛の狩人」。運命の恋を求め、都の夜を徘徊し、そのたびに夏樹ら蔵人を悩ませる。
桂(かつら)
夏樹と深雪の乳母。年のせいもあって、目があまりよくない。夏樹の出世を夢見ている。陰陽師を嫌っており、夏樹が一条と仲良くするのも、あまり良くは思っていない。
しろき
冥府の獄卒である牛頭鬼。あおえの元同僚。追放されたあおえを気にかけ、時々現世へやってくる。
真角(ますみ)
賀茂の権博士の年の離れた弟。陰陽師の家系に生まれたが、陰陽師になるつもりはない。一条とは犬猿の仲。

既刊一覧

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オリジナル版

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  • 瀬川貴次(著)・華不魅(イラスト) 『暗夜鬼譚』 集英社〈集英社スーパーファンタジー文庫→コバルト文庫〉、全23巻
    1. 「春宵白梅花」1994年6月発行、ISBN 4-08-613141-2
    2. 「遊行天女」1994年9月発行、ISBN 4-08-613152-8
    3. 「夜叉姫恋変化 前編」1995年3月発行、ISBN 4-08-613170-6
    4. 「夜叉姫恋変化 後編」1995年7月発行、ISBN 4-08-613180-3
    5. 「血染雪乱」1995年11月発行、ISBN 4-08-613196-X
    6. 「紫花玉響 前編」1996年6月発行、ISBN 4-08-613221-4
    7. 「紫花玉響 後編」1996年7月発行、ISBN 4-08-613224-9
    8. 「五月雨幻燈」1997年5月発行、ISBN 4-08-613261-3
    9. 「空蝉挽歌 壱」1997年9月発行、ISBN 4-08-613276-1
    10. 「空蝉挽歌 弐」1997年10月発行、ISBN 4-08-613280-X
    11. 「空蝉挽歌 参」1998年5月発行、ISBN 4-08-613304-0
    12. 「空蝉挽歌 四」1998年7月発行、ISBN 4-08-613310-5
    13. 「空蝉挽歌 伍」1999年1月発行、ISBN 4-08-613333-4
    14. 「狐火恋慕 前編」1999年9月発行、ISBN 4-08-613363-6
    15. 「狐火恋慕 後編」2000年1月発行、ISBN 4-08-613372-5
    16. 「綺羅星群舞」2000年5月発行、ISBN 4-08-613382-2
    17. 「霜剣落花」2001年1月発行、ISBN 4-08-613399-7
    18. 「細雪剣舞」2002年7月発行、ISBN 4-08-600134-9
    19. 「凶剣凍夜」2003年11月発行、ISBN 4-08-600341-4
    20. 「火雷招剣」2004年6月発行、ISBN 4-08-600429-1
    21. 「烈風覇王剣」2005年1月発行、ISBN 4-08-600534-4
    22. 「剣散華 前編」2005年8月発行、ISBN 4-08-600633-2
    23. 「剣散華 後編」2005年11月発行、ISBN 4-08-600670-7

再録版

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脚注

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  1. ^ 暗夜鬼譚 春宵白梅花(集英社文庫)”. 集英社. 2023年12月29日閲覧。
  2. ^ 暗夜鬼譚 遊行天女(集英社文庫)”. 集英社. 2023年12月29日閲覧。
  3. ^ 暗夜鬼譚 夜叉姫恋変化(集英社文庫)”. 集英社. 2023年12月29日閲覧。
  4. ^ 暗夜鬼譚 血染雪乱(集英社文庫)”. 集英社. 2023年12月29日閲覧。
  5. ^ 暗夜鬼譚 紫花玉響(集英社文庫)”. 集英社. 2023年12月29日閲覧。
  6. ^ 暗夜鬼譚 五月雨幻燈(集英社文庫)”. 集英社. 2023年12月29日閲覧。
  7. ^ 暗夜鬼譚 空蝉挽歌〈前〉(集英社文庫)”. 集英社. 2023年12月29日閲覧。
  8. ^ 暗夜鬼譚 空蝉挽歌〈中〉(集英社文庫)”. 集英社. 2023年12月29日閲覧。
  9. ^ 暗夜鬼譚 空蝉挽歌〈後〉(集英社文庫)”. 集英社. 2023年12月29日閲覧。
  10. ^ 暗夜鬼譚 狐火恋慕(集英社文庫)”. 集英社. 2023年12月29日閲覧。
  11. ^ 暗夜鬼譚 綺羅星群舞(集英社文庫)”. 集英社. 2023年12月29日閲覧。