月本昭男
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月本 昭男(つきもと あきお、1948年5月20日 - )は、日本のアッシリア学者・聖書学者・宗教学者。立教大学名誉教授、上智大学名誉教授。公益財団法人古代オリエント博物館(池袋)館長。長野県出身。
人物・来歴
[編集]長野県生まれ。1971年東京大学文学部宗教学・宗教史学科卒業。78年同大学院人文科学研究科宗教学・宗教史学専攻博士課程中退。1980年ドイツ・テュービンゲン大学文化学部修了、Dr. Phil.の学位を取得。::※学位論文「古代メソポタミアにおける死者供養の研究」が、ドイツの学術叢書『旧約聖書と古代オリエント』の一冊として出版される[1][2]。1981年立教大学一般教育部人文・社会科学科専任講師。83年助教授。91年教授。1995年立教大学文学部キリスト教学科教授。1998年、立教大学コミュニティ福祉学部コミュニティ福祉学科教授。2002年立教大学文学部キリスト教学科 教授[1]。2014年立教大学を定年退職、名誉教授、上智大学神学部神学科特任教授。2016年公益財団法人古代オリエント博物館館長[3]。2022年上智大学名誉教授[4]。
著書
[編集]単著
[編集]- Untersuchungen zur Totenpflege (kispum) im alten Mesopotamien, Neukirchen-Vluyn: Neukirchner Verlag, 1985。※楔形文書資料に基づく古代メソポタミアの死者供養の研究 [2][5] 。
- 『目で見る聖書の時代』横山匡写真 日本基督教団出版局 1994
- 『創世紀注解 I』〈リーフ・バイブル・コンメンタリーシリーズ〉日本基督教団・宣教委員会「"現代の宣教"のための聖書注解書」刊行委員会編 日本キリスト教団出版局 1996
- 『詩篇の思想と信仰』全6巻 新教出版社
- I(第1篇から第25篇まで)2003
- II(第26篇から第50篇まで)2006
- III(第51篇から第75篇まで)2011
- IV(第76篇から第100篇まで)2013
- V(第101篇から第125篇まで)2020
- VI(第126篇から第150篇まで)2018
- 『悲哀をこえて 旧約聖書における歴史と信仰』教文館 2005
- 『古典としての旧約聖書』聖公会出版 2008 ※日本旧約学会での公開講演「原初史の主題」など、過去3年間に行われた5つの講演を収めたもの[6]。
- 『古代メソポタミアの神話と儀礼』岩波書店 2010
- 『旧約聖書に見るユーモアとアイロニー』教文館 2014
- 『この世界の成り立ちについて 太古の文書を読む』ぷねうま舎 2014
- 『見えない神を信ずる:月本昭男講演集』日本キリスト教団出版局 2022
共編著・監修
[編集]- 『聖書の世界』監修 前田信二 光文社文庫 1987
- 『宗教と寛容』竹内整一共編 大明堂 1993
- 『現代聖書講座 第1巻 聖書の風土・歴史・社会』小林稔共編 日本基督教団出版局 1996
- 『創成神話の研究』編 リトン 1996
- 『古代イスラエル預言者の思想的世界』金井美彦・山我哲雄共編 新教出版社 1997
- 『岩波講座 世界歴史 2 オリエント世界 - 7世紀』岩波書店 1998
- ※執筆担当:「前二千年紀西アジアの局外者たち:ハビル、ハバトゥ、フプシュ」253-270頁
- ※執筆担当:「歴史と時間 古代イスラエルの場合」3-60頁 [7]
- 『図説 地図とあらすじで読む 聖地エルサレム』監修 青春出版社 2005
- 『図説 地図とあらすじでわかる! 聖地エルサレム』監修 青春新書インテリジェンス 2009。※2005年刊を加筆・修正。NCID BB00071054
- 『図説 聖書:聖書の内容が一気にわかる決定版!』監修 学習研究社 2006
- 『知の礎 原典で読むキリスト教』鈴木範久・佐藤研・菊地伸二・西原廉太共著 聖公会出版 2006
- 『エロヒム歌集 詩篇第42篇~第72篇講義』高橋三郎共著 教文館 2008
- 『エン・ゲヴ遺跡 発掘調査報告1998-2004』長谷川修一・小野塚拓造共編 リトン 2009
- 『面白くてよくわかる! 聖書:モーセの十戒からキリストの復活まで、「聖書」の常識を知る大人の教科書』監修 アスペクト 2010
- 『キリスト教を知りたい。:聖地 教会 聖書 聖人』監修〈Gakken mook〉 学研パブリッシング 2010
- 『キリスト教をもっと知りたい。:教会美術の名品でひもとくイエスの神話と聖人たちの伝説』〈Gakken mook〉監修 学研パブリッシング 2011
- 『完全保存版 キリスト教を知りたい。』監修 学研パブリッシング 2013 ※2010年刊『キリスト教を知りたい。』と2011年刊『キリスト教をもっと知りたい。』を再編集。NCID BB12932811
- 『完全版 図説 聖書の世界:聖書の壮大な物語をダイジェスト!』監修 学研パブリッシング 2011(初版 学習研究社2008年刊)NCID BB06873037
- 『決定版 図説 旧約・新約聖書』監修 学研パブリッシング 2012。※2011年刊『完全版 図説 聖書の世界』を再編集し、第3部を加筆。NCID BB11594429
- 『図説 旧約・新約聖書入門』監修〈GP books〉学研プラス 2017 ※2012年刊『決定版 図説 旧約・新約聖書』を改題・再編集。NCID BB23769687
- 『群馬のキリスト者たち』山下智子編著 本井康博・宮﨑俊弥・ 鎌田正之・ 中村茂共著 聖公会出版 2012
- 『これならわかる!『旧約聖書』 3つの宗教からエヴァンゲリオンの成り立ちまでを網羅!!』〈Gakken mook〉監修 学研パブリッシング 2012
- 『世界の美しい教会 世界遺産の教会64か所を厳選』監修 学研パブリッシング 2013
- 『ほかに神があってはならない』大貫隆・西原廉太共監修 聖公会出版 2013
- 『宗教の誕生: 宗教の起源・古代の宗教』 山川出版社〈宗教の世界史 1〉2017
- 『図説 一冊で学び直せるキリスト教の本』監修 学研プラス 2020
- 『ここが変わった!「聖書協会共同訳」旧約編』月本昭男他著者多数 日本基督教団出版 2022
- 『神話世界と古代帝国』〈アジア人物史 1〉集英社 2023
- ※執筆担当:「西アジア神話」4-28頁、「ナザレのイエスと信仰のイエス・キリスト」249-258頁
翻訳
[編集]- A.ワイザー『エレミヤ書』上巻(1-25章)〈ATD 旧約聖書註解 20〉ATD・NTD聖書註解刊行会、1985
- 『ギルガメシュ叙事詩』岩波書店 1996 [9]
- 『旧約聖書』岩波書店。NCID BN16013302
- R.E.クレメンツ編『古代イスラエルの世界 社会学・人類学・政治学からの展望』木田献一共監訳 リトン 2002
- ハンス・G.キッペンベルク『宗教史の発見 宗教学と近代』渡辺学・久保田浩共訳 岩波書店 2005
- 『水墨 創世記』画:司修 岩波書店 2011。※翻訳は『創世記』(岩波書店 2004年刊 7刷)より。NCID BB05991424
- 『ギルガメシュ王の物語 ラピス・ラズリ版』司修画 ぷねうま舎 2012 [11]/新装版 2019 [3][12]
- 『死海文書』死海文書翻訳委員会 訳 ぷねうま舎 2018 [13]
- ※担当:「ダマスコ文書」117-257頁、「ハラハーB」他 259-283頁(翻訳・訳注・解説担当)[15]
- ※担当:「タンフミーム」91-107頁
受賞歴
[編集]所属学会
[編集]関心分野
[編集]脚注・出典
[編集]- ^ a b c 月本 昭男 (2008年7月1日掲載). “古典としての旧約聖書/私の研究室から”. 「立教」第201号(朝日新聞デジタル). 2023年6月25日閲覧。
- ^ a b 渡辺和子「書評」第30巻第2号、日本オリエント学会、1987年、2023年6月25日閲覧。
- ^ a b 館長へインタビュー:“ギルガメシュ叙事詩研究の第一人者に本当のギルガメシュ像について聞いてみた”. Pokke. 2023年6月25日閲覧。
- ^ 上智大学名誉教授
- ^ 学術業績 2023, [著書]単著書 01.
- ^ 学術業績 2023, [著書]単著書 10.
- ^ 学術業績 2023, [学術論文]51.
- ^ 学術業績 2023, [著書]編著・共著書 15.
- ^ 楔形文字からの翻訳/岩波書店.2023年6月25日閲覧。
- ^ 学術業績 2023, [著書]単著書 05.
- ^ 『ギルガメシュ叙事詩』(岩波書店1996年刊)より、「標準版」「古バビロニア版」「中期バビロニア版」「ヒッタイト語版」など時代を異にする叙事詩伝承を組み合わせ、一つの物語として再編。NCID BB09104560
- ^ オーディオブックとして再編集:「朗読 ギルガメシュ叙事詩:深淵を覗き見たひと」(古代オリエント博物館 監修・関智一 朗読 2019)古代オリエント博物館ウェブショップ
- ^ 最新の校訂・解読を踏まえた、原典からの初めての日本語訳:“死海文書 全12冊”. ぷねうま舎 (2018年6月11日). 2023年6月25日閲覧。
- ^ 訳者紹介紀伊國屋書店
- ^ 学術業績 2023, [著書]編著・共著書 24.
- ^ オーディオブック「朗読 エヌマ・エリシュ - バビロニア創世神話」(月本昭男 訳・古代オリエント博物館 監修・関智一 朗読 2020)古代オリエント博物館ウェブショップ
- ^ 研究者詳細.
- ^ 受賞業績ほか日本オリエント学会
- ^ 月本昭男会長講演「なぜ、センナケリブはエルサレムから退却したのか」学術雑誌『旧約学研究』
- ^ 『聖書考古学』 - コトバンク
外部リンク
[編集]- 立教大学文学部・月本研究室
- “月本昭男 学術業績(2023年5月現在)”. 立教大学 月本研究室 (2023年5月6日更新). 2023年6月25日閲覧。
- “月本昭男 (名誉教授) 研究者詳細”. 立教大学 研究者情報. 2023年7月30日閲覧。