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木島洋嗣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

木島 洋嗣(きじま ひろつぐ 1975年 - )は、日本実業家

概要

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東京都出身。桜美林高等学校を経て[1]上智大学経済学部を卒業[2]上智大学のソフィア会で寄附講座を行ったこともある[3]。海外で行われるソフィア会にシンガポールから駆けつけている[4]

大学卒業後はアメリカ合衆国NPO法人で勤務して、国際連合本部の政府間交渉の仕事に携わる。その後にリクルートに入社して、地域活性事業部やキャリア事業開発室やワークス研究所などで勤務する。地域に関する政策の立案や、新卒採用や人材育成などの研究開発にも関わってきた。2004年に日本国内で独立して、2009年にシンガポールに移住[5]

シンガポールで暮らしているのは2度目の海外生活。1度目の海外生活であるアメリカ合衆国で暮らしていた頃には、そのままニューヨークで暮らすつもりであったのだが、が病気になったのをきっかけに日本に帰国していた。それからは特に何をするかを決めていなかったために、学生時代の先輩に誘われるままにリクルートに入社して、社内では1、2を争うほど海外出張に行く。2004年に独立してからは次第に仕事の幅が広がり、アジアに進出したいという企業の相談を多く受けるようになっていた。シンガポールに出張する機会が増えていたことから、それならばシンガポールでビジネスをしようと思いシンガポールに拠点を移した[6]

よくワークライフバランスと言われているものの、木島はこのことを否定している。木島にとってはワークとライフは一緒である。給料をもらえるからこそ仕事であり、そうでない時間は休みと分けたならば、ボランティアや人間関係までもビジネスになるかという発想になるとしている[6]

シンガポールの企業は、人口が540万人のシンガポール国内市場だけを相手にビジネスをしていないとする。シンガポールの企業は世界全体を見据えたマーケティング機能を持ったのが多いことから、シンガポールには世界中から人や物や金を集められるハブ機能があるとする。そしてシンガポールの企業はこのハブ機能を活用しており、このハブ機能こそがシンガポールの企業の生命線ともする。日本がそのままシンガポールから学べることは無いが、東京や大阪などの日本の大都市の在り方についてシンガポールから学べることは多いとする。毎年シンガポールに訪れる人はシンガポールの人口の10倍で、シンガポールのは東京の港の8倍の貨物がやってきているのだが、これはシンガポールが世界中から人や物や金を集める努力をし続けてきたからであるとしている。日本の人口が減少する時代に突入した現代は、シンガポールで行われてきた政策を日本の大都市で実現させることが日本の大都市再生の切り札であるとする[7]

2015年5月17日に行われた大阪都構想の選挙では賛否の議論社会福祉が中心であったが、木島は異なる視点から議論を呼びかけていた。木島は大阪都構想には賛成の立場であった。木島は大阪というのは世界経済におけるハブ機能を持つに足る都市と考えており、その可能性を実現させるためには現行の二重行政では難しく、大阪市大阪府がそれぞれ縄張り争いをしているようでは意思決定に時間がかかり、その間に世界の都市は改革を進めてしまうために勝つ可能性は少なくなると考えるからであった。大阪が都市の比較をする際には国内ならば必ず東京と比較することになっているのだが、東京と大阪では置かれている状況が全く異なるために東京と比較する意味は少ないとする。大阪は人口の減少が予想されていることと高齢化の波も押し寄せているために、このような環境の中で東京と同じ路線を歩んでも発展するのは難しいとする[8]

脚注

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  1. ^ facebook”. facebook. 2024年10月31日閲覧。
  2. ^ カフェワークは非効率なバカバカしい働き方だった!?シンガポール在住ノマドが語る東京ノマドの問題点”. ダイヤモンド・オンライン (2012年12月12日). 2024年10月31日閲覧。
  3. ^ 2006年上智大学ソフィア会寄附講座”. ソフィア会. 2024年10月31日閲覧。
  4. ^ 英国ソフィア会 春の会開催報告 - 英国ソフィア会 - 海外地域ソフィア会 - 上智大学ソフィア会海外地域ソフィア会 - 上智大学ソフィア会” (jp). www.sophiakai.gr.jp. 2024年10月31日閲覧。
  5. ^ 「アジアのハブ・シンガポールから考える アジア経営戦略セミナー」”. 岐阜県産業経済振興センター. 2024年10月31日閲覧。
  6. ^ a b ワークとライフは一緒。仕事と遊びを分けないこと -ツリーアイランズ シンガポール社長”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) (2013年8月22日). 2024年10月31日閲覧。
  7. ^ TreeIslandsSingaporePte.Ltd.代表取締役社長・木島洋嗣「市場が変われば、本社の所在地も変わるべき」(西澤 亮一) @gendai_biz”. 現代ビジネス (2014年5月5日). 2024年10月31日閲覧。
  8. ^ 日経ビジネス電子版 (2015年5月14日). “大阪は世界のハブ都市になれるか”. 日経ビジネス電子版. 2024年10月31日閲覧。