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李容浩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
李容浩
2018年
各種表記
チョソングル 리용호
漢字 李容浩
発音 リ・ヨンホ
ローマ字 Lee Yong-Ho
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李 容浩(リ・ヨンホ、리용호1956年 - )は、朝鮮民主主義人民共和国外交官政治家朝鮮労働党中央委員会政治局員、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員、朝鮮民主主義人民共和国外務相を歴任した[1]

氏名の漢字表記は日本では「李容浩」だが、中国では「李勇浩」とされている[2][3]

人物

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平壌外国語大学卒業後、朝鮮民主主義人民共和国外務省へ入職。職業外交官として駐スウェーデン朝鮮民主主義人民共和国大使館に勤務[4][5]。その後、外務省本省で東南アジア諸国連合地域フォーラムの団長を務めた。

2003年に駐朝鮮民主主義人民共和国特命全権大使に就任し、2004年に駐アイルランド特命全権大使を兼任している[5]金正日体制の下で2010年には朝鮮民主主義人民共和国外務省副相(副外相)に起用され、2011年には6カ国協議(いわゆる朝鮮民主主義人民共和国における核開発問題を協議する、北朝鮮・韓国日本中国の周辺四か国とアメリカロシアによる会合)の首席代表に任命された[6]

金正恩体制下の2016年5月に開催された朝鮮労働党第7次大会で政治局員候補に選出された直後、外交担当の党副委員長に転じた李洙墉の後任として朝鮮民主主義人民共和国外務相に任命されたことが判明した[7][6]。また同年6月29日に開催された第13期最高人民会議第4回会議で朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員に選出された[8]

2017年9月19日国連総会で演説を行うため2016年に続き訪米[9]。訪米中の記者会見にて、太平洋上での水爆実験の可能性を示唆[10]したほか、9月23日には総会演説にて弾道ミサイルによるアメリカ本土への先制攻撃の可能性も示唆した[11]

2017年10月7日に行われた朝鮮労働党第7次大会第2回総会で党中央委員会政治局員に昇格した[12]

2018年3月15日からスウェーデンを訪問。ステファン・ロベーン首相のほかマルゴット・ヴァルストローム外相と会談。スウェーデン側から議題は、朝鮮半島の非核化、米朝首脳会談であることが示唆されたが、詳細な内容については非公表とされた[13]

2018年3月25日、最高指導者就任後の初外遊で中国を訪問した金正恩に同行した[14]。翌4月に訪露。12日にトルトネフ極東連邦管区大統領全権代表(副首相兼務)と会談した後、タジキスタンへ移動。13日以降アスロフ外相らと会談を行った[15]

2018年5月7日、中国の大連習近平総書記と会談した金正恩の訪中に同行した[16]。9月の国連総会の際にはアメリカのマイク・ポンペオ国務長官[17]、日本の河野太郎外相らと相次いで会談した[18]

2018年12月上旬、ベトナムシリア・中国訪問を行った[19]

2019年3月に行われた最高人民会議第14期代議員選挙で代議員に初当選[20]。同年4月の最高人民会議で国務委員に再選された[21]

2020年1月19日、複数の報道機関によって、李容浩が外務大臣を解任され李善権が後任に指名されたと報じられた[1][22]。解任理由は、アメリカとの交渉が進まなかったことなどが推測されている[23]

2020年4月12日の最高人民会議第14期第3回会議で国務委員会委員から解任された[24]

2023年1月、李容浩を含む在英北朝鮮大使館に勤務経験のある外務省関係者数人が2022年夏から秋頃に相次ぎ処刑されたと報じられた[25]。同月5日、大韓民国の国家情報院は、李容浩が粛清されたことを確認したと明らかにした。処刑の事実については「確認されていない」とした[26]。2024年7月中旬に脱北した駐キューバ参事官の李日圭(リ・イルギュ)によると、在中国大使館を巡る贈収賄事件に関与したとして、2019年12月に一家で政治犯収容所に送られたという。

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b “北朝鮮外相が交代か 後任は軍出身、対米強硬も”. 日本経済新聞. (2020年1月19日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54580910Z10C20A1FF8000/ 2020年1月20日閲覧。 
  2. ^ 王毅同朝鲜外相李勇浩举行会谈” (中国語). 中華人民共和国外交部 (2019年9月2日). 2019年10月30日閲覧。
  3. ^ 王外交部長、朝鮮の李勇浩外相と会談”. 中国国際放送局 (2019年9月3日). 2019年10月30日閲覧。
  4. ^ 리용호 NK Chosoun
  5. ^ a b 리용호 北朝鮮資料センター(大韓民国)
  6. ^ a b “新外相に李容浩氏=外交姿勢に変化注目-北朝鮮”. 時事ドットコム (時事通信社). (2016年5月17日). オリジナルの2016年9月24日時点におけるアーカイブ。. https://archive.md/IsAUB 2023年1月4日閲覧。 
  7. ^ “6カ国協議の北首席代表務める李容浩氏が外相に”. 産経ニュース (産経デジタル). (2016年5月17日). オリジナルの2016年5月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160518103400/http://www.sankei.com/world/news/160517/wor1605170039-n1.html 2023年1月4日閲覧。 
  8. ^ 김정은, 당·국가 최고위직 겸직… 아버지 시대와 결별”. 国民日報 (2016年6月30日). 2016年6月30日閲覧。
  9. ^ 北朝鮮の李容浩外相が国連総会へ 核・ミサイル開発正当化か 産経新聞社(2017年9月19日)2017年9月27日閲覧
  10. ^ 「太平洋上で水爆実験」北朝鮮外相が言及 米演説に反発 朝日新聞社(2017年9月22日)2017年9月27日閲覧
  11. ^ 「奴らは遠からず姿消す」 トランプ氏、北朝鮮の李容浩外相の演説非難 産経新聞社(2017年9月24日)2017年9月27日閲覧
  12. ^ “朝鮮労働党中央委員会の総会…金与正氏が党中央委員に”. DailyNK Japan (株式会社ブラスト). (2017年10月8日). https://dailynk.jp/archives/97093/12 2023年1月4日閲覧。 
  13. ^ 北朝鮮の李容浩外相、スウェーデン首相と会談”. AFP (2018年3月16日). 2018年3月16日閲覧。
  14. ^ “金正恩氏、生き残りかけた訪中 対米交渉に向け中国利用”. 朝日新聞. (2018年3月28日). https://www.asahi.com/articles/ASL3X33MCL3XUHBI00Q.html 2018年5月5日閲覧。 
  15. ^ 北朝鮮外相 タジキスタン訪問 朝鮮半島情勢で意見交換へ”. 毎日新聞 (2018年4月13日). 2018年4月13日閲覧。
  16. ^ “3月の訪中に含まれなかった金与正氏が同行…北の対米ラインが総出動”. 中央日報. (2018年5月9日). https://japanese.joins.com/JArticle/241220 2018年5月9日閲覧。 
  17. ^ “ポンペオ米国務長官が北朝鮮の李容浩外相と会談”. 産経新聞. (2018年9月27日). https://www.sankei.com/article/20180927-DGRSVCY4DBIKDOI5R2RFDPKOL4/ 2018年9月27日閲覧。 
  18. ^ “河野外相、北朝鮮外相と会談 「首脳会談の用意」伝達か”. 朝日新聞. (2018年9月27日). https://www.asahi.com/articles/ASL9W3G5ZL9WUTFK00P.html 2018年9月27日閲覧。 
  19. ^ 訪中の北朝鮮外相 高官と相次ぎ接触へ”. 聯合ニュース (2018年12月7日). 2018年12月7日閲覧。
  20. ^ 辺真一 (2019年3月13日). “北朝鮮代議員選挙結果を徹底分析!相次ぐ実力者らの意外な「落選」が判明!”. Yahoo!ニュース. https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/7acb579864384101c5d30b575a26ed62ad9a68cd 2019年6月2日閲覧。 
  21. ^ “金正恩氏が再び国務委員長に 首相は金在龍氏に交代=北朝鮮”. Chosun Online (朝鮮日報). (2019年4月12日). オリジナルの2019年4月12日時点におけるアーカイブ。. https://megalodon.jp/2019-0412-0950-33/www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/04/12/2019041280016.html 2019年4月12日閲覧。 
  22. ^ “北朝鮮が外相を交代 米国通の李容浩氏退任か”. 聯合ニュース. (2020年1月19日). https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200119000600882 2020年1月20日閲覧。 
  23. ^ 太永浩元駐英北朝鮮公使「李容浩氏の解任、金正恩委員長の不安心理が反映」”. 中央日報 (2020年1月21日). 2020年3月3日閲覧。
  24. ^ 김태균 (2020年4月13日). “北朝鮮が最高人民会議開催 李外相らを国務委員に=正恩氏は出席せず”. 聯合ニュース. 2020年4月13日閲覧。
  25. ^ 北朝鮮、李容浩元外相を処刑か…在英国大使館勤務経験の外務省関係者らも”. 読売新聞オンライン. 読売新聞 (2023年1月4日). 2023年1月4日閲覧。
  26. ^ “北朝鮮が李容浩氏を「粛清」 韓国情報機関 元外相、6カ国協議代表も”. 産経新聞. (2023年1月5日). https://www.sankei.com/article/20230105-E6OO7MPIMRIOHJXAJWT3SDFPIE/?outputType=amp 2023年1月5日閲覧。 
 朝鮮民主主義人民共和国の旗 朝鮮民主主義人民共和国
先代
李洙墉
外務相
2016年 - 2020年
次代
李善権