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東オレゴン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東オレゴン8郡を人口別に色分けした地図

東オレゴン(Eastern Oregon)はアメリカ合衆国オレゴン州の東部地域である。その境界線は公式には発表されていないため、文脈次第である。州の東端にある8郡を指す場合や、カスケード山脈の東側全体を指す場合などがある[1]。東部8郡にある主要な都市は、ベーカーシティバーンズハーミストンペンドルトンジョンデイラグランドオンタリオなどで、そのうち最大の都市はハーミストンである。8郡のうち人口が最も多いのはユマティラ郡で、2016年の人口調査ではこの地域の人口の74%を占める[2]。主要産業は、輸送業、倉庫業、林業、農業、観光業など。主要な道路は、州間高速道路84号線に加え、国道395号線、97号線、26号線、30号線、20号線が通っている。

地理

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ワローワ郡にある山脈と氷河湖は、観光名所となっている。
ベーカーシティにある、国立オレゴン・トレイル
バーンズのダウンタウン

東オレゴン観光教会によると、その領域にはモロー郡ユマティラ郡ユニオン郡ワローワ郡グラント郡ベーカー郡ハーニー郡マルヒュア郡の8郡が含まれる[3]。また、カスケード山脈の東側全ての地域を指す場合もあるが、その場合にはシャーマン郡デシューツ郡ギリアム郡ジェファーソン郡クラマス郡レイク郡ワスコ郡そしてウィーラー郡も含まれることとなる。

ジョセフ・キャニオン

政治

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オレゴン州は全体的に青い州だと考えられているが、東オレゴンは西オレゴンに比べて非常に保守的である[4]2012年の大統領選挙では、共和党候補のミット・ロムニーがこの地域で60%の得票を得た[5]

東部と西部の政治的な分断により、東部に住む人たちは自分たちの地域が西部に住む多数派によって政治的に支配されて、自分たちの意見が無視されていると考えるようになった。2008年現在では、東オレゴン住民は51番目の州として合衆国に加盟する運動を続けている。これらの活動は、ジェファーソン地域カスカディアなどの活動と類似している。

都市

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東部8郡にある主要都市は以下の通り。

順位 人口 [6] (2018)
1 ハーミストン 18,200 ユマティラ
2 ペンドルトン 16,810 ユマティラ
ラグランド 13,340 ユニオン
4 オンタリオ 11,470 マルヒュア
5 ベイカーシティ 9,890 ベイカー
6 ユマティラ 7,320 ユマティラ
7 ミルトンフリーウォーター 7,105 ユマティラ
8 ボードマン 3,690 モロー
9 ニッサ 3,310 マルヒュア
10 バーンズ 2,830 ハーニー
11 スタンフィールド 2,185 ユマティラ
12 ユニオン 2,160 ユニオン
13 イリゴン 1,990 モロー
14 エンタープライズ 1,985 ワローワ
15 ヴェイル 1,950 マルヒュア
ハーミストン中央部にあるハーミストン・ビュート

東オレゴンの境界をカスケード山脈まで伸ばすと、ベンドレドモンドクラマスフォールズの3つがこの地域最大の都市圏となる。

気候

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太平洋に面した海洋性西オレゴン英語版の気候に比べて、東オレゴンは乾燥した大陸性の気候であり、気温の年較差が非常に大きい。また、ウィラメットバレーとは異なり、東オレゴンでは冬の降雪量が非常に大きい。また、レドモンド近郊など一部の地域は砂漠となっており、年間降水量が10インチ(250ミリ)に満たない。この地域の砂漠はカスケード山脈雨陰によるものである。マツとネズの森林が東オレゴンの総面積の35%を占め、数多くの山脈が存在する。

ワスコ郡中央部にある小麦栽培地域の西端

経済

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この地域の主な経済は農業によって成り立っている[7]。かつては林業鉱業も主要な産業であったが、ここ数十年で衰退してしまった[8]。一方で、エコツーリズムなどの観光業が発展しつつある[9][10]。ワスコ郡中心部から東へユマティラ郡まで続くコロンビア川台地は、この地域の主要な小麦産地である。この地域には黄土と呼ばれる豊かな土壌が広がっており、コロンビア台地を世界で最も重要な小麦生産地にしている[11]。一方で、この小麦生産地の南部では牧畜も同時に行われているため、灌漑を利用して牧草のアルファルファを育てている。

レジャー

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東オレゴンでは、スキー、ラフティング、ハイキングなどのレジャーが盛んに行われている[12]

アンソニー・レイク・スキー場はこの地域で最大のスキー・リゾートである[13]。ブルー・マウンテンズにあるユマティラ国有林内のスパウト・スプリングス・スキー場も家族連れに人気である[14]

脚注

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  1. ^ Davenport, T. W. (1903). “An Object Lesson in Paternalism”. Oregon Historical Quarterly 4 (1). 
  2. ^ Population Estimates & Reports”. 2020年6月12日閲覧。
  3. ^ Eastern Oregon Visitor's Association”. 2007年10月24日閲覧。
  4. ^ Oregon, Sitting at the Border of Safe and In Play”. FiveThirtyEight. ニューヨーク・タイムズ (August 16, 2012). January 3, 2016閲覧。
  5. ^ US Election Atlas, Oregon 2012 Presidential Election”. US Election Atlas. 2020年6月16日閲覧。
  6. ^ Portland State University Annual Population Estimates”. 2020年6月16日閲覧。[リンク切れ]
  7. ^ Cattlemen Care: About Oregon's Economy”. Oregon Cattlemen's Association. January 13, 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。January 3, 2016閲覧。
  8. ^ Wilson, Jason (January 14, 2016). “The Oregon militia revolt recipe: timber, despair and a crippling political isolation”. The Guardian. https://www.theguardian.com/us-news/2016/jan/14/oregon-militia-occupation-revolt-motivation-politics-public-land-ranching-environment?CMP=share_btn_tw January 17, 2016閲覧。 
  9. ^ Wolf tourism in Eastern Oregon”. Oregon Business. p. 3 (July 8, 2013). August 6, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。January 17, 2016閲覧。
  10. ^ Fishing, Hunting, Wildlife Viewing and Shellfishing in Oregon 2008”. Dean Runyan Associates. January 17, 2016閲覧。
  11. ^ Blessed with Soil and Precious Little Water”. Oregon's Agricultural Progress. オレゴン州立大学 (2005年). January 17, 2016閲覧。
  12. ^ Eastern Oregon Find Things to See & Do”. Travel Oregon. Oregon Travel Commission. January 17, 2016閲覧。
  13. ^ Oregon Ski Resorts Elevations & Area” (英語). OnTheSnow. 2020年6月16日閲覧。
  14. ^ Spout Springs Ski Resort - Resort and ski area overview” (英語). OnTheSnow. 2020年6月16日閲覧。