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核磁気モーメント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

核磁気モーメント(かくじきモーメント、: Nuclear magnetic moment)は、原子核磁気モーメントであり、陽子および中性子スピンから生じる。主に磁気双極子モーメントであり、四極子モーメントは超微細構造において同様に小さなシフトを起こす。

核磁気モーメントは元素同位体によって異なる。陽子と中性子の数が共に偶数の場合にのみ核磁気モーメントはゼロとなる。

殻模型

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殻模型によれば、陽子あるいは中性子は逆の全角運動量の対を形成する。ゆえに、陽子および中性子の数が共に偶数である核の磁気モーメントはゼロであるが、奇数の陽子と偶数の中性子(あるいはその逆)を持つ核の磁気モーメントは残った不対陽子(あるいは中性子)の磁気モーメントとなる。陽子と中性子がどちらも奇数である核は、全磁気モーメントは残った不対陽子と不対中性子の磁気モーメントの組み合わせとなる。

核磁気モーメントは、殻模型の単純な型では部分的にしか予測できない。磁気モーメントは、残った核子のjlsによって計算されるが、核は明確に定義されたlおよびsの状態にはない。さらに、重水素のように陽子と中性子が共に奇数の核については、2つの「残った」核子を考慮しなければならない。ゆえに、核磁気モーメントには複数の可能な解(それぞれの可能なlおよびs状態の組み合わせ)が存在し、核の実際の状態はそれらの重ね合わせである。ゆえに、実際の(観測される)核磁気モーメントは可能な解の間のどこかにある。

g因子

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g(l)およびg(s)の値は核子のg因子として知られている。

中性子陽子のg(l)の観測値はそれらの電荷と比例している。ゆえに、核磁子単位で、中性子のg(l) = 0、陽子のg(l) = 1である。

中性子陽子のg(s)の観測値は、それらの磁気モーメント(中性子磁気モーメントあるいは陽子磁気モーメント)の2倍である。核磁子単位で、中性子のg(s) = −3.8263、陽子のg(s) = 5.5858である。

磁気モーメントの計算

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殻模型では、全角運動量j軌道角運動量lスピンsの核子の磁気モーメントは以下の式で与えられる。

全角運動量jの射影を取ると、以下の式を得る。

は異なる計数g(l)およびg(s)を持つ軌道角運動量およびスピンの両方からの寄与がある。: これを上式に代入し

と書き直すと となる。

s =1/2の核子について、では

では、

関連項目

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外部リンク

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