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桃井斉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

桃井 齊(ももい ひとし、1930年1月20日 - 2002年2月26日)は、日本地球科学者。専門は鉱物学鉱床学東京都生まれ。

経歴

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旧制第五高等学校を経て、1953年九州大学理学部地質学科を卒業。1956年九州大学理学部助手、1968年同助教授。1976年愛媛大学理学部教授に転任。1987年から1995年まで同大学評議員。1995年定年退官。1962年、九州大学より理学博士の学位を取得[1]

研究業績

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学部から大学院にかけて冨田達の指導を受け、花崗岩および黒色頁岩中のラジウム含有量に関する研究を行った[2]。1956年から吉村豊文のもとで、マンガン珪酸塩鉱物(イネス石ダンネモル石パイロクスマンガン石、バナジウム柘榴石、ばら輝石など)の鉱物化学的研究に従事した[3]。1970年代になってマンガン珪酸塩鉱物の熱水合成実験を開始し、とくにブラウン鉱マンガン団塊の生成条件に関する顕著な成果を発表した[4]。その間、鹿児島宮崎県内の層状マンガン鉱床の調査を行い、次第に層状マンガン鉱床の地質学的研究へと進展した[5]。また没後の2010年に、愛媛県鞍瀬鉱山で発見された新鉱物バナジウムを含むマンガン柘榴石)は、桃井の鉱物学上の業績を顕彰するため、桃井柘榴石(Momoiite)と命名された[6]

脚注

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  1. ^ 桃井齊『Contact metamorphism of manganese ore deposits in Japan with special reference to rhodonite』 九州大学〈理学博士 報告番号不明〉、1962年。NAID 500000317477https://id.ndl.go.jp/bib/000007809976 
  2. ^ 桃井斉「九州第三紀花崗岩類のRa含有量」『岩石鉱物鉱床学会誌』第42巻第6号、日本鉱物科学会、1958年、302-308頁、doi:10.2465/ganko1941.42.302ISSN 0021-4825CRID 1390001206216656512 
  3. ^ Momoi, Hitoshi (06 1964). “Mineralogical study of rhodonites in Japan, with special reference to contact metamorphism”. Memoirs of the Faculty of Science, Kyūsyū University. Series D, Geology (Faculty of Science, Kyushu University) 15 (1): 39-63. doi:10.5109/1543611. hdl:2324/1543611. ISSN 0023-6179. CRID 1390853649685758080. https://doi.org/10.5109/1543611. 
  4. ^ 桃井斉「マンガン珪酸塩鉱物の熱水合成と鉱物共生」『岩石鉱物鉱床学会誌』第71巻Special1、日本鉱物科学会、1976年、133-142頁。 
  5. ^ 桃井齊「層状マンガン鉱床の地質学的諸問題」『地質学雑誌』第97巻第9号、日本地質学会、1991年、759-770頁、doi:10.5575/geosoc.97.759ISSN 00167630CRID 1390282681212157824 
  6. ^ TANAKA, Hidekazu; ENDO, Shunsuke; MINAKAWA, Tetsuo; ENAMI, Masaki; NISHIO-HAMANE, Daisuke; MIURA, Hiroyuki; HAGIWARA, Akihito (2010). “Momoiite, (Mn2+,Ca)3(V3+,Al)2Si3O12, a new manganese vanadium garnet from Japan”. 岩石礦物礦床學 (日本鉱物科学会) 105 (2): 92-96. doi:10.2465/jmps.091015a. ISSN 1345-6296. CRID 1390001206545813632. https://doi.org/10.2465/jmps.091015a. 

参考文献

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主な編著書

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  • 愛媛県地質図(20万分の1)および同説明書、鹿島愛彦・高橋治郎との共著、1991年。

外部リンク

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