楊柳観音
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楊柳観音(ようりゅうかんのん)は三十三観音の一。病苦からの救済を使命とする。
右手に柳の枝を持つことにより楊柳観音と呼ばれる。この観音は画像に描かれる例が多く、絵画では座右の水瓶に柳の枝をさすこともある。
絵画として描かれたものでは、高麗仏画の遺品が著名である。日本国内では、国の重要文化財に指定されたものとして、滋賀・聖衆来迎寺本、京都・大徳寺本(3点)、京都・泉屋博古館本、鳥取・豊乗寺本、徳島・長楽寺本、佐賀・鏡神社本などがある(いずれも高麗時代)。泉屋博古館本は至治三年(=元朝の元号・1323年)、徐九方画の銘があり、作期と作者を明らかにする稀有な遺品として貴重である[1]。鏡神社本は1391年(明徳2年)に寄進されたと伝わる[2][3]。 なお、仏像では大安寺・法輪寺などに楊柳観音立像が伝わる。
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鏡神社本
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泉屋博古館本
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聖衆来迎寺本
脚注
[編集]- ^ 楊柳観音像(住友財団サイト)
- ^ 国指定文化財等データベース(文化庁)から検索で確認が可能。
- ^ 李泰勲「鏡神社所蔵高麗仏画『楊柳観音像』の発願者と日本招来について」『福岡大学人文論叢』第42巻4号[1]
参考文献
[編集]- 小川裕充「東アジア美術史の可能性(五) - PIXNET(台湾)ブログ(アート評論) 2012年10月29日