楽園のカンヴァス
楽園のカンヴァス La toile du paradis | ||
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著者 | 原田マハ | |
発行日 |
単行本:2012年1月20日 文庫版:2015年5月1日 | |
発行元 | 新潮社 | |
ジャンル | 小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 |
単行本:四六判上製本 文庫版:文庫判 | |
ページ数 |
単行本:302 文庫版:440 | |
公式サイト |
単行本:楽園のカンヴァス 単行本 新潮社 文庫版:楽園のカンヴァス 文庫版 新潮社 | |
コード |
単行本:ISBN 978-4-10-331751-7 文庫版:ISBN 978-4-10-125961-1 | |
ウィキポータル 文学 | ||
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『楽園のカンヴァス』(らくえんのカンヴァス、仏: La toile du paradis)は、日本の小説家原田マハによる小説である。
概要
[編集]『小説新潮』2010年9月号から2011年6月号までに「夢をみた J'ai rêvé」というタイトルで連載された[1]。単行本は、2012年1月20日に新潮社より刊行された[2]。
単行本の装画には、アンリ・ルソーの『夢』(1910年)が採用されている[1]。2012年、第25回山本周五郎賞を受賞する[3]。文庫版は、2015年5月1日に新潮文庫より刊行された[4]。2018年、フランス語版 « La toile du paradis » がフィリップ・ピキエより刊行された[5]。
あらすじ
[編集]ソルボンヌ大学院で博士号を26歳で取得している早川織絵は、国際美術史学会で注目を浴びている、アンリ・ルソー研究者である。ティム・W・ブラウンは、ニューヨーク近代美術館 (MoMA) のアシスタント・キュレーターである。コレクターのコンラート・バイラ―は、スイスのバーゼルにある、自らが住む大邸宅に織絵とティムを招き、彼が所蔵する、ルソーが最晩年に描いた作品『夢』に酷似した作品『夢をみた』について、1週間以内に真作か贋作かを正しく判断した者に、その作品の取り扱い権利を譲ると宣言する。
主な登場人物
[編集]- 早川織絵
- 大原美術館の監視員。日本人女性。
- ティム・W・ブラウン
- ニューヨーク近代美術館 (MoMA) のキュレーター。
書評
[編集]小説家の逢坂剛は、「著者は、本来ミステリー作家ではないはずだが、本作品の構成はまさに手だれのそれであり、終始飽きさせることがない」[6]と評価している。書評家の大森望は、「ゲラで読んで仰天した。原田マハがこんな堂々たるエンターテインメントを書こうとは……」「本書の趣向は前代未聞。いやはや、こんな絵画ミステリーは初めてだ」[4]と評価している。KADOKAWAによるウェブサイト「ダ・ヴィンチニュース」には、「ミステリーとしての謎の設定や構成のすばらしさもさることながら、キャラクターの絵画に対する情熱の深さに圧倒された」[7]との書評が掲載されている。
脚注
[編集]- ^ a b 『楽園のカンヴァス』 2012.
- ^ “楽園のカンヴァス 単行本”. 新潮社. 2012年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月10日閲覧。
- ^ “山本周五郎賞 過去の受賞作品”. 新潮社. 2019年3月10日閲覧。
- ^ a b “楽園のカンヴァス 文庫版”. 新潮社. 2019年3月10日閲覧。
- ^ 大野ゆり子 (2018年7月6日). “原田マハ『楽園のカンヴァス』仏語版を称賛したフランス人の「心象風景」”. ハフポスト 2019年3月10日閲覧。
- ^ 逢坂剛 (2018年6月8日). “手だれの美術ミステリー”. 朝日新聞 2019年3月10日閲覧。
- ^ “今月のプラチナ本 2012年5月号『楽園のカンヴァス』 原田マハ”. KADOKAWA (2012年4月6日). 2019年3月10日閲覧。
参考文献
[編集]- 原田マハ『楽園のカンヴァス』新潮社、2012年1月。ISBN 978-4-10-331751-7。