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楽輓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

楽輓(がく ばん)は、紀元前6世紀、中国の春秋時代の貴族である。元公に仕えて大司寇となった。

宋の楽氏は戴公の子、武公の弟から分かれた一族で、楽喜(子罕)を輩出したが、華氏、向氏と比べて有力な存在ではなかった。ところが、魯の昭公22年(紀元前520年)の内乱と周辺諸国の介入の結果、華・向は没落した[1][2]元公のもとで宋の人事は一新され、楽祁司城楽大心右師、そして楽輓が大司寇に任命された[1]。楽祁と楽大心は魯の定公6年(紀元前504年)、9年(紀元前501年)に相次いで失職したが[3]、楽輓については知られることがない。

脚注

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  1. ^ a b 『春秋左氏伝』、昭公22年。岩波文庫『春秋左氏伝』下の232頁。
  2. ^ 宇子木章「春秋時代の宋の貴族」、『春秋戦国時代の貴族と政治』20頁。
  3. ^ 『春秋左氏伝』定公6年と9年。岩波文庫『春秋左氏伝』下の2の345 - 346頁、357 - 358頁。。

参考文献

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  • 春秋左氏伝』。
    • 小倉芳彦訳『春秋左氏伝』(下)、岩波書店、岩波文庫、1989年。
  • 宇都木章「春秋時代の宋の貴族」、『春秋戦国時代の貴族と政治』、名著刊行会、2012年。初出は『古代学』16巻1号、1969年。