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歌川国歳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

歌川 国歳(うたがわ くにとし、生没年不詳)とは、明治時代初期の浮世絵師

来歴

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三代目歌川豊国および歌川国次の門人。歌川の画姓を称し、一運斎と号す。明治初期に摺物肉筆美人画幽霊画などを描いている。「源頼政鵺退治図」には豊原国周の画風がうかがえ、また落款に「原」の姓を用いているが他に例を見ず、これは国周との師弟関係をあらわすものかといわれる。

作品

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  • 「伊勢海老図」 摺物 一運斎国歳写の落款
  • 「扇もつ芸者図」 麻地着色 浮世絵太田記念美術館所蔵
  • 「遊女と禿」 紙本着色 光記念館所蔵 ※「國歳筆」の落款、「歌川」の朱文方印と「國歳」の白文方印あり。那須ロイヤル美術館(小針コレクション)旧蔵
  • 「こはだ小平次」 紙本着色 全生庵(台東区谷中)所蔵 ※「一運齋 國歳老人」の落款、「國歳」の朱文重郭方印あり
  • 火消図」 絹本着色、2図 大英博物館所蔵 ※「一運齋國歳戯画」の落款、「弌運斎」の白文長方印あり(2図いずれも同じ)。明治元年以降、5年以前の作
  • 源頼政鵺退治図」 布地着色 大英博物館所蔵 ※「應需 原國歳」の落款、「國歳」の朱文方印あり。『平家物語』などにある源頼政鵺退治を描いたもので、旅芝居の絵看板として使われたものだろうといわれている。

参考文献

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  • 井上和雄編 『浮世絵師伝』 渡辺版画店、1931年 ※国立国会図書館デジタルコレクションに本文あり。73コマ目。
  • 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年 ※34頁
  • 楢崎宗重編 『秘蔵浮世絵大観1 大英博物館Ⅰ』 講談社、1987年 ※262 - 263頁
  • 『小針コレクション 肉筆浮世絵』(第五巻) 那須ロイヤル美術館、1989年
  • 千葉市立美術館編 『大英博物館肉筆浮世絵名品展』 朝日新聞社、1996年 ※展覧会図録。222頁
  • 辻惟雄監修 『幽霊名画集 全生庵蔵・三遊亭円朝コレクション』〈『ちくま学芸文庫』〉 筑摩書房、2008年 ※250頁