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正力松太郎賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
正力賞から転送)
正力松太郎賞
日本プロ野球の生みの親とされる読売新聞社社主であった正力松太郎
スポーツ 野球
選考会 正力松太郎賞選考委員会
種目 野球
受賞対象 プロ野球の発展に大きく貢献した人物(監督コーチ選手審判
愛称 正力賞
日本の旗 日本
歴史
初回 1977年
初回受賞 王貞治
最多受賞 工藤公康(5回)
最新受賞 岡田彰布(2023年)
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正力松太郎賞(しょうりきまつたろうしょう)は、その年の日本のプロ野球の発展に大きく貢献した人物を対象として贈られる賞。通称は「正力賞」。表彰者には、金メダルと賞金500万円(特別賞は賞金300万円)が与えられ、賞金は読売新聞・日本テレビ両者から提供される。

概要

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大日本東京野球倶楽部(現在の読売ジャイアンツ)の創設者であり、日本プロ野球の生みの親とされる読売新聞社社主であった正力松太郎の業績を称えて読売新聞社を中心に1977年に創設され、同年より毎年表彰している。正力賞はリーグごとの公式表彰項目ではなく、NPB全体を対象とした公式の表彰に準ずる特別賞である。

対象はプロ野球の発展に大きく貢献した人物(監督コーチ選手審判)とされているものの[注釈 1]、実際の受賞者は、その年の日本シリーズで勝利したチームの監督であることが多い。かつては同一チームが連続日本一になった場合に、同じ人物の連続受賞を避けるために選手が受賞する場合もあった。一時期は「来日外国人選手の受賞はできない」と言われた時期もあったが、2017年にデニス・サファテが受賞したことでその不文律は崩れている。また、WBC日本代表が優勝した際にはいずれも日本代表監督が受賞しているが、2023年はWBC優勝に導いた栗山英樹ではなく、阪神タイガースを38年ぶりの日本一に導いた岡田彰布が受賞している[注釈 2]

選考委員会

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日本プロ野球コミッショナーから委託された「正力松太郎賞選考委員会」によってシーズン終了後に審議され選出される。現在のメンバーは下記である[2]

歴代受賞者一覧

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年度 名前 所属 位置 備考
1977 王貞治(1) 巨人 内野手 通算本塁打世界記録
1978 広岡達朗(1) ヤクルト 監督 日本シリーズ優勝監督
1979 西本幸雄 近鉄 監督 パ・リーグ優勝監督
1980 古葉竹識 広島 監督 日本シリーズ優勝監督
1981 藤田元司(1) 巨人 監督 日本シリーズ優勝監督
1982 広岡達朗(2) 西武 監督 日本シリーズ優勝監督
1983 田淵幸一 西武 指名打者[注釈 3] 日本シリーズ優秀選手
1984 衣笠祥雄 広島 内野手 セ・リーグMVP
1985 吉田義男 阪神 監督 日本シリーズ優勝監督
1986 森祇晶(1) 西武 監督 日本シリーズ優勝監督
1987 工藤公康(1) 西武 投手 日本シリーズMVP
1988 門田博光 南海 指名打者[注釈 4] パ・リーグMVP(史上最年長での受賞)
1989 藤田元司(2) 巨人 監督 日本シリーズ優勝監督
1990 森祇晶(2) 西武 監督 日本シリーズ優勝監督
1991 秋山幸二(1) 西武 外野手 日本シリーズMVP
1992 石井丈裕 西武 投手 日本シリーズMVP、パ・リーグMVP
1993 野村克也 ヤクルト 監督 日本シリーズ優勝監督
1994 長嶋茂雄 巨人 監督 日本シリーズ優勝監督
イチロー(1) オリックス 外野手 シーズン最多安打NPB記録
パ・リーグMVP
1995 イチロー(2) オリックス 外野手 パ・リーグMVP
1996 仰木彬 オリックス 監督 日本シリーズ優勝監督
1997 古田敦也 ヤクルト 捕手 日本シリーズMVP、セ・リーグMVP
1998 佐々木主浩 横浜 投手 シーズン最多セーブNPB記録
セ・リーグMVP
1999 王貞治(2) ダイエー 監督 日本シリーズ優勝監督
2000 松井秀喜 巨人 外野手 日本シリーズMVP、セ・リーグMVP
2001 若松勉 ヤクルト 監督 日本シリーズ優勝監督
2002 原辰徳(1) 巨人 監督 日本シリーズ優勝監督
2003 王貞治(3) ダイエー 監督 日本シリーズ優勝監督
星野仙一(1) 阪神 監督 セ・リーグ優勝監督
2004 伊東勤 西武 監督 日本シリーズ優勝監督
2005 ボビー・バレンタイン ロッテ 監督 日本シリーズ優勝監督
2006 王貞治(4) ソフトバンク 監督 WBC優勝監督
2007 落合博満 中日 監督 日本シリーズ優勝監督
2008 渡辺久信 西武 監督 日本シリーズ優勝監督
2009 原辰徳(2) 巨人 監督 WBC優勝監督
日本シリーズ優勝監督
2010 西村徳文 ロッテ 監督 日本シリーズ優勝監督
2011 秋山幸二(2) ソフトバンク 監督 日本シリーズ優勝監督
2012 原辰徳(3) 巨人 監督 日本シリーズ優勝監督
阿部慎之助 巨人 捕手 セ・リーグMVP[注釈 5]
2013 星野仙一(2) 楽天 監督 日本シリーズ優勝監督
2014 秋山幸二(3) ソフトバンク 監督 日本シリーズ優勝監督
2015 工藤公康(2) ソフトバンク 監督 日本シリーズ優勝監督
2016 栗山英樹(1) 日本ハム 監督 日本シリーズ優勝監督
2017 デニス・サファテ ソフトバンク 投手 シーズン最多セーブNPB記録
日本シリーズMVP、パ・リーグMVP
2018 工藤公康(3) ソフトバンク 監督 日本シリーズ優勝監督
2019 工藤公康(4) ソフトバンク 監督 日本シリーズ優勝監督
2020 工藤公康(5) ソフトバンク 監督 日本シリーズ優勝監督
2021 高津臣吾 ヤクルト 監督 日本シリーズ優勝監督
2022 中嶋聡 オリックス 監督 日本シリーズ優勝監督
2023 岡田彰布 阪神 監督 日本シリーズ優勝監督

特別賞

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年度 名前 所属 位置 備考
2004 イチロー(3) マリナーズ 外野手 シーズン最多安打MLB記録
2013 田中将大 楽天 投手 シーズン連勝NPB記録
パ・リーグMVP
2021 稲葉篤紀 野球日本代表 監督 東京オリンピック金メダル獲得
大谷翔平(1) エンゼルス 投手
指名打者
MLBア・リーグシーズンMVP
2022 村上宗隆 ヤクルト 内野手 史上最年少での三冠王
シーズン本塁打日本人最多記録[注釈 6]
セ・リーグMVP
2023 栗山英樹(2) 野球日本代表 監督 WBC優勝監督
大谷翔平(2) エンゼルス 投手
指名打者
ア・リーグ本塁打王
WBC優勝、大会MVP
MLBア・リーグシーズンMVP

受賞記録

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最多受賞は工藤公康の5回で、それに続くのは王貞治の4回である。選手・指導者の両方で受賞しているのは工藤、王に加えて秋山幸二の3人。球団別では、ソフトバンクからの受賞が南海・ダイエー含めて11回で最多。2016年日本ハム監督の栗山英樹が受賞したことで、現存する12球団と賞制定当時に存在した1球団の13球団すべてから受賞者が出ている。

複数回受賞者(特別賞含む)

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名前 回数 年度
工藤公康
5
1987, 2015, 2018, 2019, 2020
王貞治
4
1977, 1999, 2003, 2006
秋山幸二
3
1991, 2011, 2014
イチロー
3
1994, 1995, 2004
原辰徳
3
2002, 2009, 2012
広岡達朗
2
1978, 1982
藤田元司
2
1981, 1989
森祇晶
2
1986, 1990
星野仙一
2
2003, 2013
栗山英樹
2
2016, 2023
大谷翔平
2
2021, 2023

チーム別受賞回数(特別賞含む)

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チーム 回数
ソフトバンク(南海・ダイエー) 11回
巨人 9回
西武 9回
ヤクルト 6回
オリックス 4回
阪神 3回
ロッテ 2回
広島 2回
楽天 2回
中日 1回
DeNA(横浜) 1回
日本ハム 1回
近鉄 1回
その他 5回

脚注

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注釈

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  1. ^ 2010年にロッテが日本一になった際には、選考委員の中から千葉ロッテマリーンズ球団自体やマリーンズサポーター(ロッテファン)を対象にしようという意見も出たというが、実際には球団やファンは受賞資格がないため西村徳文監督に贈られた[1]
  2. ^ 同年に栗山は、特別賞を受賞した。
  3. ^ 登録は内野手。リーグ戦では指名打者としての出場がメインだったが、指名打者制不採用の日本シリーズでは一塁手として出場。
  4. ^ 登録は外野手。
  5. ^ 2005年以降、リーグMVPは正力賞より後に発表されている。
  6. ^ NPB歴代では同時点で単独2位。

出典

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