武氏祠
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武氏祠[1](ぶしし、拼音: )は、中国の考古遺跡の一つ。山東省済寧市嘉祥県にある、後漢の豪族武氏を祀った墓地建造物群の総称。嘉祥武氏墓群石刻の名で全国重点文物保護単位に登録されている。
「画像石」すなわち中国神話や歴史故事を描いた壁画・レリーフで知られる[2]。その画像石のうつし(拓本)が、図像資料として広く参照されている。
概要
[編集]武氏一族は殷王武丁の末裔とされ、後漢には任城県(現在の嘉祥県)の地方豪族として知られた[3]。武氏祠の建造時期は、後漢末期の桓帝時期の西暦147年から霊帝時期の168年頃と推定される[3]。
武氏祠の画像石については、宋代の金石学者たちが既に言及している[3]。画像石は、もともとは墓に併設されていた石室の壁画だったが、宋代以降、河川の氾濫によって石室が埋没してしまった[3][1]。清代中期(18世紀後半)、金石学者の黄易が画像石を発掘して、新たに煉瓦造の祠堂を建ててそこに保管した[1]。以降、拓本が流通し画像石の代表例として知られるようになった[4]。20世紀以降、考古学者や美術史学者が整理や研究を進めた。1961年には、第一次全国重点文物保護単位に登録された。21世紀現在、武氏祠があった場所に「武氏墓群石刻博物館」が設立されており、建造物群はそこに収蔵されている[3]。
主に以下の建造物からなる。
闕などには石文が刻まれており、武氏の人名や建造経緯が書かれている[1]。
ギャラリー
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水陸攻戦図
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武氏闕
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武氏闕、石獅子
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画像石
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画像石
関連項目
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d 日本大百科全書(ニッポニカ)・吉村怜『武氏祠』 - コトバンク
- ^ “中国画像石拓本資料 歴史系総合誌「歴博」第119号”. www.rekihaku.ac.jp. 国立歴史民俗博物館. 2020年8月9日閲覧。
- ^ a b c d e “中国山東省学術調査報告 武氏墓群石刻博物館 (『中国研究集刊』48号・麗号)”. 中国出土文献研究会 (2009年). 2020年8月9日閲覧。
- ^ “【企画展】古代中国の神話と祥瑞-武氏祠画像石拓本- 2022年12月1日(木)~2023年1月31日(火)”. 早稲田大学 會津八一記念博物館. 2022年12月12日閲覧。
関連文献
[編集]- 菅野恵美 著「画像は語る」、中国出土資料学会 編『地下からの贈り物 新出土資料が語るいにしえの中国』東方書店、2014年。ISBN 978-4497214119。
- 林巳奈夫『石に刻まれた世界 画像石が語る古代中国の生活と思想』東方書店、1992年。ISBN 4497923401。
- 森下章司「漢代の説話画」『国立歴史民俗博物館研究報告』第194号、2015年。doi:10.15024/00002215 。
- 渡部武『画像が語る中国の古代』平凡社、1991年。ISBN 4582284671。
外部リンク
[編集]- 『武氏祠』 - コトバンク
- “中国山東省学術調査報告 武氏墓群石刻博物館 (『中国研究集刊』48号・麗号)”. 中国出土文献研究会 (2009年). 2020年8月9日閲覧。
- “石刻拓本メニュー”. 京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター (2000年). 2020年8月9日閲覧。
- “【企画展】古代中国の神話と祥瑞-武氏祠画像石拓本- 2022年12月1日(木)~2023年1月31日(火)”. 早稲田大学 會津八一記念博物館. 2022年12月12日閲覧。