歴史のゴミ箱
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歴史のゴミ箱[1](れきしのゴミばこ、もしくは歴史の灰だまり)という言い回しは人物、事象、事物、イデオロギーなどが歴史上通用しなくなったり価値が下がる際に比喩的に使用される。
14世紀にローマを訪れたイタリアの詩人・学者のペトラルカは、過去の遺物にうずもれたローマ市のことを「歴史のごみの山」(rubbish heap of history)と呼んでいる[2]。
1887年にはイギリスの政治家・随筆家であったオーガスティン・ビレルが随筆集『Obiter Dicta』の中で、「歴史という名のあの大いなるごみの山」(that great dust heap called 'history.')という言葉を残している[3]。
著名な使用例としては、ロシアにおける革命家のレフ・トロツキーがメンシェビキを指して言った「お前たちは哀れで、孤立したばらばらの集団だ!お前たちは破産した。お前たちの役割は終わった。お前たちはこれから歴史のごみ箱行きだ。」というものがある。これは十月革命のさなかの1917年10月25日、ペトログラード(現・サンクトペテルブルク)での第2回ソビエト大会で、「ボリシェビキが不当に権力を奪取した」と論難したメンシェビキに対して行った返答である。これにより、ボリシェビキはロシア共産党を支配することになる[4][5][6][7]。
1982年6月8日の英国庶民院でのスピーチにて、当時のアメリカ合衆国大統領・ロナルド・レーガンは「自由と民主主義によりマルクス主義とレーニン主義は歴史のゴミ箱に打ち捨てられるでしょう」と言った[8]。
脚注
[編集]- ^ Alternative versions include: "dust heap of history", "trash heap of history", "garbage heap of history", "ashcan of history" See: “On Language; Dust Heaps of History”. (16 October 1983) 13 March 2016閲覧。
- ^ Hibbert, Christopher (25 October 2001). Rome: The Biography of a City. Google books: Penguin Books. pp. Chapter six. ISBN 978-0140070781 28 April 2018閲覧。
- ^ Safire, William (16 October 1983). “On Language; Dust Heaps of History”. The New York Times 13 March 2016閲覧。
- ^ “The What of History?”. Language Log (23 December 2011). 23 December 2011閲覧。
- ^ Sonne, Paul, "The Dustbunnies of History", The Oxonian Review 8 June 2009 • Issue 9.7. ISBN 978-0-571-22875-1
- ^ Bertrand M. Patenade (2009) Stalin's Nemesis: The Exile and Murder of Leon Trotsky, Faber and Faber, pp. 193–194, 352. ISBN 978-0-571-22875-1
- ^ Maureen Healey (2004), “11 Dictator in a Dumpster: Thoughts on History and Garbage”, in Alun Munslow, Robert A. Rosenstone, Experiments in Rethinking History (illustrated ed.), Routledge, p. 225, ISBN 978-0-415-30146-6
- ^ “Ash Heap of History: President Reagan's Westminster Address 20 Years Later”. Heritage Foundation (3 June 2002). 17 September 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。13 February 2007閲覧。