残唐五代史演義伝
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『残唐五代史演義伝』(ざんとうごだいしえんぎでん、残唐五代史演義とも)は、唐の滅亡(907年)から宋の成立(960年)までの、いわゆる五代十国時代を背景にした白話小説の一つである[1]。全六十回の章回小説、羅貫中編纂とされており、残存する刊本『殘唐五代史演義傳』は明代にまで遡る。なお日本語訳書はない。
概要
[編集]北宋時代、その都『東京』は栄え[2]、様々な講釈等の技芸が出現した。五代十国時代の英雄譚などが好評を博していた[3]。やがてそれらの種本や、講釈録を基に敷衍加筆を重ね、明代に集成され演義という形式の白話小説が完成したとされる。
『残唐五代史演義伝』とは、史建唐率いる五龍からなる五方五帝陣と先鋒の高行周[4]と英雄李存孝[5]らが、敵役である後梁の豪傑王彦章[6]を滅ぼすという物語を主軸に展開するフィクションである。五龍とはのちの後唐の荘宗李存勗、明宗李嗣源、後晋の高祖石敬瑭、後漢の高祖劉知遠、後周の太祖郭威である[7]。
注・出典
[編集]- ^ 同時代を描いた歴史記述中心の白話小説『新編五代史平話伝』があるが、こちらは作者不詳で、また原本が完全に残存していない。
- ^ 960年の陳橋の変で、後周から禅譲を受けた趙匡胤は開封府を都とし、東京(とうけい)と称した。
- ^ 南宋時代の孟元老なる人物が東京を回顧して書いた『東京夢華録・巻五』に尹常賣という五代史説者の名がある。 中国語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります:東京夢華錄/卷五 京瓦伎藝の条。
- ^ 旧五代史一百二十三巻に高行周伝がある。 中国語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります:舊五代史/卷123
- ^ 旧五代史五十三巻に李存孝伝がある。 中国語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります:舊五代史/卷53
- ^ 旧五代史二十一巻に王彦章伝がある。 中国語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります:舊五代史/卷21
- ^ 大塚秀高『嘉靖定本から万暦新本へ―熊大木と英烈・忠義を端緒として―』紀要論文
外部リンク
[編集]- 中國哲學書電子化計劃《殘唐五代史演義傳》。