比翼の鳥
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比翼の鳥(ひよくのとり、簡: 比翼鸟)は、古代中国の伝説上の生物。鶼鶼、蛮蛮とも呼ばれる。伝説では、1つの翼と1つの眼しか持たないため、雄鳥と雌鳥が隣り合い、互いに飛行を支援しなければ飛ぶことができない。『山海経』の「五蔵山経西山経」によれば、この鳥が現れると、洪水が起きるという。『爾雅』の郭璞による注釈によれば、鳧(マガモ)に似て、青赤色をしている。
比翼の鳥の登場する、中国唐代の詩人・白居易の長編詩『長恨歌』の一節「在天願作比翼鳥、在地願爲連理枝」はよく知られ、男女の仲睦まじい様子を意味する故事成語「比翼連理」の由来となっている[1]。
伝説
[編集]比翼の鳥の伝説に関する古典上の記述には、以下のものがある。
- 『山海経』「海外経海外南経」
- 「比翼鳥在其東,其為鳥青、赤,両鳥比翼。一曰在南山東。」
- 『山海経』「五蔵山経西山経」
- 「崇吾之山……有鳥焉,其状如鳧,而一翼一目,相得乃飛,名曰蛮蛮,見則天下大水。」
- 『爾雅』「釋地」
- 「南方有比翼鳥焉,不比不飛,其名謂之鶼鶼。」[2]
- 郭璞注「似鳧,青赤色。」
- 『博物志』
- 「南方有比翼鳥,飛止飲啄,不相分離……死而復生,必在一処。」
- 『瑞応図』
- 「王者徳及高遠,則比翼鳥至。」
- 『曹子建集』[3]「送応氏」
- 「山川阻且遠,別促会日長,願為比翼鳥,施翮起高翔。」