水のソルティレージュ
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『水のソルティレージュ』(みずのソルティレージュ)は、わかつきめぐみによる日本の漫画作品。1990年2月の『LaLa WINTER CLUB』(白泉社)に掲載。単行本化されていない。
概要
[編集]『So What?』(1987年 - 1989年)の連載を終えた作者が異世界ファンタジーとして手がけた異色の中編作品で、雑誌掲載時は84ページであった[1]。作者は1991年刊行の単行本『グレイテストな私達』第2巻で、同作品を表題作とする単行本化への意欲を示し、「完全版」として全面改稿する方針で1994年、104ページに増頁した上でネーム作業に入ったものの[2]途中で挫折したため[3]、作者の雑誌掲載作で唯一の単行本未収録作品となっている。
作者がファンと公言している音楽ユニット「ZABADAK」が1987年、漫画家萩尾望都の同名作品に影響を受けて制作したアルバム『銀の三角』に、ノルウェー「Fra Lippo Lippi」の「Shouldn't Have to Be Like That」(1986年発売)をカバーした本作品と同タイトルの「水のソルティレージュ」が所収されている。
あらすじ
[編集]生きていくために他者を食べる自らの存在に疑問を持つ獣「豺虎(さいこ)」の天水(たかみ)と、自らが存在する意義を求めつづける少女翡翠(ひすい)は、ともに周囲から避けられていた。満月の夜、2人の額に、迷い出たほかの豺虎の魂が入り込んだことを示す「月病みの印」が現れる。