沖澤のどか
沖澤 のどか | |
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生誕 | 1987年(36 - 37歳) |
出身地 | 日本・青森県三沢市 |
学歴 |
東京藝術大学音楽学部指揮科 東京芸術大学大学院音楽研究科指揮専攻修士課程 ハンス・アイスラー音楽大学ベルリン修士課程オーケストラ指揮専攻修了 |
ジャンル | クラシック |
職業 | 指揮者 |
活動期間 | 2011年 - |
事務所 | KD SCHMID |
公式サイト |
www |
沖澤 のどか(おきさわ のどか、1987年[1] - )は、日本の指揮者。青森県三沢市生まれ、青森市育ち[2]。ハンス・アイスラー音楽大学ベルリン修士課程オーケストラ指揮専攻修了[3]。ドイツ・ベルリン在住。所属事務所はKD SCHMID[4]。
人物・来歴
[編集]青森県出身。親族の影響で幼少期から楽器類に親しんでおり、小学5年から高校までは地元の青森ジュニアオーケストラでチェロを弾いていた[2][5]。青森県立青森東高校では吹奏楽部に所属し、パートはオーボエであった。
音楽の道に進むと決意したタイミングが高校2年の冬と遅く、それまでほぼ勉強していなかった「指揮科」を進学先に選んだ理由のひとつとして、普通高校でも芸術系大学への入試準備が間に合うかもしれないと考えたためと明かしている[1][2][5]。高校2年生くらいまでは大学で日本語を勉強して、将来は図書館司書など静かな仕事がしたかったと語っている[6]。
東京藝術大学音楽学部指揮科に現役合格、首席卒業[7]。卒業時にアカンサス音楽賞、同声会賞を受賞し、新卒業生紹介演奏会に出演。同大学院音楽研究科指揮専攻修士課程修了[8]。在学中に高関健と尾高忠明に師事した。2014年に同大学院を修了した後、ハンス・アイスラー音楽大学ベルリンへ進学してクリスツィアン・エーヴァルトとハンス・ディーター・バウムの下でオーケストラ指揮を学び、2019年に修士号を取得した[9]。
2011-2012年、オーケストラ・アンサンブル金沢指揮研究員[10]。2015年、フェリックス・メンデルスゾーン基金の奨学生に選出[8]。
2016年、第7回ジュネス・ミュジカル・ブカレスト国際指揮者コンクール[11]にて第3位受賞[12]。
2017年、ダニエレ・ガッティとロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団によるマスタークラスに参加[3]。
2018年、第18回東京国際音楽コンクール〈指揮〉にて、女性として初めて[1]第1位及び特別賞、齋藤秀雄賞を受賞[13][14]。第1回ニース・コートダズール・オペラ指揮コンクール[15]セミファイナリスト。
2019年、東京・春・音楽祭において、リッカルド・ムーティによるイタリア・オペラ・アカデミーを受講[16][17]。
2019年9月21日、第56回ブザンソン国際指揮者コンクール優勝。同時に聴衆賞及びオーケストラ賞に輝いた[18][19][20][21]。
2019年10月、ハンス・アイスラー音楽大学ベルリン修士課程オーケストラ指揮専攻を修了する[3]。
これまでに、指揮を田中良和、松尾葉子、尾高忠明、高関健、下野竜也、クリスツィアン・エーヴァルト、ハンス・ディーター・バウム、マヌエル・ナヴリの各氏に、オペラ指揮をハンス=ディーター・バウムに師事[3]。井上道義、下野竜也、パーヴォ・ヤルヴィ、メーネ・ヤルヴィ、クルト・マズア、リッカルド・ムーティ各氏のマスタークラスを受講[1][5]。
2020年よりベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のカラヤン・アカデミーの奨学金を受け、キリル・ペトレンコの助手となる[22]。2022年3月には、連邦大統領官邸(ベルビュー宮殿)においてロシアの侵略を受けたウクライナとの連帯を示すために開催されたコンサートで、急病のペトレンコの代役としてベルリン・フィルを指揮した[23]。
2022年8月のセイジ・オザワ 松本フェスティバルで『フィガロの結婚』を指揮して成功裡に終えた[24]。
2023年4月より京都市交響楽団の第14代常任指揮者に就任[25][26]。
2024年よりセイジ・オザワ 松本フェスティバルの首席客演指揮者に就任[27][28][29]。当初予定していた就任披露公演に加えて、アンドリス・ネルソンス降板に伴い、オーケストラ コンサート Bプログラム(ブラームスの交響曲第1番、第2番)でもサイトウ・キネン・オーケストラを指揮し、高い評価を得た[30][31][32]。
私生活では、2019年にリトアニア人男性と結婚、2022年1月には女児を出産し、そのために産休に入っていたが出産後2か月ほどで復職した[4][26][33]。
評価
[編集]音楽評論家の原納暢子は、第18回東京国際音楽コンクールで沖澤が優勝したときの指揮を「体軸が全くブレず、動きにムダがない指揮」、「落ち着いて音楽に没頭できる」と評している[34]。
音楽学者の長木誠司は、2024セイジ・オザワ 松本フェスティバルで沖澤がサイトウ・キネン・オーケストラとブラームスを演奏した公演を「演奏はすばらしかった。鬼神が、いや小澤が憑依したかと思われるほどの凄み。このオーケストラの力量を改めて感じた。これまで偉大すぎる指揮者の姿の陰に隠れていた部分を含め、すべてが前面に出そろった印象で、それらを十全に引き出してみせた沖澤の辣腕に感服してしまった」と評している[30]。また音楽評論家の東条碩夫も同公演について「この日の代役を引き受けた首席客演指揮者の沖澤のどかにとって、強豪SKOを相手に、この音楽祭でブラームスの『交響曲第1番』と『交響曲第2番』を指揮するということは、自己の実力を示すこの上ない機会になったであろう。そして彼女は、その大舞台で、見事に成功を収めたのである。」と評した[35]。
ディスコグラフィ
[編集]- シベリウス:交響曲第2番(読売日本交響楽団、DENON、2023年12月20日、COCQ85619)
- ブラームス:交響曲第1番、同第2番(サイトウ・キネン・オーケストラ、Decca、2024年12月18日、UCCD45032)
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d “指揮者 沖澤のどかインタビュー|一度は諦めかけた指揮者への道、巨匠ムーティからの「Be Yourself」を胸に進む――東京国際コンクールの覇者 沖澤のどか”. 音楽っていいなぁ、を毎日に。| Webマガジン「ONTOMO」. 2019年12月7日閲覧。
- ^ a b c 青森朝日放送 (2020年1月31日). “われら青森賢民#31 沖澤のどかさん(指揮者/三沢市&青森市)2020/1/31 O.A”. YouTube. 2020年5月31日閲覧。
- ^ a b c d “沖澤のどかがブザンソン国際指揮者コンクールで優勝”. 東京・春・音楽祭 2020. 2019年12月7日閲覧。
- ^ a b 「美しい自然で育んだ感性で音を作る「共感覚」の持ち主 指揮者・沖澤のどか」『AERA dot.』2023年7月7日。
- ^ a b c “連載コラム:ゲ!偉大!| 第一回 沖澤のどか”. www.geidai.ac.jp. 東京藝術大学 (2019年12月1日). 2020年5月30日閲覧。
- ^ “沖澤のどかに50の質問!〈前編〉舞台に上がるときの気持ちは? いちばんおもしろかった共演者は?”. 音楽之友社. 2024年9月24日閲覧。
- ^ “沖澤のどかプロフィール”. 神奈川芸術文化財団. 2023年12月31日閲覧。
- ^ a b “メンデルスゾーン基金奨学金”. mendelssohn-archive Jimdoページ. 2019年12月7日閲覧。
- ^ 「指揮者・沖澤のどかさんインタビュー 「マエストロ沖澤のどかが迎える次の境地」」『婦人画報』2023年5月12日。
- ^ “2019-09-22 お知らせ - 沖澤のどかさん「ブザンソン国際指揮者コンクール」優勝”. アンサンブル金沢. 2023年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月7日閲覧。
- ^ “Nodoka Okisawa”. www.bucharestcompetition.ro. www.bucharestcompetition.ro. 2021年3月20日閲覧。
- ^ “7th Edition 2016 – BUCHAREST COMPETITION” (英語). Jeunesses musicales international conducting competition. 2019年12月7日閲覧。
- ^ “2018年(本選レポート)|東京国際音楽コンクール<指揮>アーカイブ|東京国際音楽コンクール<指揮>”. www.conductingtokyo.org. 2019年12月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月7日閲覧。
- ^ 「第18回東京国際音楽コンクール〈指揮〉」『朝日新聞 夕刊』2018年10月29日、3面。
- ^ “RESULTS”. www.opera-nicecompetition.com. www.opera-nicecompetition.com. 2019年12月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月20日閲覧。
- ^ “リッカルド・ムーティ「イタリア・オペラ・アカデミー in 東京」”. www.tokyo-harusai.com. 東京・春・音楽祭. 2019年12月7日閲覧。
- ^ “リッカルド・ムーティ氏に特別インタビュー!巨匠が語る「音楽の力」とは?”. 雑誌 家庭画報公式サイト. 2023年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月30日閲覧。
- ^ Bernengo, Adele. “Nodoka Okisawa gagne le Grand Prix du 56e Concours ! | Festival international de musique – Besançon Franche-Comté” (フランス語). 2019年12月7日閲覧。
- ^ 「仏の若手指揮者コンクール 沖澤のどかさん優勝」『東京新聞 朝刊』2019年9月23日、22面。オリジナルの2019年9月24日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「仏の国際指揮者コンクール、沖澤のどかさん優勝」『日本経済新聞 朝刊』2019年9月23日、26面。
- ^ 「国際指揮者コン、沖澤さんが優勝」『朝日新聞 朝刊』2019年9月29日、26面。
- ^ “Artists - Conductor NODOKA OKISAWA”. KD SCHMID. 2023年12月31日閲覧。
- ^ 「ベルリン・フィル、ウクライナとの連帯示すコンサート…沖澤のどかさんが指揮」『読売新聞』2022年3月27日。
- ^ “アンコール:セイジ・オザワ 松本フェスティバル2022 「フィガロの結婚」盛況に開催”. 毎日新聞. 2024年10月29日閲覧。
- ^ 京都市交響楽団 新常任指揮者の就任について - ウェイバックマシン(2023年12月31日アーカイブ分)
- ^ a b “指揮者・沖澤のどかさん インタビュー一問一答 ~追究する音楽、そして地元・青森への思い~”. NHK (2023年1月11日). 2023年12月31日閲覧。
- ^ “2024セイジ・オザワ 松本フェスティバル 8月9日(金)〜 9月4日(水)開催!”. セイジ・オザワ 松本フェスティバル (2024年2月22日). 2024年4月5日閲覧。
- ^ “OMF首席客演指揮者 沖澤のどかに聞く”. セイジ・オザワ 松本フェスティバル (2024年7月5日). 2024年10月29日閲覧。
- ^ “interview 沖澤のどか(セイジ・オザワ 松本フェスティバル 首席客演指揮者)”. ぶらあぼONLINE | クラシック音楽情報ポータル. 2024年10月29日閲覧。
- ^ a b “(評・音楽)沖澤のどか指揮、サイトウ・キネン・オーケストラ 感服、未来へ繋がる小澤の凄み:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年8月22日). 2024年10月29日閲覧。
- ^ TMTM (2024年8月26日). “セイジ・オザワ 松本フェスティバル2024 オーケストラ・コンサート リポート前編”. CLASSICNAVI. 2024年10月29日閲覧。
- ^ TMTM (2024年8月26日). “セイジ・オザワ 松本フェスティバル2024 オーケストラ・コンサート リポート後編”. CLASSICNAVI. 2024年10月29日閲覧。
- ^ “指揮者変更のお知らせ”. サントリーホール・メンバーズ・クラブWEB (2021年9月24日). 2023年12月31日閲覧。
- ^ “「東京国際音楽コンクール<指揮>」初の女性優勝者、沖澤のどかに聞く~ベルリンを拠点に世界へ | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス”. SPICE(スパイス)|エンタメ特化型情報メディア スパイス. 2019年12月7日閲覧。
- ^ 東条碩夫[音楽評論家. “2024・8・17(土)セイジ・オザワ松本フェスティバル2024~沖澤のどか指揮サイトウ・キネン・オーケストラ Bプログラム~”. concertdiary.blog.fc2.com. 2024年12月6日閲覧。
外部リンク
[編集]- Nodoka Okisawa
- Nodoka Okisawa(所属事務所KD SCHMIDのプロフィール)