河川における管理者不明の橋
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河川における管理者不明の橋(かせんにおけるかんりしゃふめいのはし)は、日本において、河川に架けられているが設置者が不明で、誰が管理するか決まっていない管理者不明の橋のことである。川の周辺住民などが通行の便のために勝手に設置したものが多いとされ、2021年11月下旬にマスメディアから「勝手橋」の呼び名で報道された[1][2]。
日本では河川法により河川に橋など工作物を設置、占用する場合、河川を管理する自治体の許可が必要で、橋の維持・管理は設置者に義務づけられている[1][3]。このため、勝手橋は法に反するほか、点検や補修などの維持管理がされずに放置されているものも多く、浸水被害や事故が発生しており問題となっている[4]。
なお、河川の占用許可手続きを定めた河川法の施行は1965年であり、これ以前に架けられた橋は許可を受けたとみなす経過措置の対象とされ、みなし許可橋とされた経緯があり、勝手橋の多くはみなし許可橋の可能性があるという[5]。
こうした橋は国土交通省の2022年5月の調査で回答分だけで日本全国に9697か所存在し[6]、最も多い滋賀県では2138の勝手橋が見つかっている。これは、滋賀県が管理する河川に架かる橋の4分の1にあたる[4]。
脚注
[編集]- ^ a b “誰が設置したのか「勝手橋」…住民多数が利用でも、管理者不明のまま補修されず放置”. 読売新聞オンライン (2021年11月22日). 2022年11月5日閲覧。
- ^ 危ない⁉住民手作り「勝手橋」、全国に1万以上...「めざまし8」が調べてみると - J-CASTテレビウォッチ、2021年11月23日
- ^ “「勝手橋(かってばし)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書”. www.weblio.jp. 2022年11月5日閲覧。
- ^ a b 日本放送協会. “誰が架けたか“勝手橋”管理者不明の橋 全国約1万か所 危険性も|地方潮流”. NHK政治マガジン. 2022年11月5日閲覧。
- ^ “管理者不明橋、大半は「みなし許可橋」 1965年以前に設置、老朽化著しく封鎖も”. 福井新聞. (2022年5月27日) 2022年11月6日閲覧。
- ^ “斉藤大臣会見要旨”. 国土交通省 (2022年8月26日). 2022年11月5日閲覧。