浦刀禰
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浦刀禰(うらとね)とは、中世日本において浦の住人とその業(漁業・海運・製塩など)を統括した職。
刀禰という職名は律令制の頃から存在したが、律令制の解体後も刀禰は地域の役人として存在した。このうち、農村や都市などの刀禰は鎌倉時代には形骸化していくが、海岸部の浦刀禰はむしろその時期より台頭することになる。浦刀禰は国衙や荘園領主に代わって年貢や公事を徴収し、その見返りに給田を与えられた。また、大網漁の指揮者である「村君(むらぎみ)」や浦の社である浦鎮守の禰宜を兼ねて地域に影響力を与えた。浦刀禰は鎌倉時代末期以降は浦でも惣村化が進み、影響力が低下していくものの、一部地域では近世まで存続した。
参考文献
[編集]- 黒川正宏「浦刀禰の存在形態について」『中世惣村の諸問題』国書刊行会、1982年、61-80頁。 NCID BN00348378。
- 丹生谷哲一「浦刀禰」『平安時代史事典』角川書店、1994年 ISBN 978-4-04-031700-7
- 春田直紀「浦刀禰」『日本歴史大事典 1』小学館、2000年 ISBN 978-4-09-523001-6