海軍コマンド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
海軍コマンド
海軍コマンドーのベレー帽徽章
創設 1947年
所属政体 フランスの旗 フランス
所属組織 フランス海軍
兵科 海兵
兵種/任務/特性 特殊部隊
人員 650人[1]
所在地 モルビアン県ロリアン
上級単位 特殊作戦旅団
主な戦歴 第二次世界大戦
(ノルマンディー上陸作戦)
第一次インドシナ戦争
アルジェリア戦争
ユーゴスラビア紛争
ルワンダ紛争
コソボ紛争
アフガニスタン紛争 (2001年-)
ソマリア対海賊作戦
テンプレートを表示

海軍コマンド(かいぐんコマンド、:Commandos Marine)はフランス海軍コマンド部隊海軍フュージリアー海兵隊・コマンド軍フランス語版(Force maritime des fusiliers marins et commandos:FORFUSCO)隷下[1]特殊部隊。海軍に所属しているが、命令系統上は特殊作戦司令部の指揮下にある。

概要[編集]

フュージリアー海兵隊(Fusiliers Marins、海軍の海兵隊)と海軍コマンドの歴史は、1856年に創設された海兵隊学校にさかのぼる[1]

海軍コマンドは、1942年自由フランス軍兵士から編成された部隊が元となっている(これが後のFORFUSCOである)。この部隊は、部隊の司令官であったPhilippe Kieffer指揮によるノルマンディー上陸作戦(D-デイ)で活躍している。

その後、部隊は6つの個別部隊に分かれ、第一次インドシナ戦争に参戦したが、ベトミン軍の攻勢に遭い、ニンビン寺院をめぐる戦闘において、6部隊の1つであったフランソワ隊の約半数が戦死し壊滅したり、ユベル部隊の6名のうち3名が惨殺されると言う散々な戦果も経験した。(他にもポンシャルディエー隊があり、2015年に再編成される)

これ以降、アルジェリア戦争の反乱軍鎮圧に投入されたりするなど、現在フランスの特殊部隊の中でも、エリート部隊の1つとなっている。

部隊構成は、アメリカ海軍Navy SEALsと似ているが、SEALsは部隊方面別が主な分け方であるのに対し、海軍コマンドでは、役割別の部隊編成となっている(特にコマンドー・ユベルはSeal Team6:DEVGRUのように、半ば独立したような部隊となっている)。

部隊構成[編集]

海軍コマンドは5つの戦闘コマンドと、2つの支援コマンドで構成される[1]。それぞれ専門の部隊であり、部隊名は第二次世界大戦とインドシナ戦争で戦死したコマンドー部隊の将校の名前から付けられている。

戦闘コマンド
支援コマンド
  • コマンドー・キフェル Commando Kieffer - C3I(Command(指揮)、Control(統制)、Communication(通信)、Information(情報))に特化した部隊。軍用犬の運用も行っている。
  • コマンド・ポンシャルディエー Commando Ponchardier - 全コマンド部隊の支援、補給に特化した部隊。

主な参加作戦[編集]

  • 2019年5月、ブルキナファソでコマンド・ユベルが人質救出作戦を実行。フランス人2名と米国人1名、韓国人1名、計4名を救出した。しかし、この作戦で隊員2名が戦死。

 

人物[編集]

  • Olivier Gruner
Commando de Penfentenyo所属。
1981年にキックボクサーに転向し、その後アクション俳優として「ネメシス」などに出演。
  • Cedric de Pierrepont
Commando Hubert所属。
2019年、ブルキナファソで実行された人質救出作戦中に戦死。享年(32歳)
  • Alain Bertoncello
Commando Hubert所属。
2019年、ブルキナファソで実行された人質救出作戦中に戦死。享年(27歳)。

装備[編集]

ジブチにて、海軍コマンド(FA-MASを手にしたベレー帽の兵士)と米軍兵士

ギャラリー[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d Force maritime des fusiliers marins et commandos - フランス国防省(アーカイブ)2016年1月6日更新、2021年4月12日閲覧。

関連項目[編集]

  • フランス海軍
  • GCMC(フランス海軍近接戦闘群) - 類似部隊であるが、人数補充のためにユベルから人員が派遣される事がある。
  • DGSE(フランス対外治安総局) - ユベル創設時に直属であった部隊。
  • Navy SEALs(アメリカ海軍特殊部隊)
  • SBS(イギリス海兵隊特殊部隊)

外部リンク[編集]