海鳴り小坊主
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海鳴り小坊主、海鳴小坊主(うみなりこぼうず)は、石川県羽咋市に伝わる妖怪。
気多大社の裏の森が音をたてることを、土地の人々はこの名で呼び、恐れている。かつて上杉謙信の軍勢に攻められ、海に身を投げて命を落とした僧兵たちの亡霊の仕業といわれている[1]。
この森は「入らずの森」とも呼ばれ、僧兵の亡霊たちが成仏しきれないために海から陸へと這い上がり、森の木々にしがみつき、木を鳴らして音を立てているともいう[2]。また、一の宮村では僧兵たちの上げる悲鳴が海鳴りになって聞こえるともいい、「三千小坊主の海鳴り坊主」と呼ばれる[3]。
脚注
[編集]- ^ 民俗学研究所編 著、柳田國男監修 編『綜合日本民俗語彙』 第1巻、平凡社、1955年、172頁。
- ^ “B記者が行く!「猿鬼をリサーチせよ」前編(1)”. 日本「不思議」ニュース. デジタルウルトラプロジェクト (2004年12月15日). 2005年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年6月4日閲覧。
- ^ 藤井春洋「気多通信(一)」『民俗学』第1巻第4号、民俗学会、1929年10月10日、40頁。