潜伏期間
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潜伏期間(せんぷくきかん、英: incubation period, latent period)、あるいは潜伏期とは、病原体に感染してから、体に症状が出るまでの期間、あるいは感染性を持つようになるまでの期間のこと。病原体の種類によって異なる。
英語のincubation period、latent periodはいずれも潜伏期と訳されるが、この二つは明確に区別され、本人が病原体に感染してから症状を示すまでの期間をincubation period、感染してから他の(感受性を持つ)ヒトに病原体を感染させるようになるまでの期間をlatent periodと呼ぶ。この2つは病原体の種類によって異なるが、latent peirodがincubation periodより短い場合(麻疹など)は、発症時にはすでに他のヒトを感染させている可能性がある[1]。
潜伏期間の例
[編集]記載はおよそであり、個人差(特に生体の免疫力)により大きく左右される。
- インフルエンザ - 1〜3日
- 水痘(みずぼうそう)- 2〜3週間
- 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)- 2〜3週間
- 風疹 - 2週間
- 麻疹(はしか)- 2週間
- 結核 - 4〜8週間
- 日本脳炎 - 1〜3週間
- エイズ - 数年〜数十年
関連項目
[編集]- 感染症
- 伝染病
- 潜伏感染
- 不顕性感染 - 感染していても臨床的に症状が確認されない感染
- 無症候性キャリア - 病気に無自覚なウイルスキャリア、宿主。感染を拡大させるスーパー・スプレッダーともなる。例:メアリー・マローン
- 前駆症状 - 症状が出る前触れ
- ウインドウ期(ウインドウ・ピリオド) - 感染してから検査機器で検出できるようになるまでの空白期間。この期間はウイルスが少量で見逃しが発生する。
脚注
[編集]- ^ 平松啓一・中込治 編『標準微生物学』(第10版)医学書院、2009年、546頁。ISBN 978-4-260-00638-5。