澤村藤十郎 (2代目)
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にだいめ さわむら とうじゅうろう 二代目 澤村 藤十郎 | |
屋号 | 紀伊國屋 |
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定紋 | 笹竜胆 |
生年月日 | 1943年10月12日(81歳) |
本名 | 澤村豪一 |
襲名歴 | 1. 初代澤村精四郎 2. 二代目澤村藤十郎 |
別名 | 藤間 勘之(舞踊名) |
出身地 | 東京都 |
父 | 八代目澤村宗十郎 |
兄弟 | 九代目澤村宗十郎 |
二代目 澤村 藤十郎(さわむら とうじゅうろう、1943年〈昭和18年〉10月12日[1] - )は、歌舞伎役者。本名は澤村 豪一(さわむら ごういち)[1]。屋号は紀伊國屋。定紋は笹竜胆(ささりんどう)、替紋は波に千鳥。舞踊の名取名は藤間 勘之(ふじま かんじ)。歌舞伎名跡「澤村藤十郎」の当代。最終学歴は暁星高等学校中退[1]。
人物
[編集]東京都出身[1]。父は八代目澤村宗十郎、兄は九代目澤村宗十郎であり、いとこには六代目澤村田之助がいる。妻・千代枝は十七代目中村勘三郎の二女。新派女優の波乃久里子は義姉、十八代目中村勘三郎は義弟にあたる。
紀伊國屋の歌舞伎役者として、九代目宗十郎や六代目田之助とともに看板を背負う存在だったが、1998年に脳内出血を発症して右半身が麻痺し、のちにリハビリを行っている[2]。
当たり役は『女形の歯』の田之助、『切られお富』のお富など。また、関西歌舞伎の復興にも努めた[3]。
2024年(令和6年)、門下の澤村國矢が、同年12月の東京・歌舞伎座『十二月大歌舞伎』にて藤十郎の前名である澤村精四郎を二代目として襲名し、芸養子となることが発表・実施された[4][5][6]。
略歴
[編集]- 1943年10月12日 - 八代目澤村宗十郎の次男として東京に生まれる。
- 1957年1月 - 歌舞伎座『仮名手本忠臣蔵』の一力娘お久で澤村 精四郎(さわむら きよしろう)を名乗り初舞台。
- 1958年 - 東映に移籍し、『神州天馬侠』『里見八犬傳』『十三人の刺客』などに出演。
- 1964年5月 - 歌舞伎座『父帰る』の新二郎などで松竹復帰。
- 1969年 - 第19回芸術選奨新人賞受賞[7]。
- 1976年9月 - 歌舞伎座『新版歌祭文(野崎村)』の久作娘お光、『碁太平記白石噺』の宮城野妹信夫などで二代目 澤村 藤十郎(さわむら とうじゅうろう)を襲名。
- 1978年 - 上方歌舞伎の低迷を打破すべく、「関西で歌舞伎を育てる会」(のちの「関西・歌舞伎を愛する会」)の結成に尽力する[8]。
- 1984年 - CBCテレビ『すばらしき仲間』収録のため、二代目中村吉右衛門、五代目中村勘九郎らとともに旧金毘羅大芝居を訪れ、この芝居小屋に魅せられる[9]。その熱意もあって、翌年から「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が始まる。
- 1996年 - フジテレビの刑事ドラマ『古畑任三郎』に出演。この作品が現代劇初出演作となった。そこで演じた春峯堂のご主人役はファンからの評価も高い[10]。
- 1997年 - 「第一回藤十郎の会」開催。
- 1998年 - 脳内出血で倒れ右半身が麻痺。
- 2002年9月 - 第55回「名古屋をどり」で新作舞踊劇『鬼子母の解脱』の声を担当。
- 2008年5月 - 朗読公演「『平家物語』の夕べ」で10年ぶりに舞台復帰[11]。
- 2010年7月 - 大阪松竹座「関西・歌舞伎を愛する会 結成三十周年記念 七月大歌舞伎」夜の部『弥栄芝居賑 道頓堀芝居前』の構成を担当[12]。
- 2019年
- 2023年9月 - 木挽堂書店『劇評』でコラム「茶話むらさ紀」を連載開始[15]。
出演作品
[編集]映画
[編集]- 神州天馬侠(1958年、東映) - 武田伊那丸 役
- 神州天馬侠 完結篇(1958年、東映) - 武田伊那丸 役
- 金獅子紋ゆくところ 黄金蜘蛛(1958年、東映) - 徳川家綱 役
- 金獅子紋ゆくところ 魔境の秘密(1958、東映) - 徳川家綱 役
- 忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻(1959年、東映) - 矢頭右門七 役
- 幕末美少年録 会津の決死隊(1959年、東映) - 沢田信三 役
- 里見八犬傳(1959年、東映) - 犬坂毛野 役
- 里見八犬傳 妖怪の乱舞(1959年、東映) - 犬坂毛野 役
- 里見八犬傳 八剣士の凱歌(1959年、東映) - 犬坂毛野 役
- 恋山彦(1959年、東映) - 春太郎 役
- 長七郎旅日記 魔の影法師(1959年、東映) - 徳川家綱 役
- 長七郎旅日記 はやぶさ天狗(1959年、東映) - 徳川家綱 役
- 血槍無双(1959年、東映) - 大石主税 役
- 南国太平記(1960年、東映) - 島津久光 役
- 壮烈新選組 幕末の動乱(1960年、東映) - 吉岡源四郎 役
- 旗本退屈男 謎の竜神岬(1963年、東映) - 黒田忠継 役
- 武士道残酷物語(1963年、東映) - 七三郎 役
- 新選組血風録 近藤勇(1963年、東映) - 徳川家茂 役
- 雲切獄門帳(1963年、東映) - 高梨外記 役
- 右京之介巡察記(1963年、東映) - 細見剣之助 役
- 十三人の刺客(1963年、東映) - 小倉庄次郎 役
- シネマ歌舞伎 歌舞伎クラシック 船弁慶(2014年、松竹) - 源義経 役
テレビドラマ
[編集]- 天下の暴れん坊 猿飛佐助(1960年、NET) - 主演・猿飛佐助 役
- 新諸国物語 紅孔雀(1961年、NET) - 主演・小四郎 役
- 白鳥の騎士(1961年、NET) - 主演・丹後の雄麿 役
- 樅ノ木は残った(1970年、NHK大河ドラマ) - 宮本新八 役
- 日本怪談劇場 第4話「怪談 宇津谷峠」(1970年、東京12チャンネル) - 主演・文弥 役
- 弥次喜多隠密道中 第10話「大陰謀」(1971年、日本テレビ)
- 花道は炎のごとく(1985年、読売テレビ)
- 古畑任三郎 2nd season 第20回「動機の鑑定」(1996年、フジテレビ) - 春峯堂のご主人 役
- 俺たちに気をつけろ。(1996年、日本テレビ) - 柏木秀樹 役
- 幽婚(1998年、CBC) - 清姫 役
テレビ番組
[編集]ラジオ番組
[編集]- 邦楽のたのしみ(2001年、NHKラジオ第2)
- NHKカルチャーアワー 芸能・演劇その魅力「古今歌舞伎スター群像」(2003年 - 2004年、NHKラジオ第2)
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d 『読売年鑑2005 別冊.分野別人名録』(読売新聞東京本社,2005年3月13日発行,ISBN 4643050012)p.444より
- ^ 「厳島神社で「平家物語」の朗読公演 澤村藤十郎氏」『日本経済新聞』2012年9月19日。
- ^ “「関西・歌舞伎を愛する会」40周年、七月大歌舞伎 入魂の碇知盛、熱い夏”. 毎日新聞 (2019年6月27日). 2024年6月15日閲覧。
- ^ 「澤村國矢、12月歌舞伎座で2代目澤村精四郎を襲名「名を汚さぬよう精進して参ります」」『スポーツ報知』報知新聞社、2024年9月24日。2024年9月24日閲覧。
- ^ 松竹演劇ライツ部 筋書編集室 編「絵本発刊30周年記念『あらしのよるに』二代目澤村精四郎襲名披露」『十二月大歌舞伎(筋書)』歌舞伎座、2024年12月3日、4-17頁。「p.17顔写真入り精四郎ご挨拶掲載(松竹演劇本部長 山根成之 / 二代目澤村藤十郎)」
- ^ “澤村國矢改め澤村精四郎、歌舞伎座「あらしのよるに」劇中で涙の襲名披露口上「門閥外に希望ある歌舞伎界のため…」”. スポーツ報知. 報知新聞社 (2024年12月3日). 2024年12月4日閲覧。
- ^ “芸術選奨新人賞(演劇部門)受賞者一覧18-73回 | 文学賞の世界”. 直木賞のすべて (2023年3月24日). 2024年6月16日閲覧。
- ^ “療養中の澤村藤十郎さん、歌舞伎への思い「色々やったらいい」”. 朝日新聞. (2019年6月27日)
- ^ "再現!こんぴら大芝居". NHK. 2021年8月24日. 2023年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月24日閲覧。
- ^ "絶賛再放送中! 『古畑任三郎』ファンが選ぶ、「傑作エピソード」ベスト5". Pen. 6 July 2021. 2024年6月14日閲覧。
- ^ “歌舞伎俳優の澤村藤十郎、復帰に向け朗読公演”. 朝日新聞 (2008年3月14日). 2024年6月15日閲覧。
- ^ “片岡仁左衛門、澤村藤十郎「関西・歌舞伎を愛する会 結成三十周年記念 七月大歌舞伎」への想い”. 歌舞伎美人 (2010年6月1日). 2024年6月16日閲覧。
- ^ “こんぴら歌舞伎 沢村藤十郎さんサプライズ登場 創成期の苦労話披露 中村屋兄弟と座談会”. 四国新聞. (2019年4月17日)
- ^ “澤村藤十郎があいさつ「歌舞伎は世界一の芸術」 98年に脳内出血で倒れ、リハビリ中”. デイリースポーツ. (2019年7月27日)
- ^ 木挽堂書店 [@kobikidoshoten] (2023年9月15日). "【新入荷紹介】『#劇評』第18号(9月号) 44頁". X(旧Twitter)より2024年6月18日閲覧。
外部リンク
[編集]- 澤村藤十郎 (2代目) | 歌舞伎俳優名鑑 現在の俳優篇 - 歌舞伎 on the web
- 沢村精四郎 - 日本映画データベース
- 澤村藤十郎 - allcinema
- 沢村精四郎 - KINENOTE
- 沢村精四郎 - MOVIE WALKER PRESS