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激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スーパー戦隊OVシリーズ
VSシリーズ
第1作 超力戦隊
オーレンジャー オーレ
VS
カクレンジャー
1996年3月8日
第2作 激走戦隊
カーレンジャー
VS
オーレンジャー
1997年3月14日
第3作 電磁戦隊
メガレンジャー
VS
カーレンジャー
1998年3月13日

激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー』は、1997年3月14日に発売された、東映東映ビデオ制作のオリジナルビデオ作品。47分[1]

概要

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スーパー戦隊シリーズ激走戦隊カーレンジャー』のオリジナルビデオ作品であり、前作『超力戦隊オーレンジャー オーレVSカクレンジャー』に端を発したスーパー戦隊OVシリーズの第2弾に当たる。前作と同様、本作品もスーパー戦隊シリーズ前作『超力戦隊オーレンジャー』とのクロスオーバー作品として制作されており、本作品からは2大戦隊の巨大ロボも共演するようになる。『カーレンジャー』テレビシリーズに比定すると、暴走皇帝エグゾスが登場する第37話以降、ゾンネットの帰郷に関連する第45話より前にあたると思われる[2]

2大戦隊共に互いの存在を知らず、またレッドレーサーはマシン帝国バラノイアを知らなかったために騒動に繋がり、さらにオーレッドも宇宙暴走族ボーゾックを知らずに加勢した彼らを自分たちの味方だと勘違いするという展開も含め、主体となる『カーレンジャー』のコミカルかつ強烈な作風が『オーレンジャー』をすっかり呑み込んでいる。三浦参謀長役の宮内洋も当初は「こんな戦隊はおかしい!」と戸惑いを隠せなかった[3]。しかし監督の坂本太郎に説き伏せられて悩みながら参加するうちにカーレンジャーを理解し、それからは楽しそうに演じるようになったという[4][3]

上記したナンセンスな作風は、『カーレンジャー』テレビシリーズの脚本も務めた浦沢義雄の腕によるところが大きいが、ヒーローというジャンルにもキャラクターにも愛着がなく、ただ面白いことだけをやりたいという姿勢の浦沢にとって、戦隊同士の共演作品は人物が多すぎて不自由な思いをするものだった。宮内を登場させることも含めて、髙寺成紀プロデューサーの意向や発想を反映した作品だったと浦沢は語っている[5]

あらすじ

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ボーゾックは暴走車が不足していた。それを聞いた暴走皇帝エグゾスは車両が家出したくなるガソリンをボーゾックに提供し、ボーゾック一のガソリンスタンド店員・SSスタタンゾがその任務のために現れ、チーキュ(地球)の自動車にガソリンを仕込んでいた。

一方、陣内恭介 / レッドレーサーはオーレンジャーに追われるマシン獣バラモビルと遭遇する。星野吾郎 / オーレッドと三田裕司 / オーブルーが U.A.O.H.(国際空軍・オーレンジャー)であることを明かしても、恭介は「UAOH(うあおー)?[注釈 1]」と理解できず、見た目で善悪を判断するのは良くないと考えてバラモビルをかばおうとする。2大戦隊は巨大ロボまで繰り出して衝突し、そのうえボーゾックがオーレンジャーの加勢に入ったため事態は混迷の一途をたどる。紆余曲折の末カーレンジャーとオーレンジャーはあっさり和解、バラモビルとボーゾックは手を組み、オーレッドはSSスタタンゾの力でさらわれてしまう。

オーレッド救出のため、カーレンジャーはオーレンジャーの三浦参謀長による過酷な特訓を受ける。訓練を通じてオーレンジャーロボを操縦できる技術を身につけたカーレンジャーは、バリバリアンに突入して吾郎を奪還する。バラモビル・SSスタタンゾとの最終決戦には暴走皇帝エグゾスも介入してくるが、そこへシグナルマンが助勢に入り、2大戦隊は勝利するのだった。

オリジナルキャラクター

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SSスタタンゾスタスタスタタンゾ
ボーゾック一のガソリンスタンド店員。語尾に「スタタンゾ」を付けて話す。エグゾスが用意した「家出したくなるガソリン」をたくさんの地球の車に給油し、バリバリアンに連れて暴走車に改造する作戦を展開した。しかしシグナルマンによる「ふるさと」を聞いた車が、故郷を恋しがってチーキュへ戻っていったため失敗し、一旦バリバリアンに撤退する。
この失態は大きく、エグゾスから電撃によるお仕置きを食らい悔しがっていたものの、後にSSスタタンゾ(ハイオク)[6]にパワーアップし、カーレンジャーに再挑戦する。パワーアップ後はガソリンの能力が向上しており、さらに自らのガソリンを炎に変える力を身につけた。「ふるさと」を歌い終わる間もなく給油したレッドジェッターに搭乗したオーレッドをバリバリアンへ拉致していった。最期はVRVロボのビクトリーツイスターによって倒された。
  • デザインは野崎明が担当した[7]。強化後のデザインはなく、現場処理による[7]
バラモビル
バラノイア最後の生き残りのマシン獣。車と人間を合成した車人間を大量生産させ、マシン帝国に取って代わる「車人間帝国」を建造し、全宇宙を征服しようと企む。武器は眼からのビームと歯車。また、頭のギアを高速回転させることで単独で巨大化できる能力を持つ。巨大化後は剣を持つ。
オーレンジャーとの戦いでついた傷を癒すため湯の小屋温泉にいたところ、恭介と出会いオーレンジャーから助けてもらう。後で彼が悪人だということがわかり、オーレンジャーに引き渡されかけたがボーゾックによってバリバリアンに連れて行かれ、同じ悪であるボーゾックと手を組む。最期はオーレンジャーロボのクラウンファイナルクラッシュで倒された。
  • デザインは阿部統が担当した[8]。阿部はバッカスフンドの親類という想定でデザインしている[8]
ノリシロン-増刊
エグゾスが特別に発行した宇宙ランド増刊号の特別付録である赤い巨大ロボットで、割りピンと糊で作られた組み立て済みの状態でSSスタタンゾたちの援護のために地球に届けられたノリシロン-12の強化型[1]。無人で動き、ビームが出せる角を武器とする。VRVロボとオーレンジャーロボを襲撃し、流れをボーゾック側に変えるが、サイレンダーが加勢して3対3になり、最期はサイレンダーのサイレンバルカンで倒された。
  • デザインは野崎明が担当した[7]。色と胸の文字以外はノリシロン-12とほぼ同じ形状である[7]

スタッフ

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キャスト

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オーレンジャーの5人は変身後のみクレジット。

声の出演

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スーツアクター

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音楽

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主題歌
オープニングテーマ「激走戦隊カーレンジャー 〜フルアクセルヴァージョン〜」
作詞:森雪之丞 / 作曲:小路隆 / 編曲:奥慶一 / 歌:高山成孝
エンディングテーマ 「天国サンバ」
作詞:森雪之丞 / 作曲・編曲:小路隆 / 歌:高山成孝
挿入歌
いずれもノンクレジット。
「白バイ野郎シグナルマン」
インストゥルメンタル版が使用された。
「虹色クリスタルスカイ」
インストゥルメンタル版が使用された。
「激走合体!! RVロボ」
インストゥルメンタル版が使用された。
「オーレ! オーレンジャー」
インストゥルメンタル版が使用された。
「絶対勝利だ!VRV」
作詞:小泉卓 / 作曲・編曲:佐橋俊彦 / 歌:坂井紀雄

メディア

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  • 1997年3月14日:VHSレンタル開始。
  • 1997年3月21日:レーザーディスク発売。
  • 1997年7月21日:VHS発売。
  • 2001年2月21日:DVD発売[9]
  • 2016年3月23日:ブルーレイディスク発売(スーパー戦隊 V CINEMA&THE MOVIE Blu-ray BOX 1996‐2005に収録)。
  • 2019年2月6日:ブルーレイディスク分割発売開始(スーパー戦隊 V CINEMA&THE MOVIE Blu-ray 1996‐1998に収録)。

脚注

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注釈

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  1. ^ この誤読ネタは『海賊戦隊ゴーカイジャー』第31話でも使用された。

出典

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  1. ^ a b 超解析 2018, p. 116, 「第4章 スーパー戦隊VSシリーズ / クロスオーバー作品全解説 激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー」
  2. ^ VS超記録, p. 70, 超記録ファイル#2.
  3. ^ a b 講談社 編「スーパー戦隊制作の裏舞台 坂本太郎」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀』《2000 未来戦隊タイムレンジャー》講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2018年7月10日、32頁。ISBN 978-4-06-509609-3 
  4. ^ 豪快演義, p. 71, DIRECTOR INTERVIEW_05 坂本太郎.
  5. ^ VS超記録, pp. 90–91, SPECIAL INTERVIEW 浦沢義雄.
  6. ^ 30大戦隊超全集 2007, p. 119.
  7. ^ a b c d 百化繚乱 下之巻 2012, p. 37
  8. ^ a b 百化繚乱 下之巻 2012, p. 20
  9. ^ 「綴込特別付録 宇宙船 YEAR BOOK 2002」『宇宙船』Vol.100(2002年5月号)、朝日ソノラマ、2002年5月1日、169頁、雑誌コード:01843-05。 

参考文献

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