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炭酸ニッケル(II)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
炭酸ニッケル(II)

塩基性炭酸ニッケル
識別情報
CAS登録番号 (for Ni4CO3(OH)6(H2O)4 29863-10-3) 3333-67-3 (for Ni4CO3(OH)6(H2O)4 29863-10-3) チェック
PubChem 18746
ChemSpider 17701 チェック
EC番号 222-068-2
国連/北米番号 3288
RTECS番号 QR6200000
特性
化学式 NiCO3
モル質量 118.702 g/mol
外観 明るい緑色の粉末
密度 4.39 g/cm3
融点

溶ける前に分解

への溶解度 0.0093 g/100 mL
構造
結晶構造 菱面体晶
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 0927
EU分類 有毒(T)
有害(Xn)
刺激性(Xi)
環境への危険性 (N)
EU Index 028-010-00-0
NFPA 704
0
2
0
Rフレーズ R49, R61, R20/22, R38, R42/43, R48/23, R68, R50/53
Sフレーズ S53, S45, S60, S61
半数致死量 LD50 840 mg/kg
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

炭酸ニッケル(II)(たんさんニッケル(II)、nickel(II) carbonate)は、化学式がNiCO3で表される無機化合物である。産業的に最も重要な炭酸ニッケルは化学式がNi4CO3(OH)6(H2O)4塩基性炭酸ニッケルで、実験室でよく見られるのはNiCO3とその六水和物である。すべてNi2+を含む常磁性の緑色の固体。

塩基性炭酸塩は鉱石の湿式製錬の中間生成物であり、電気めっきに使われる[1]。この他、いくつかのセラミック材料や触媒の前駆体として使われる。

炭酸ニッケルは酸性水溶液と接触させると加水分解し、 イオン、遊離水と二酸化炭素の水溶液になる。これを焼成(熱して二酸化炭素と水を除去する)すると酸化ニッケル(無水炭酸ニッケル)となる。

得られる酸化物の性質は前駆体に依存する。塩基性炭酸塩から得られる酸化物は触媒に有用である。

塩基性炭酸ニッケルは硫酸ニッケル(II)炭酸ナトリウムから合成できる。

水和炭酸塩は二酸化炭素の存在下でニッケルを電解酸化して合成する[2]

天然では菱ニッケル鉱(gaspéite)として産出するが、希産鉱物であり、二次鉱物であるため結晶は特に稀である。

出典

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  1. ^ Keith Lascelles, Lindsay G. Morgan, David Nicholls, Detmar Beyersmann, "Nickel Compounds" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry Wiley-VCH, Weinheim, 2005. doi:10.1002/14356007.a17_235.pub2
  2. ^ Handbook of Preparative Inorganic Chemistry, 2nd Ed. Edited by G. Brauer, Academic Press, 1963, NY. p. 1557.