熊井英水
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熊井 英水(くまい ひでみ、1935年10月10日 - )は、日本の水産学者。近畿大学農学部名誉教授、学校法人近畿大学本部理事。農学博士。近畿大学水産研究所元所長。
略歴
[編集]長野県塩尻市出身。長野県松本深志高等学校を経て、1958年、広島大学水畜産学部を卒業し、近畿大学白浜臨海研究所(現・水産研究所)副手となる。以来、約半世紀にわたり、一貫して魚類の養殖にたずさわる。数々の海産魚の完全養殖に成功したほか、交雑魚の研究でも成果をあげた。1983年同農学部教授。1991年から2008年まで同水産研究所所長。
2002年には、研究チームのリーダーとして、難しいと思われていたクロマグロの完全養殖を成功に導いた。世界初の成果である。この研究は、1970年にスタートしたが、様々な困難が伴っていた。1991年には、研究チームのリーダーであった原田輝雄前所長が急逝するという危機をむかえるが、その後は熊井英水がチームのリーダーとなり研究が継続された。成功にいたる経緯は、NHKのプロジェクトX〜挑戦者たち〜に取り上げられている。
2003年には、近畿大学水産研究所が申請した「クロマグロ等の魚類養殖産業支援型研究拠点」がCOE拠点として採択され、その拠点リーダをつとめる。また、2003年、養殖魚の販売を行う「アーマリン近大」を設立。2006年まで代表取締役をつとめた。日本水産増殖学会の会長もつとめた。
受賞
[編集]- 1998年 日本水産学会技術賞
- 2002年 和歌山県文化特別賞
- 2003年 日本水産学会功績賞
- 2004年 日本水産増殖学会賞
- 2006年 大日本水産会功績者表彰
- 2008年 産学官連携功労者表彰科学技術政策担当大臣賞
- 2014年 瑞宝中綬章[1]
テレビ出演
[編集]- プロジェクトX〜挑戦者たち〜 「海のダイヤ・世界初クロマグロ完全養殖」(2005年7月5日、NHK)- 熊井英水が養殖のリーダーとしてゲスト出演[2]。
- 日経スペシャル カンブリア宮殿 「マグロをつくれ!これが新時代の水産業だ!」(2009年2月2日、テレビ東京)- 近畿大学教授 近大水産研究所 前所長として出演[3]。
書籍
[編集]著書・編者
[編集]- 『最新海産魚の養殖』(編著:熊井英水)(2000年1月1日、湊文社)ISBN 978-4921171001
- 『海産魚の養殖(新装版)』(編著:熊井英水)(2005年3月1日、湊文社)ISBN 9784921171018
- 『水産増養殖システム(1) 海水魚』(編者:熊井英水)(2005年10月1日、恒星社厚生閣)ISBN 9784769910268
- 『水産増養殖システム(4) アトラス』(編者:熊井英水 隆島史夫 森勝義)(2007年3月1日、恒星社厚生閣)ISBN 9784769910596
- 『クロマグロ完全養殖 近畿大学プロジェクト』(編著:熊井英水 宮下盛 小野征一郎)(2010年3月28日、成山堂書店)ISBN 9784425884919
- 『クロマグロ養殖業 技術開発と事業展開』(編者:熊井英水 有元操 小野征一郎、監修:日本水産学会)(2011年3月1日、恒星社厚生閣)ISBN 9784769912439
- 『究極のクロマグロ完全養殖物語』(著者:熊井英水)(2011年7月19日、日本経済新聞出版社)ISBN 9784532167998
- 『Full-Life Cycle Aquaculture of the Pacific Bluefin Tuna』(編著:熊井英水 宮下盛 坂本亘 小野征一郎)(2012年3月1日、農林統計出版)ISBN 9784897322483
監修
[編集]- 『マグロをそだてる 世界ではじめてクロマグロの完全養殖に成功!』(監修:熊井英水、文:江川多喜雄、絵:高橋和枝)(2009年7月31日、アリス館)ISBN 9784752004493
関連書籍
[編集]- 『世界初!マグロ完全養殖 波乱に富んだ32年の軌跡』(著者:林宏樹)(2008年11月20日、化学同人 DOJIN選書)ISBN 9784759813210
脚注
[編集]- ^ “平成26年春の叙勲 瑞宝中綬章受章者”. 内閣府. p. 7 (2014年4月29日). 2015年4月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月16日閲覧。
- ^ 「海のダイヤ・世界初クロマグロ完全養殖」 - NHKアーカイブス 2005年7月5日
- ^ 「マグロをつくれ!これが新時代の水産業だ!」 - テレビ東京 2009年2月2日